025
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魔界女騎士が土壁の隙間を潜り光苔ブロックに囲まれた部屋から出て行った、隙間からチラチラと魔界女騎士の体が見えたり見えなかったりを繰り返している、そんなに遠くに行く気はないようだ。
遠くまで行かないで魔物が見つかるのかね。
魔界女騎士には聞こえていないらしく、返事はない。
休憩中、水が薄く張る石床で仰向けに寝ころび天井を見つめる、相変わらず暗く何も見えない。
・・・・・
・・・・・こっちにおいでよ・・・・・
幻聴か、何か聞こえた気がする。
・・・・・ねぇこっちにおいでー・・・・・
ゾクリとする、あああ、ヤバイ、私そういうの駄目なんです、勘弁してくださいぃぃ。
部屋の出口、魔界女騎士が出て行った土壁の隙間を見る、いない魔界女騎士がいない。
・・・・・こっちに来てくれるよね?ねぇ、ねぇ・・・・・
あああ、脳に直接声が響く、、、訳ではないな、周りに人の気配は無い、何も見えない天井か、あああ、怖い、そこからささやくような声がしても怖い。
私が錯乱していると、遠くからジッと見つめる視線があった、恐る恐る、そちらを見る。
ジーーーーー・・・
目だ、土壁に張り付き隙間からこちらを見つめる魔界女騎士の目、私は錯乱し体全体を寝ながら揺すっていたが、その視線に動作を停止、目をそらす。
・・・・・あの女がいないうちに、こっちに来て・・・・・
声は魔界女騎士の視線に気づいていない、やはり天井か、魔界女騎士もこちらを土壁の隙間から覗くばかりで声に気付いているのか分からない、私の異常動作を見て警戒しているだけかもしれない。
クィクィ ペチャ ペチャ クィクィ ペチャ ペチャ
ジーーーーー・・・
私は、仰向けで寝ながら腰を上下に小刻みに動かす、これで気付いてくれ、石床に薄く張る水の跳ねる音がする。
クィクィ ペチャ ペチャ クィクィ ペチャ ペチャ
ジーーーーー・・・
・・・・・ウフフ、腰を動かして興奮してるのかな、私とそんなに遊びたいんだ・・・・・
寝ながら天井を示すように、必死で動かす腰使いの意図に魔界女騎士は気づかないのか、土壁からこちらを睨み覗くばかりで動かない、怖い、天井からする少女のような声が楽しそうだ。
パササ パチャ ・・・・・このロープを使って登って来て、あの怖い人に気づかれないうちにね・・・・・
ロープだけで、この高い天井まで登りきるのは、私の身体能力では無理だ、それともダンジョン奴隷となり、頑丈さだけでなく、パワーもついているのだろうか。
パチャ すくっ 試してみるか ニギ ギシ ギシ あっ駄目だ、無理ですー。
水が薄く張る石床から立ち上がり、見えない天井から伸びるロープを掴む、登ろうとするが無理だ、私では無理だと最初の1握りで悟る、素早くロープから手を放し両手でエックスの文字を作る。
・・・・・ブロックは出せるよね?ロープにツルハシを添えてブロックを出して足場にすればいいの、それを使えば来れるよね?・・・・・
ツルハシにはそんな使い方もあるのか、半信半疑だがやってみよう。
土壁の隙間からこちらを見る魔界女騎士の目、顔が上下に高速で動いているのかブレてよく見えない、怖い、が声が聞こえ状況を理解、同意の上下運動と理解した、そしてやって見ろと言うことだな。
やってやるぜ。
・・・・・がんばって・・・・・
ツルハシをロープに添える、塞ぐと心の中で呟く、ダンジョン光苔、水のイメージが現れた、土ブロックはない、使いきっていたのだ。
ザク ザク ザク
土でできた崩れた階段をツルハシで掘り壊す、天井は高い、足場として必要な量を予想し確保した、足りなければまた掘ればいい、土壁もある、もう一度ツルハシをロープに添える、塞ぐと心の中で呟く、土ブロック、ダンジョン光苔、水のイメージが現れた、土ブロックを選択。
スポン やったぜ。
・・・・・やったね・・・・・
小まめに反応を返してくれる見えない天井の声、意外と怖くないヤツなのだろうか、土壁の隙間から何も言わずこちらを睨む魔界女騎士の目の方が今は怖い。




