第18話 死ななきゃいいんだよね
シェリーは、生徒会長に、アルファードは副会長、ルドルフは騎士団長、アドウィルは魔導士長にそれぞれ立候補することになった。
二年生からは、生徒会長にコーギル、ドレファンの二名、副会長にはカッサンドラ、書記二名にはモレーナとアイギル、騎士団長、魔導士長は立候補者なしで、風紀委員長にはマスタングが立候補した。
実際、当初は騎士団長、魔導士長にも立候補者はいたのだが、二人の名前を聞いて辞退したのだ、卒業後に騎士団や魔道戦士団に入ってからやりにくくなったら嫌だと計算して。
だから一年生から四人もの立候補者が出ることは珍しいが、王太子に王太子妃候補、騎士団長と魔道戦士長の後継ぎとされる人材が揃っているのだからと、あまり騒ぎにもならず受け入れられていた。
カルーアは、シェリーに付き添って足を引っ張るべきか、アルファードに付き添って点数稼ぎをするか迷っていたが、アルファードから、
「友人としてシェリーを応援してあげて欲しい」
と、言われたのでシェリーに付き添っているが、邪魔なおまけもくっついてきていた、アリシアとフェリミエーヌだ。
登校時にシェリーから声をかけられて以来、ファンの様にキャーキャー言いながら盛り上がっているのが鬱陶しい。
皆の会話の中に入って、上手くシェリーを悪者にしたいのに、勝手についてきては横から口出しして、シェリーの褒め言葉で終わってしまうのが、気に入らない。
何かいい方法はないかしら?
最終日に一人づつ演説があるから、そこで恥をかかせるとか。
どうやって? 転ばせる? そんな程度じゃたいしたダメージにならないわよね、ダメダメ。
待って、最初にシェリーが断罪された時ってどうだった、たしか、シェリーが私を階段から突き落としたってアルファードに泣きついて、それを、まんまと信じたアルファードとその周りが、あとは勝手に追い込んでくれたんだよね。
でも、今の状況じゃ私が落とされるのは、ちょっと無理があるかもしれないし、本当に怪我しても嫌だしね、誰か代わりに落ちてくれればいいんだけど、どうしようか?
そうだわ、平民だったらいいんじゃないかな、シェリーってご令嬢の鏡、貴族のお手本みたいに言われてるけど、その分、近寄りにくい雰囲気があるんだよね、だから、平民なんて人間と思ってません、階段から落ちたのはゴミじゃなかったんですか~?
みたいに持っていけば、平民から支持されないよね、……でも、平民から嫌われたって、ここは貴族のほうが多いからな、やっぱダメか。
んー、……ん? 貴族も巻き込めばいいんじゃないの、階段の下に誰か貴族一人を待たせておいて、上から平民を一人突き落とす! いけるかな?
シェリーはきっと、慌てるから、その時に私の風魔法で足でも掬って転ばせてしまえば、大貴族様で王太子の婚約者で大事な体なんだからって、優先して医務室に行かせる。
その隙に私が、皆に状況を説明すればいいんじゃないの、いけそう? いけるよね、私がヒロインなんだから、ご都合主義で丸く収まる! よね?
死んじゃったらマズイけど、こっちは魔法もポーションもあるから、ケガぐらいだったら大丈夫だろうし、床を滑りやすくしておいて、風魔法でちょっとだけ押してあげれば、下に落ちてくれるはず。
よしよし、設定が決まったら、あとはキャスティングだね!
誰がいいかな、ふふふん。
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”世界制覇?興味ない、特殊能力は美味いのために!オリジナルダンジョンで俺が出会ったのは、最強の美少女と神(自称)だった。”
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