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第25話 勘違いなの?

 朝食が終わっても、午前中いっぱいはお休みを貰っているので、まだ時間はたっぷりと残っている、紅茶を飲みながら、二人はおしゃべりを楽しんでいた。


 確かラムさんって、シエンタルートで出てくるのよね、でも、ゲームの中では特に重要なキャラ設定されていなかったはず、そう思うと、妙な気遣いをしないでいいので楽だったし、平民出身なので、貴族としてのマナーも気にしないでいいのも嬉しかった。


 いつになく上機嫌でニコニコとしているシェリーと向かい合い紅茶を楽しんでいるラムだったが、なぜか時々胸がドキドキするのを感じていた。


 おかしいな、なんで、こんなにドキドキするんだろう、緊張してるのかな、私。

 シエンタ様にちょっと似ているからなのかな、こんな素敵なシェリー様のお部屋で、一緒に朝食を食べてお茶を飲んでるなんて信じられないからだからだよね、

きっと。


「ラムさん、あんなことがあったけれど、これからも仲良くして下さる?」

「シェリー様、そんな、私なんて平民ですし、仲良くなんて、とても」

「何をおっしゃっているの! お友達に身分なんか関係ないでしょう」

「お友達、ですか?、私と…シェリー様が?」

「ええ、同じ学生同士なのだから、それに平民でこの学校に通うという事は優秀なのでしょう、私達の様に貴族に生まれただけで何の努力もしない者より、よほど立派だと思っているわ」


 本当に、王族に生まれたからって何をしてもいい訳ないじゃない! 人を閉じ込めておいて、水も食料も与えないなんて酷すぎるわ。


 この世界で人権だの、最低限の保証なんて言ってもそれが適用されるのは貴族だけ、それだって王族を頂点とした格差社会には誰も逆らえないのだもの、

ああ、もう、じれったい。


 こんな気持ちを分かってくれるのは、同じ転生者のカルーアだけよね。

 ふうう、  …? あれっ、カルーアって私が落ちた時、一緒に居たよね、それにあの時、振り向いてた? よね。


「ねえ、ラムさん、そういえばカルーアって一緒にいたわよね」

「はい」

「なんで、カルーアはラムさんを庇ってくれなかったのかしら? あの位置だったら見えていたわよね」

「それは…、あの、カルーア様が、私がシェリー様を突き落としたのだと、言われまして、それで、」

「えっ、嘘でしょう、なんでカルーアがそんなことを言ったのかしら」

「たぶん、私がシェリー様の腕を掴もうとしたのが、そのように見えてしまったのかと、思います」


 そうなの? そんな風に見えてしまうものかしら、でも、そうね、一緒に居たシエンタも何も言わなかったのだから、勘違いしてしまったのかしら。


「でも、ラムさんは私を助けようとしてくれただけでしょう、どうして何も言わなかったの?」


「あの時は気が動転してしまって、自分に何が起きているのかも良くわからなくて、あの部屋に閉じ込められてからも、しばらくは呆然としていました。一人になってだいぶ時間が経ってから、ようやく考えられるようになったので、あの部屋に閉じ込められたのはかえって良かったのかもしれません、今はこうしてシェリー様に助けていただきましたし、本当にありがとうございました」


 ラムさん! なんていい子なんでしょう、一晩閉じ込められるような目にあったのに、誰も責めないなんて! 閉じ込められた当時の私は、ずいぶんとカルーアもアルファード様も恨んだというのに、この子はこんなふうに笑ってるなんて、本当に無事で良かったわ。


 んん?……私の時も何もしていない私を追い込んだのはカルーアだった、同じ転生者だと思ってすっかり気を許してしまったけど、カルーアはこのゲームのヒロインで、ラムさんとの接点はあまりなかったわよね。


 シエンタルートでもラムさんはライバルというより、ただのファンの一人という感じだったし、ラムさんを追い詰める理由なんて何もない、よね。    ……、考え過ぎかな?


さ、さっきからずっと、シェリー様が私を見てる? ヤダ、もう、私、なんでこんなドキドキしてんの、

美人過ぎると女でも緊張しちゃうのかな、それに、このお部屋、シェリー様の匂いがしてすっごい、いい感じ、







お読みいただきありがとうございます。 不定期での更新となりますが、どうぞよろしくお願いいたします。


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”世界制覇?興味ない、特殊能力は美味いのために!オリジナルダンジョンで俺が出会ったのは、最強の美少女と神(自称)だった。”

 ☝

こちらも、現在連載中ですので、お立ち寄りいただけると嬉しいです。

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