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トイレスライムと幽霊女を放置して足早に男用トイレを出る、することはしたしもう用はないのだ、私は器具の置かれた部屋へ戻るのだ、コボルト達もついて来る、幽霊女はついてこない、よし、トイレには変な魔物がいたが、野良の魔物には遭遇しなかった。
野良魔物はいなかったな。
ワン、ソコノツウロマガッタトコロ二イル。
私達の進む土壁の通路反対側、分岐点のどこかに魔物がいるらしい、コボルトは2足歩行で振り返り犬のような手で後ろを指し示しているが、どこの分岐点なのか分からない、脇道はけっこうあったが、分かりたくもない、トイレを視界にいれたくないのだ。
襲われないなら放置しよう、帰るぞ。
ワン、カエル。
2体のコボルトがチンチンポーズでしっぽを振りながらついて来る、両手でランタンを持ったコボルトは私の少し前の方でしっぽを振りながらチンチン歩きだ、奇妙だ。
魔界女騎士とダンジョン女奴隷がいる器具の置かれた部屋が見える位置まで戻って来た、安心感が湧き上がってくるが中からバタバタと音がする。
中で何か起きてるようだ、しばらくここで様子を見るぞ。
ワン、タタカイオワッタ。
戦っていたのか?
ワン、マカイオンナキシマモノタオシタ。
コボルトは距離があり見えない場所の状況を把握するのが得意のようだ、耳が良く鼻が利くのだろう、ランタンを持つコボルトを先頭に中へ入っていく、私は1番最後に入る。
お、帰って来たな、で、どうだった? どうだったのだ?
魔界女騎士は器具の置かれた部屋、私達が今入った入り口付近で倒れた巨大な蛾の魔物を剣で突きさし、楽しそうに話しかけてきた。
おしっこする穴の中にスライムがいたな、わざと教えなかったな、魔界女騎士。
コボルト、ダンジョン奴隷はトイレでどうだったのだ?
ワン、サケンデタスケテトイッテタ。
ワン、トイレスライムコウゲキダメッテイッテタカラ、タスケナカッタ。
ワン、コウゲキシナカッタ、ホメテ。
驚いていたのだな、フフ、作戦は成功したな、フフ。
コボルトにすべてをバラされた、イタズラが成功し魔界女騎士は喜んでいる、悔しい、コボルトは褒めて欲しそうだったが魔界女騎士はスルー、コボルトはションボリしているが、ダンジョン女奴隷がきて褒め機嫌がよくなった、単純だ。
・・・・・ごめんね、魔界女騎士様に黙っていろと言われていたの、トイレスライムさんは味方だから攻撃しちゃ駄目ってみんなには言ってるんですよ。・・・・・
ダンジョン女奴隷がこちらに近づいて来る、謝罪し、すまなそうにしているが内心では楽しんでそうだ、悔しい。
トイレスライムの話は出るが幽霊女の話は出てこない、やはり気付いていないのか、聞かなければならない。
トイレにはトイレスライムの他に幽霊女という豚オークジムダンジョン所属だった魔物がいたぞ。
私がトイレに行った時には見なかった、幽霊女?仕返しか?怖がらせようとしているなダンジョン奴隷よ。
・・・・・幽霊女さん?私も知らないですね。・・・・・
やはり幽霊女のことは知らないか、細マッチョ豚オーク、危ない雰囲気のゴブリン、居残りのコボルトも知らないようだ、細マッチョ豚オークはなぜか、ふくよかになったような気がする、腹筋の割れが緩んでいる、他の魔物達には変化はない。
信じてもらえないようなので棚上げする、しかしあのトイレにはもう行きたくない、体力回復キスをしてもらえれば食事は必要ない、排泄もない、何とかゴネてまた魔界女騎士にしてもらうのだ、食事のうまさより恐怖の方が勝る。
信じてもらえませんか、残念です。・・・・
うっ。
私の耳元で呟く声がする、幽霊女が憑いてきていたのだ。




