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疚しいことがおありで?

総合評価が100ptを越えました!


100で喜んでいていいのか、という風に思われるかも知れませんが、それでも自分の作品を読んでくださる読者の方々が多くなっていることはとても嬉しいです。


まだまだ文章も構成も拙く、成長するかなぁ⋅⋅⋅⋅⋅⋅と心配ではありますが、今後とも私の作品をよろしくお願い致します。

「ん、くぅぅ~⋅⋅⋅⋅⋅⋅」


くわぁ~⋅⋅⋅⋅⋅⋅


体を支えていた物が動き出して、ジーズが立ち上がって伸びをする。が、まだ寝足りないのか丸テーブルの下でまた丸まって寝始める。やっぱり猫か?


それはさておき、冷やしはじめてから5分ほどして、トリアが目を覚ました。突然倒れたときにはどうなるかと思ったが、案外早い復帰である。


「調子はどうだ?」


「ん~⋅⋅⋅⋅⋅⋅っ!」


寝ぼけまなこで俺の顔を見た後、何があったのか、突然跳ねるように体を起こす。


「ぐっ⋅⋅⋅⋅⋅⋅!」


当然それを避けられるような俺ではないので、目の前に迫るトリアの頭に為す術なく額を殴られることになった。


トリアの顔を覗き込むように見たのが悪かったのかもしれない。そりゃ目を覚まして目の前に人の顔があったらビビるわな。


ガンガンと鈍く痛む額を手で押さえつつ、反対の手に持っていた氷袋を机に置く。


「うぅぅ⋅⋅⋅⋅⋅⋅か、顔を覗き込んで、何のつもりなの?」


理解できないといった様子で、いつもに比べて若干の強気口調である。だが、当てて来た側も相当に痛かったようで、涙目で同じように頭を押さえているせいか特に怖くはない。


「いや、すまん⋅⋅⋅⋅⋅⋅」


「それに何で氷袋なんて当ててたの?それに直接当てたら冷たいよ。せめてタオルの上からにしてほしい。」


「看病の経験なんてなかったし、焦ってたから仕方ないだろ?それに、トリアが急に熱を出して倒れたから冷やそうとしたんだよ。」


「熱?」


「そうだろ。俺に熱があるんじゃないかって聞いてきて、その後顔を真っ赤にして倒れたじゃないか⋅⋅⋅⋅⋅⋅ってあれか?また『相手の心配をして実は自分のほうが熱があることに気づいてもらおう。』って作戦だったのか?」


以前にも一度同じようなことがあったはず。その時は確か『慰めようとしているふりをして、自分が悲しんでいることに気づいてもらおう』作戦だったか?


「そんなわけないよ。」


俺の真剣な問いに対して『何言ってるの?』とでも言いたそうな怪訝な面持ちのトリア。


「なんだ、違ったのか。それじゃあ何で急に熱なんか出して倒れたんだ?」


「そんなの決まってる。それは⋅⋅⋅⋅⋅⋅」


と言ったところでトリアがフリーズする。体は動かないが、顔が徐々に青ざめていく。


その様子から俺は一つの答えにたどり着いた。


「まさか⋅⋅⋅⋅⋅⋅忘れたのか?」


「⋅⋅⋅⋅⋅⋅」


「それは認めたってことでいいんだな?」


沈黙に対して認めたと解釈する悪役が時々いるが、その気持ちが少し分かった気がする。


「⋅⋅⋅⋅⋅⋅そ、そうだ!ご飯ができてたんだった。直ぐ準備するね。」


「⋅⋅⋅⋅⋅⋅そうか。でも大丈夫か?熱っぽかったのはほんとだしな。」


あからさまな話題転換だが、忘れてしまったものは仕方ないだろう。特に問題もないしな。


だが、トリアのほうは問題だ。熱があった状態で無理をさせる訳にはいかない。


「だ、大丈夫!ちょっと眩暈がしただけだから。」


問題大有りじゃないか!


「不味いだろ!酷くなったら困る。」


「ならないって!ほ、ほら、成長期かなぁ!この調子で身長が伸びて、あ、あと胸もおっきくなるかも!そのためにもご飯を⋅⋅⋅⋅⋅⋅」


「誤魔化さないでくれ。俺はトリアが心配なんだ!」


「えっ⋅⋅⋅⋅⋅⋅。(ぽっ)」


「だから寝室で休んでてくれ。少ししたらご飯を持っていくから。」


「⋅⋅⋅⋅⋅⋅っ!寝室はだめ⋅⋅⋅⋅⋅⋅!」


背後でトリアが何かを言っているようだが関係ない。これ以上酷くなったら俺には看病できない。トリアの御両親にもあまり迷惑はかけたくないしな。


え?病人に普通のご飯を食べさせて大丈夫かって?


お粥ぐらい、感覚で作れるだろ⋅⋅⋅⋅⋅⋅たぶん。


とにかく、すぐにゆっくりしてもらうためにベッドの布団を整えようと寝室の扉を開くと⋅⋅⋅⋅⋅⋅


─────ぐすっ⋅⋅⋅⋅⋅⋅うぅぅ、すぅー。


「⋅⋅⋅⋅⋅⋅えっ?」


俺のベッドに何かがいた。


『何か』とは言ったがその姿形から直ぐに誰なのかが把握できる。


「⋅⋅⋅⋅⋅⋅ファルカ?なに泣きながら寝てるんだ?」


それも俺のベッドで。さらに枕に顔を埋めて。


たぶん涙でびしょびしょになってるだろう。何で泣いてるのかは知らんが、洗わないといけないな、あれは。


「おぃ、ファルカ?」


近づいて呼びかけてみるが、反応なし。泣いているにも関わらず熟睡中らしい。これまた器用な真似を⋅⋅⋅⋅⋅⋅。


余計何故泣いているのかが気になるが、それはファルカが起きてからでいいだろう。問題は⋅⋅⋅⋅⋅⋅


「⋅⋅⋅⋅⋅⋅トリア」


「っ!ひゃい!」


「これは、どうゆうことだ。」


トリアは今日ずっと家に居た。よって、このことを知らないはずがない。


何らかの理由はあるだろうし、別にファルカとは付き合いもあるから家に居てもさほど問題はない。ただし、さっき俺が寝室に行こうとしたのを頑なに止めたのは、何か疚しいことがあるんじゃないか?という結論に至ったのである。


「あー、え~っとぉ~。」


表面は平常を装っているが、目が右に左にと泳いでしまっている。これはやはり俺の考えが当たっているということか。


「正直に話してみろ。」


最後の人押しと、一段と声を下げて言う。


それに対して、トリアは


「えぇ~⋅⋅⋅⋅⋅⋅あっ、わ、私、先にお風呂入ってくるね!リヴァルはご飯食べといて~。」


と言ってそそくさとお風呂場に逃げてしまった。


俺にも話せないようなことなのだろうか⋅⋅⋅⋅⋅⋅まあまあな付き合いがあって多少は信頼してくれいると思っていたのだが。


どのみちお風呂から上がってくれば必然的に話さざるを得ない状況になるだろう。それに、トリアが上がってくる前にファルカが起きてきたらそっちに話を聞けばいい。


そう結論付けて、俺は晩御飯の準備をするのであった。

次話、トリア視点から始まります。(もし、忘れてしまっていたら、その時は教えてください。編集しなおします。)


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