017
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ピチャ ピチャ ん、んぁ
冷たい雫が顔に落ち、気が付く。
何だ、ここ?
周りが見える、ツルハシは握っているがツルハシの淡い光ではない、部屋全体が薄っすらと青い光を放っている。
私は全裸で濡れた土の上、盛られた小さな山になっている場所て寝そべっている。
ダンジョン奴隷よ、生きているか、返事をしろ!
天井から声がする、天井は暗くよく見えない、私が落ちた穴があるのだろう、そこから魔界女騎士の声がする。
生きてるぞ、ここどこだ?
中層だろうな。
さらに深い場所に落ちてしまったようだ、意識が無かったが魔物に襲われた形跡はない。
おまえが返事をしないので、マスタールームの扉を閉めてきた、登れそうか?
マスタールームの金属ドアが閉まればダンジョンコアが魔物に攻撃され破壊、私達が消滅するリスクが減る、かなり頑丈そうだ、今までみた魔物では破壊できなそう、土壁を掘られたら終わりだが。
魔界女騎士は和式風土便器、壊れた穴の中へ叫んでいるのだろうか、見えない天井はかなり高い位置だ、階段を作ったとしても数日かかりそうだ。
登れそうにない。
見える範囲の情報を教えるのだ、それと階段を作ってみよ、できるか?
もっとしっかり周りを見る、淡く青く光っているのは部屋全体ではないな、けっこう偏りがある、薄い光なので発光している物が見える苔か?
部屋というより通れそうな穴が複数ある大きな通路だ、穴は横方向に続いている床にはない、天井は分からない、見えないが天井にある穴、魔界女騎士の声がする所だけは把握した。
ここは通路のようだ、横に複数の穴がある、縦の穴はそこだけしか分からない。
水を吸い柔らかくなった土の小山から起き上がる、体がかなり汚れたな全裸土男といった感じだ。
魔物はいるか?
今の所、見当たらない。
魔物を1人で相手して勝てるのだろうか?魔物小魚ならこの空間なら勝てるか?土の床では跳ねるだけ無抵抗で魔界女騎士にやられていたが、いや、薄っすらと地面には水が張っている、多少動け攻撃してくるかもしれない、そうなれば噛まれた痛みを知る私は近づき攻撃するなんて無理だ、それ以外も1人で勝てそうにない。
ペチャ ペチャ ペチャ キン あ?
水が張った床を歩き、ツルハシで苔の生えた壁を掘ろうとする、しかしツルハシが壁に弾かれる、石壁だ、苔は消えそこだけ少し暗くなる。
この周辺の壁は石でできているようだ、濡れた土小山以外、土はないように見える、天井は土だろうか、見えないが掘れたので。
何をしているダンジョン奴隷よ。
壁を掘り階段を作ろうとしたぞ、石壁にツルハシが弾かれできないぞ。
そのツルハシの能力では石壁は掘れないようだな、応用だ、土はおまえの中に保存されているのだろう、足りなければ崩れた土も使え。
濡れた土小山の近くまで戻り、ツルハシを水が張る石床に当てる、心の中で塞ぐと呟く、何を塞ぐのか私にも分からない、塞ぐと呟いてしかストレージを呼び出せたことがないからだ、しかし、土ブロックのイメージとダンジョン光苔というイメージが表示された、2つの物が選択できるようになっている、土ブロックを選択。
スポン あ、成功だ。
土ブロックを選択すると、何かにハマるような音をさせつつ土ブロックが石床の上に置かれる、もう1度塞ぐと心の中で呟かずに出すことができた。
スポン スポン
スポン スポン スポン
いくつかの土ブロックの階段、段差が濡れた土小山の隣にできていく、しかしすぐにストックがなくなる。
もうストレージの土ブロックがない。
掘った量よりだいぶ少ないな、残りはダンジョンに吸収されたのだろう、ダンジョンコアの初期設定でツルハシで掘った物を半分掘り主に持たせるようになっていたはずだ、そのままなのだろうな。
ペッタン フッ おっ
濡れた土小山にツルハシを突き入れる、土がツルハシを中心に削れ消えた。
塞ぐと心の中で呟く、土ブロック、ダンジョン光苔、水の3つが選択できるようになっている、濡れた土は勝手に土ブロックと水に分かれたようだ、しかもダンジョンに半分吸収されたようには見えない。
ツルハシで素材を突いてストレージに移行できたが、ダンジョンに半分取られてないぞ。
ダンジョンコアの支配領域を抜けたのだろう、その場合ツルハシで掘った物は採掘者がストックすることになる。
ペッタン フッ ペッタン フッ ペッタン フッ ふぅ
濡れた土小山をツルハシで突いていきストレージにしまう、石床には濡れた土はなくなった。
スポン スポン スポン スポン スポン ・・・・・
土ブロックをまた使いきった、しかしまだ半分も細い階段、段差はできていない、天井に届きそうにない。
土ブロックがなくなった、そっちから落とせないか?
採掘能力がないので私ではほとんど掘れん、階段を作るほどの土をここから落とすなど現実的な案ではない。
じゃあ、ここを探索するしかないぞ、土はあるのか?
あるだろうな、その案でいくしかないか・・
バッ トン トン トン バッ パシャシャ
ここを探索するしかないという結論になった後、見えない天井の穴から魔界女騎士が未完成の土階段に落ちてきた、狭い足場にバランスよく着地、軽快な動きで数段降りた後またそこから飛び降りた。
では行くぞ、ダンジョン奴隷よ。




