道端で話かけれらたら危ない人だと思え
「頼む、一緒にアイドルになってくれ」
私の目の前には、必至に頭を地面にこすりつけて土下座している男性がいる。
そして、周りには興味津々な野次馬の方々。
そこの方、スマホで写真とるのはNGです。プライバシーの侵害です。びびりだから言えないけど。
後門の虎、前門の変人。逃げ場は無い。
話は数十分前に遡る。
私は友達のわかばちゃんのコンサートからの帰り道ほくほくしながら歩いてる。
突然、肩を叩かれた。
ほぼ、ナンパかスカウトだから無視しようかと思ったのだけど家まで着いてこられと嫌なので振り向くとそこに立っていたのは息を切らしたイケメンのお兄さんである。
人類の敵である。
「どうしましたか?」
ナンパだろうから私は防犯ブザーに手をかける。
わかばちゃんが危険だから持っててと私にくれた大切な防犯ブザーである。
勿論、サイン入りである。
「君、アイド」
「興味無いんで、行きますね」
ちっ、ナンパじゃなくて、スカウトか。
「ちょ、まってくれ」
その男は私の両肩を掴んでくる。
「すまない、少し話を聞いてくれないかい?」
男は自分のしたことを理解したらしくすぐに手を引く。
ロリコンだね。
「私、知らない人と長話するなって言われてるんです」
「すまない、少しだけでも良い。話を聞いてくれないかい?」
男はいきなり土下座になる。
これは流石に引く。いきなり土下座は引く。
この男のテクニックか!?考えろゆか、今年14になったピチピチJC(元男)兼アイドルオタク。
押しは川上 ひなこ!
ひなこたんは私の嫁!
よし、何が何でも家に帰るぞ。家に帰ってひなこたんの抱き枕でうにうにするんだ。
「すいません、わ」
「頼む、一緒にアイドルになってくれ」
というわけで、冒頭に戻る訳だが。
まじで、このお兄さん何!帰らせてくれないのかな。熱血はゲームの中だけでいいよ!
泣くよ。泣くよJC泣かせたら犯罪だよ。中身おっさんだけど。
「えーと、すまない名刺だけでももらってくれないかい?」
男は警察に捕まることを危惧したのか名刺を渡してくる。
「近藤 敦。少しでも興味を持ってくれたらいつでも電話をかけてくれ!いの一番にとるから!」
私は名刺を受けとると、一礼してそそくさと逃げる。
帰って、ひなこたん成分を補充しなきゃ!
この後、3回声かけられたがガン無視した。
近藤 敦視点
「お前、こっぴどく叱られたな」
目の前で同期である神崎 佑介が大爆笑している。
周りからの視線を受けてすぐさま謝ってるの少し滑稽である。
「で、その子。そんなに良かったのか?」
「ああ、オーラが他の人と全然違う。もし、アイドルになればトップアイドル間違い無しだ」
「そんなにか」
「あまり良い写真ではないが、ほらよ」
上司に起こられることになった。呟きアプリにアップロードされた写真を見せる。
「おっ、これは凄いな」
「こんな、人材を眠らせたままではいかない」
そう、100年いや、1000年に一度の人材をステージに立たせないなんてもったいない。日本、いや世界にだって通用する、トップアイドルになれるんだ。
絶対にスカウトを成功させる!!
その頃 藤原 ゆか
「ひなこたん、ひなこたん、うぉー」
「ひなこたん、ひなこたん、うぉーー」




