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今回のゲームで大事なのは一刻も早くみんなと合流して俺の考えを伝えることだった。伝える時間はあればある程いい。
なので地上に降りて、真っ先にすずかと合流するため町に向かった。
町に入る前、遥か後方に森から出てきたカルベルの姿が見えた。だがもう彼を殺す必要も話しかける必要もない。
さっさとすずかとの合流地点に行き、通りに出てゾンビを片っ端から倒していた。すると間もなく彼女はやってきた。
「どうしたのー? いつもより激しくやってんねー」
「ああ、今回も一応メモリーボックスを手に入れときたくてな」
「そうなの? もう情報は共有されてるから優先はそこじゃないって話じゃなかった? 爆発地点見に行くんでしょ」
「そうなんだが、俺が持っときたいんだよ。今回の記憶はなるべく俺が引き継ぎたい」
正確に言えば、理由はそれだけではなかった。
すずかと二人でゾンビを倒しながら通りを進んだ。何回も繰り返しているので、連携は見事なまでにとれている。
ケンとヤマトと落ち合う場所に着くまでに40体ほどのゾンビを倒したがメモリーボックスは出なかった。
待ち合わせ場所に着くとケンとヤマトは既に来ていた。
「お、早いな。ゾンビは無視して来たのか?」ケンがこちらを見て言った。
「いや、過去最高記録だよ」と言うとケンは流石だなという表情をして笑いながらポケットからメモリーボックスを取り出して見せた。
「出たのか? やったな」
どうやらケンが入手していたようだ。
「ああ、今回からはこれは大事だからな。失敗しても次に活かさないと」ケンはそう言ってメモリーボックスをスーツのポケットにしまった。
「時間はかなり余裕がある。爆発が起きるのはあと10分後だ」ヤマトがデバイスを見ながら言った。
「よし、いこう」
爆発が起こる地点まで行く間に何人かのプレイヤーに会ったが、俺たちが四人で動いてるのを見てすぐに逃げていったので戦闘にはならなかった。
「今回の目的は爆発が起こる前にあの地点に行き原因を探ることだ。ここから先はなるべく時間をロスしたくない」前回のゲームで一致させた意見をケンが、改めて口にした。
こうして爆発が起こる場所までやってきた。地方のオフィス街をイメージした通りで周囲は高いビルに囲まれている交差点だ。信号機は点灯していない。
「誰もいないな。何も無いし」ヤマトがボソッと言った。
その時、「あっ」とすずかが声をあげた。
その方向にはメイド型のアンドロイドが一人立っていた。
それを見たケンとヤマトは表情を曇らせたのがわかった。すずかは無表情だった。
そして俺は──。




