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[00:02:05]

 生き残ったやつの中から一人だけの記憶が次のゲームに引き継がれるだと? 急に言われてもわからなかったが現に俺は前回のことを少し覚えていた。


「引き継げるやつには条件があるんだ」


「ちょっといいか。俺が前回の」


「待て待て、その先はわかったから、時間がねえから俺に喋らせろ」ケンはそう言って俺の話を(さえぎ)った。


 デバイスに目を落としながら頷いた。


 [00:01:58]


「おい、待て。それを俺に話しても、俺の記憶が今回リセットされたらまた忘れるんだよな?」


「はは、そうなんだけど。いいから聞けって」ケンは笑って、すずかも苦笑している。おいおいなんなんだ。すずかは何か知ってるのか。


「これを持っとけ」


 ケンはそう言って手のひらサイズの小さな箱のような物を手渡してきた。


「これは……」


「それはメモリーボックスってアイテムだ。それを持っている奴だけが記憶を引き継げる」


「そ、そんな物が……」


 「一回のゲームでMAPに一個だけ現れるレアアイテムだ。これもおそらくだけど」


「すげえアイテムじゃねえか」


「これを今回はお前に渡す。これでお前は今回のゲームのことを覚えてるはずだ」


「そ、それはそうだな。でも前回も覚えてたんだよ。うっすらだけど」


「そうだろうな。前回も俺が渡したんだと思うぞ。お前が気づかないうちにな」


「何? 覚えてるのか?」


「いや、覚えてない。だけどわかるんだよ。お前と俺は前回会ってるはずだ。あとすずかにもな」


「そうなんだよ。なんでた?」


「もう時間がねえからこの話は終わりだ。これだけ覚えて、必ず守ってくれ」


「あ、ああ」


「次のゲームで、すずかや俺たちに会った瞬間に、前回のゲームでメモリーボックスを俺から渡された事を教えてくれ。それが仲間としての合言葉だ」


「わかった。それを言えば次のゲームでも、俺の事をすんなり受け入れてくれるってことだよな」


「話が早いぜ。そういうことだ。おっと、もう時間だ」



[00:00:10]



「ふう……。じゃあまたな」とケンが言う。


「うん」とすずか。


「ありがとう」






[00:00:00]






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