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パーティー⁉

遅くなりました。すいません。

ご飯を食べ終わる。トリアとファルカの分はすっかり冷えてしまったので、キッチンのほうに片付けておいた。


「それにしても、遅いな。」


ジーズの頭を撫でながら、そんなことを考える。いや、もしかすると備品の詰め替えにはこれぐらい時間がかかるものなのかも知れないが、それでも心配ではある。


少しばかり考え込んでいると、手が止まっているのが不満なのかジーズが手に顔を擦り付けてくる。


再び撫でてやっていると、扉の開く音が聞こえてきた。


「遅かったな。どうかしたのか?」


「なんにもないよ~。」


「いや、私が手こずってしまってな。」


「そうか。」


どちらにしろ何もなくて良かった。


俺は徐に立ち上がる。あることを思い出した。


「そういや、ご飯が冷えてしまったから片付けておいたんだが、温めるか?」


「ううん、大丈夫かな。それより話を進めようよ。」


「そ、そうだな!話を進めようじゃないか!」


何故かとても乗り気なファルカである。いや、そもそもいい始めたのはファルカなんだから、それが当たり前なんだが。


「で、ジーズの話だったよな。なんだったんだ?」


「あー、それがだな、その⋅⋅⋅⋅⋅⋅。」


俺の問いに対して言葉を詰まらせたかと思うと、ファルカはトリアと目を合わせた。


トリアが頷き、意を決したようファルカが話し出した。


「その話なんだが⋅⋅⋅⋅⋅⋅すまない、ジーズという犬のことじゃないんだ。」


「どういうことだ?」


「ファルカはね、リヴァルが全然話を聞いてくれないから咄嗟に嘘ついちゃったんだって。」


「そうなのか?」


ファルカは無言で頷いた。


「リヴァルのことだから、話しかけられてもすぐに話を切っちゃったんでしょ。嘘ついてまで話をする機会を作ってくれたんだから、ちゃんと聞いてあげたら?」


とのことだった。思い返してみても、俺がファルカの話をちゃんと聞いたことはない。嫌がらせなんだろうなって思ってたしな。


「⋅⋅⋅⋅⋅⋅わかった。で、ほんとは何の話だったんだ?」


「き、聞いてくれるのか!」


「まぁ、せっかくだしな。」


いつもの様子とは違って目をうるうるとさせているファルカである。


まぁ今回は俺の落ち度もあるしな。


「ファルカ、よかったね~。」


いつの間にかすごく仲良くなっているようで、手を握りあって喜んでいる。それに呼び捨てに変わってるな。


なんかトリアは未だしも、ファルカまで女子っぽいなぁ。


「そ、それで、本当に言いたかったことなんだが。」


さっきまでの雰囲気が嘘かのように、ファルカが暗い声で話す。思わず唾を飲み込む。


「⋅⋅⋅⋅⋅⋅私と、パーティーを組んでくれないか?」


「は?パーティー?」


「あぁ、そうだ。」


予想だにしない答えに、呆けてしまう。


でも仕方ないだろう?互いに認識はあるが、そこまでの関係である。そんな相手に突然パーティーを組みたいなどと言われたのだ。


ファルカは、トリアとの話し合いのなかで『正直に言うべきだ』という結論に至ったのだが、その事を俺は知るよしもなかった。


「なんでだ?俺とファルカは殆ど関係もなかったし、それにファルカがAランク冒険者で有名なのに対して、俺は最弱である意味有名な訳だ。ファルカにメリットなど一つもないと思うのだが。」


「それは、だな、その⋅⋅⋅⋅⋅⋅。」


突然あたふたしだしたかと思うと、ファルカは何かを乞うようにトリアの方を向いた。


なんか怪しくね?


トリアは軽くため息をついた後、ファルカの代わりに話し出した。


「えーっと、そうそう!ファルカは実力upのためにもリヴァルの加護師の力を貸して欲しいんだって。」


「そ、そうか。」


一応理にはかなっている。実力をあげるためには戦いの経験を積むのがいいのだが、ファルカぐらいになると経験は積んでいるので伸び悩んでくる。


そんなときの対処法として、一時的な能力up状態で戦闘経験を積むことで体に学ばせるという方法を取ることがある。


どこで加護師の情報を得たのかは分からないが、ファルカぐらいの能力があれば加護師ぐらいの上昇倍率でも大幅に能力が上がる。


それに、俺の加護は少し特殊だしな。


「そ、そうなんだ!リヴァルにとっても、習熟度を伸ばすいい提案だろう?」


「それも、そうだな。」


一応ジーズにもかけられるから、それで習熟度は上げようと思っていたのだが⋅⋅⋅⋅⋅⋅まぁ多いに越したことはないだろう。


それに、俺は自分で自分の身を守れないから、ファルカがいてくれるのはいいかもしれない。


俺は一通り思考を巡らせたところで結論を出した。


「わかった。提案に乗ろう。」


「ほ、ほんとか!」


「よかったね!ファルカ!」


今度は二人して抱きあって喜んでいた。いや、だから何があったんだよ⋅⋅⋅⋅⋅⋅。


「じゃあとりあえず俺とファルカでパーティー、俺の使役動物としてジーズを登録しておけばいいか?」


「あぁ、よろしく頼む。」


使役動物というのは、主に《動物使役師(テイマー)》が使う動物のことである。魔物は一部のものを除いては使役できない。

一般的には使い魔と呼ばれたりする。


ついでにパーティーについても説明をしておこう。


パーティーとは、簡単に言うと依頼を受ける単位のひとつである。

冒険者であり、且つ二人以上であれば組むことができ、依頼を受ける際にはそのパーティーとして受けることができる。


また、ルール的にはパーティー内の最高ランク冒険者と同じ依頼を受けられるので、弱い冒険者の習熟度upや経験を積むことができる。


因みに文章から察する通り、戦闘職であれば相手が強いほど習熟度も上がりやすいのだ。


こういった理由から、基本的に多くの冒険者がパーティーに参加している。


─────まぁ俺は入れてくれるようなところもなかったし、入りたいとも⋅⋅⋅⋅⋅⋅思わなかった。うん。


ファルカが何故単独でやっていたのかは分からない。一人でも充分強いからか?


ともかく、そんなこんなで俺とファルカでパーティーを⋅⋅⋅⋅⋅⋅


わんっ!


⋅⋅⋅⋅⋅⋅あとジーズで、パーティーを組むこととなった。


しばらく他愛もない話をして、夜も遅くなってきた頃。


「そろそろお開きにするか。」


「え、ファルカは泊まっていかないの?」


「さすがにそこまでしてもらう訳にはな。私は自分の宿に泊まることにする。」


「そうか。なら、明日の昼前にもう一度来てくれ。登録にも行かないとだからな。」


「あぁ、そうするよ。」


明日の予約をしたあと、ファルカは自分の宿へと帰っていった。


どこの宿かは分からないが⋅⋅⋅⋅⋅⋅まぁそこまで知る必要もないか。


その後、夜も遅かったので寝ることにした。寝室に入りベッドに寝転ぶと、ジーズが布団に入ってくる。


「じゃ、おやすみ。」


「おやすみなさーい。」


久しぶりに依頼を受けたこともあってか、その日はすぐに眠りにつくことができた。

少し短くなってしまいました。


とうとうパーティーを組むことに⋅⋅⋅⋅⋅⋅回りの反応はいかに!


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