表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/26

第4話 戦線布告

 入学式が無事?に終わり、私は、自分の寮に帰ってきた。


 アルファード様の突然の宣言に、まだ頭が混乱しているから。


「お嬢様、お疲れ様でした、入学式はいかがでしたか?」


 カシスにそうきかれ、思わずため息をついてしまった、だって、これから4度目のやり直し、なのに私の全く知らないルートが始まろうしているのだもの。


 はっきりとはわからないけれど、おそらくこれは裏ルート、メインの攻略7ルートを全て終わらせないと出てこないはずのもの。


「カシス、ごめんなさい、少し一人にしてくれるかしら、お夕食の1時間前になったら知らせてもらえる?」


「……かしこまりました、何かあればお呼びください、隣で控えておりますので。」


 そう言って、心配そうな顔をしながら下がって行った。


 カシスには、悪いけど、いろいろ考えたいのよね、スタートを間違えたら致命的だもの。


 まず、王太子アルファード様、騎士団長の息子ルドルフ、アルファード様の異母兄クラウン様、魔法薬学の教授ステーシア様、私の双子の弟シエンタ、この5人がメインの攻略キャラ、あとは、魔道戦士長の息子のアドウィル、留学生の隣国の王子、アルファロメオ様。


 アルファード様がおっしゃた通り、私を他のものに押し付けようとするなら、ルドルフが最有力候補よね、2回目のループは彼と心中未遂だし。


 ステーシア様とシエンタは、除外でいいわよね、アルファロメオ様も留学は来年だし、何度かのループで私と接点が多かったのは、アドウィルくらいかしら、ヒロインじゃない私はどのルートも選べないのよね、とりあえず、ルドルフとアドウィルに気をつけることくらいかしら、アルファード様も要注意よね。


 あー、なんかいろいろ考えても大事なところで自分に決定権がないってイライラするわ。

 今、グダグダ考えてもしょうがないわね、明日からの学校生活、無事に乗り切らないと私の未来は無いのだから。


 なかなか寝付けずに、やっと、うとうとしだしたのが明け方なので、眠かったのですが、目が覚めましたわ。だって、ヒロイン役のカルーアが同じクラスだったんですから。


 これも初めての展開、なんだかもう、眩暈がしそう。

 しかも、攻略キャラ、全員同じクラスメイトなんて!!  どうなるのよ?


 いいこと、シェリー、落ち着くのよ、まだ、何も始まってないのだから。

 そう、深呼吸して、ふー、 良し、準備OK。


 ステーシア先生の、自己紹介のあとに生徒達の自己紹介が始まりました。


 無難な紹介が続いた後、ルドルフが立ち上がった、ちょっと緊張。


「ルドルフ・マセラティだ、クラスの皆に伝えたいことがある。入学式でアルファード様がおっしゃられたように、1%でも可能性があるのなら、俺はシェリー様の伴侶に立候補する。」


 おおおおっ、教室が騒めき始める。


 頬に手を当て、顔を赤くしているそこのご令嬢、ロマンチックな展開を期待してるのかもしれないけど、違うからね、命を懸けたサバゲーなんだから。


 ルドルフにそんなそんなドヤ顔で見られても男らしいと言うか、おバカらしいと言うか、まあ想定内だけど。


 単細胞なルドルフなら、きっと王子の挑発にのって、姫君をかけて戦う。

 これこそ騎士道!  とか、思っていそうだもの。


 かと言って、ルドルフにガンミされてるのに、何の反応もしないわけにはいかないから、ここは、お淑やかに、


「ルドルフ様、お気持ちは大変嬉しいのですが、そのようなお申し出は初めてなので、」


 少し、うつむきがちにして、っと、

 王太子の婚約者にそんな申し出が何度もあって、たまるか、なくて当然でしょ。


「どのようにお答えしたら良いのか、分からなくて、申し訳ございません。」


 はにかみ、困り顔で、にっこり笑顔。


「あっ、いや、 私は、…困らせるつもりでは…なくて、」


 そうなのよね、性格は悪くないのよ、ルドルフは、バカだけど、


 二回言います。バカだけどね!




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ