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[ 00:38:09 ]

 少女からの急な誘いだったが、情報のない今は仲間ができることは望ましかった。


「チームになるってことか」


「システムにはないけどね。チーミングっていう行為で一般的にはダメ。でもここでは禁止されてないし、最後まで生き残ったやつ全員に報酬がもらえるシステムだから、けっこうやってるやついるよ」


「生き残れるならなんでもいいぜ、タイマーが0になったらどうなるのか、ひたすら不安だったんだよ」


「あんた相当動きいいし、アタシとしても組んでくれて助かる。今回も生き残れそうな気がする」


「わかった。よろしく」


「てかさー、今バグってるみたいなんだよね」


「バグってる?」


「なんかゲームが終了してもそこでやめれないんだよ。強制的に次のゲームやらされてる。もう3連続目」


「そうなのか? じゃあこのゲームが終わってもまた始まるのか」


「そうそう、でもまずは生き残らないとね。喋ってるうちに外はゾンビだらけになってるよ。窓の外見て」


 窓の外には無数のゾンビたちが押し寄せている。だが彼らは扉を開ける知能がないようで建物には侵入してこない。


「なあ、このゾンビたちはなんなんだ?」


「こいつらはプレイヤーを狙って邪魔をする存在、プレイヤー同士の戦いに水を差してくるけど、隠れてるプレイヤーの炙り出しにも一役買ってる。」


「こいつらを倒すことが目的ではないのか?」


「そそ、あくまで敵は他のプレイヤーだから。ゾンビは倒してもスコアにはならないし、弾の無駄だから逃げた方がいいよ」


「なるほど、そんでどうする? かなり集まって来てるけど」


「裏口から逃げよ、こいつら表の通りに集まってるだけだから、裏にまわろ」


「おう、いこう」


 すずかを先頭にして、俺たちが家の中を通り抜けて裏口に回ったその時、入口の扉が開いてゾンビたちがなだれ込んでくるのが見えた。


「あれ、ゾンビたち家の中入ってきたぞ」俺は裏口を出ながらすずかに言った。


「うそ!」彼女は驚いて振り返るが、家の外に出てるので、その位置からだと室内は確認できないだろう。すぐに前を向いた。


「まあいいや、このまま民家の裏庭を伝って通りの端っこまでいこ」


 俺は走っていくすずかに着いていく。その動きはとても身軽で、純粋な身のこなしなら俺よりも彼女の方が上な気がした。


「あのさ、気になってたんだけど。このスーツって身体能力上がるのか?」


「え? そうだよ。このスーツのお陰でアタシでも男に勝てたりするんだよ」


「そうなのか」


「たぶん全プレイヤーのパワーやスピードが均等化されるようになってる。じゃないと身体大きい男が有利でしょ」


「確かに」


 すずかは裏庭の柵を飛び越えながら通りの向こうを指差した。


「あっちで銃声してる! いってみよ!」


「あ、おう」


 なんて好戦的な奴だ。こっちから飛び込むのか。俺は彼女と手を組んだことを少し後悔しながら軽く相槌を打った。


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