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[ 00:41:06 ]

「あなた、記憶喪失? その割に上手いよね」


「戦う時はなぜか自然に身体が動くんだ」


「すごいよね、アタシの弾一発も当たんないんだもん」少女は両手を顔の横に挙げてお手上げのポーズをとった。


 彼女に向けた銃を降ろそうか少し迷っていると、彼女が口を開いた。


「てかなんでアタシ殺さないの? 女だからって舐めてる?」


「君を見た時、なぜかとっさに引鉄(ひきがね)を引けなかった」自分で言っていても意味がわからなかった。


「君をどこかで見た気がしたから、俺の事を何か知ってるかもしれないと思い、殺すことを躊躇(ためら)ってた」


「どうゆうことよ。会うの初めてじゃない?」彼女は少し照れたように表情を変えた。


「どうだろ、前にも一度会ってないか?」最初見た時の直感はおそらく正しいと思うのだがこうして喋っていても思い出せなかった。


「ねえ、もしかして、ナンパしてる? けっこういるんだよねそうゆうやつ」少女は語気を強めて言った。


「そ、そんなんじゃねえ!」ついムキになって声を荒らげる。


 その時、左腕のデバイスが振動した。


 [ 00:39:57 ]


 タイマーが残り40分を切ったようだ。


「なあ、このタイマーが0になるとどうなるんだ」


「え、ウソ! それも知らないの? ゲームが終わんのよ」彼女は目を見開いて呆れたように俺を見ている。


「ゲーム.......だと?」


「え、ホントに記憶飛んでんの? てかなんでここにいんの? これゲームだよ」


「は? これがゲーム? この世界が?」


「そうよ、100人の中で生き残ったやつの勝ち。バトルロイヤルゲームじゃん」


「へー、よくできたVRだな」


「VRじゃないって、人体転送するホントのやつだよ」


「なんだそれ? 人体転送?」


「はぁ.......アタシもよく知らないけどさ。体ごと全部仮想空間に転送するやつじゃん。てかあんたどうやってここ入ったわけ?」彼女は面倒くさそうに俺をジト目で見てくる。


「わからん、目覚めたら最初の部屋にいた」


「んー、あんたリアル何してる人?」


「いや、覚えてない」


「名前は?」


「わからん」


「デバイスの左下のボタン押して」


 彼女の言う通りに押してみると名前らしき文字が表示された。


 [ Hitoshi ]


「ひとし.......」俺の名前なのか。実感がない。


「ひとしね。アタシは『すずか』よ、どう? アタシと組んで生き残らない?」


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