Stand by Player ~すずか~
最先端の量子力学を応用した人体転送型のゲーム。そのテスターとして集められたのがここにいるプレイヤーたちだ。アタシもその一人だ。
しかし、この世界は現在何らかの理由で繰り返している。そしてまた今回もゲームが始まろうとしている。今その待機部屋でスタートの合図を待っている。部屋の隅にはメイドがいる。
毎回1時間のバトルロイヤルが終わるとゲームがまた始まってしまう。運営側からも何もコンタクトがない。
運営とのパイプ役が恐らくこの部屋にいる彼女なんだろうけど、有益な情報は何も教えてくれない。
最初は彼女もここに連れてこられたのかと思ったが、あまり会話が噛み合わないことから、ロボットのようなものだとわかった。これが恐らくアンドロイドというものなのだろう。
「あなたはどうしてここにいるの?」
「私はあなたのコンシェルジュです」
「あなたもいっしょに外へ行かない?」
「私はここから出ることを許されていません」
「そっか」
このゲームでは時間まで生き残ったプレイヤーの中で、更にメモリーボックスというアイテムを持っている者のみが記憶を次回のゲームに引き継ぐことができる。
毎回記憶を引き継いでるプレイヤーは違うから、引き継がなかったプレイヤーはその回のゲームの記憶はない。
だからこれが何回目のゲームなのかは誰にも分からない。
ちなみにアタシが覚えている限りでは10回目だ。その中でこの世界から脱出するための情報を探したが未だ何も分かってない。
しかし、前回のゲームでは今までと違うことが2つも起こった。ケンとヤマトの他にひとしという男が仲間に加わったこと。もう一つはゲームの途中で大規模な爆発が起こったこと。
ちなみに前回メモリーボックスを受け取って記憶を引き継いだのはアタシだ。
今回のゲームではケンとヤマトとひとしと合流して、みんなとこの情報を共有する。そして三人にその記憶を引き継がせる。
そしてみんなで爆発の謎を解き脱出する方法を考えるんだ。
そういえば、ひとしはアタシの事を知ってると言っていたが全然記憶にない。
というか……。
アタシはこのゲームを始める前の記憶は実はあまり無い。これは誰にも言ってないが、ケンやヤマトの話を聞く限りじゃみんな覚えてるものらしい。
このゲームのテスターとして呼ばれたって? アタシは別にこんなゲーム興味ないんだけど、わざわざテスターに参加なんてするものだろうか。
でもなぜか体は不思議と戦闘技術を身につけていて生き残れているのだ。
考えていても答えはでない。きっとゲームから出れば記憶は戻るんじゃないかと思ってる。
さて、そうこうしているうちにスタートの合図だ。まずは『ひとし』って奴と合流して、いつものビルでケンとヤマトと合流だ。
──ガチャ、シューン。
私は外に出る時、カプセルの扉に向かって銃を何発か撃った。
バンッ! バンッ! バンッ! バンッ!
扉は壊れたようで、外へ出ても閉まらなかった。
「ほら、これであなたも自由よ」
私はそう言ってから足場を蹴って、軽やかに宙に舞った。




