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[00:14:59]

「エラーの解決法を見つけた俺は開発チームの仲間に進言したが、彼らには却下された。なぜならその方法というのはゲーム内に入り内側からバグを取り除くという無茶なものだったからだ。入ったはいいが戻ってこれる保証もないからスタッフを危険に晒すわけにはいかないという判断を会社は下した」


 ケンとヤマトはじっと聞いていた。すずかも聞いているのだろうか、黙って俯いている。


「だから俺は黙って入ることにした。そして準備のために外からゲーム内の様子を観察していると、この中のプレイヤーを含めたオブジェクトが一時間ごとに分解され再構築が繰り返されていることがわかった。その際ゲームに関する記憶がリセットされてしまうこともね。だからメモリーボックスというアイテムを作り実装した上で、俺はここに来たんだ」


「メモリーボックスって途中から出現したのか」


「そうだ」


「じゃあお前が来る一ヶ月前より以前は、俺たちは同じことをリセットしながらずっと繰り返してたのか。ゾッとするぜ」ケンは呆れた様子でこちらを見てきた。


「そういうことだ」


「それで原因となるバグっていうのは?」とヤマトが冷静に突っ込んでくる。


「それは……」


「アンドロイドね」すずかが久しぶりに口を開いた。


「ああ、そうだ」


「アンドロイドって、さっきの爆発したやつか?」ケンは俺の顔を見て尋ねた。


「それぞれのプレイヤーの部屋にもいるよな」ヤマトもこちらを見ながら聞いてくる。


「そう、しかし部屋にいるアンドロイドたちは元々システムに組み込まれてる存在だ。それらはバグではない。しかし俺がここに入る前にアンドロイドの動向を調べていた記録を残してしまってたせいで、チームの仲間が原因として断定したんだろう。そして現在外部からアンドロイドを爆発させてるようだ。しかしそれは意味がない」


「アタシよ」すずかが言った。


 ケンとヤマトは、驚いてすずかの方を見た。


「「ええ??」」


「アタシがバグとなっているアンドロイド、そうよね?」


「すずか、君は……」


「そう考えるしかないもの、アタシはこの世界に来る以前の記憶がない。このゲームに関する記憶しかないの」


「そうだ。このゲームはアンドロイドがプレイすることを想定してなかった。だからすずかがここに入った時になんらかの異常が発生してしまって、ゲームを終了させることが出来なくなってしまったんだ」


 俺はすずかがわかっていたことに、ほんの少し驚いた。


「なんだって? でもすずかは人間みたいに振舞っていたぞ?」


「すずか、君は自分が人間だと思うようにプログラムされていた。そして戦い方も初めからプログラムされていたからこのゲームではなんなく生き残ることが出来たはずだ。そう、君は一度も死んでない」


 コクリと、すずかは頷いた。


「なぜアンドロイドがゲームに入ったんだ? てかひとし、お前なんでそこまでわかったんだ」ヤマトが俺の顔を見て言った。


「……。まあ、そうだな。実はすずかを作ったのは俺なんだ」


 それを聞いてすずかは、目を見開いて驚き俺を見た。

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