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なろうラジオ大賞4

駆け込んだトイレにペーパーは置いてなかったけど、壁におふだが貼ってある

掲載日:2022/12/24

 急に催して駆け込んだ公衆便所。

 やけに古いなと思ったが、背に腹は代えられない。


「ふぅ……助かったぁ」


 俺は間に合った安堵感と排泄による快感に身を震わせる。

 しかし、一難去ってまた一難。


 このトイレにはペーパーが置いてなかったのだ。


 まぁ、古いトイレだからしかたないよな。

 でも……どうしようか。


 まさかそのままパンツをはくわけにもいくまい。

 どうしたものかとあたりを見渡すと――




 ずぅぅぅぅん……




 何やら不気味なオーラを放っている古びたおふだ。

 それが壁に貼ってあったのだ。


 これを使って尻をぬぐえば危機を脱せる。

 しかし――いくらなんでも罰当たりすぎる。


 しばらく試案していたが、やはりクソをつけたまま外に出るのもなんだ。

 俺はそのおふだを引っぺがしてケツを吹くことにした。



 ふきふき。



 あーすっきりした!


 俺は便所におふだを捨てて個室から外に出る。

 すると――


「あんたさぁ、やばくない?

 まさか貼ってあったお札で――」


 見知らぬOL風の女が立っていた。


「で?」

「……え?」


 俺の言葉にたじろぐ女。


「だからなに?」

「いや……その……」

「邪魔だから退けよ」

「ひっ!」


 俺が睨みつけると女は恐怖に顔をひきつらせた。


「あのさぁ、お前みたいなやつ全然怖くないんですけど?

 なんならおっぱい揉ませろよ。

 ほら、おっぱい、おっぱい。

 乳見せろよほら」

「すみません、なんでもないです……」


 女はすごすごと退散した。


 こんな古びた公衆便所に、あんなOL風の女がいるはずねーんだよなぁ。

 まさか生きた人間じゃあるまいし。


 俺には昔から霊感がある。

 幽霊とか見えても全然平気。

 というか見慣れすぎて飽きた。


 あいつら、こっちが見えてても何にもしてこないし、よしんば何かしてきても視界に入って来るのが精一杯。

 怖がらずにいると残念そうに帰っていく。


 幽霊なんて俺にとっては蚊とか蠅とか、その程度の存在でしかない。


 だからお札なんてただの紙切れなのだ。

 あんな奴らを払ってどうする。

 生きた人間とか交通事故の方がずっと怖いわ。



 ……うん?



 ふと、足元を見る。

 ポケットティッシュが落ちていた。


 入る前にはなかったと思うが――



 え? 嘘でしょ?



 俺は慌てて公衆便所を出る。

 そこには警察官とさっきの女がいた。


「この人です!

 勝手にお札をはがしてお尻を拭いたみたいです!

 あと、私にセクハラしました!」


 引きつった顔で俺を指さす女。

 疑いの目を向ける警察官。


 どうやら俺はやっちまったらしい。

 生きている人間の方がよっぽど怖い。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 主人公の性格が強い(笑) お札は紙だけども:(›´ω`‹ ):; しかも女性がお札の存在を知っていた……?? 古びた公衆便所は男女共有なんですかね? タイミング良く女性がいたのもも…
[一言] 面白かったです! おふだの存在を知っているということは、OLはそのトイレよく使ってるのかな?とか、色々想像できて楽しいです。
[良い点] 面白いっ!すっごい面白い! ツッコミどころ満載なのもいいね! 公衆トイレの男性用に女がいる!痴女だよ!現行犯だよ!セクハラかも! しかもさ、なんで男性用トイレの個室のおふだとか、ペーパー…
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