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平石わかばはくじけない

 初めまして、平石わかばです!

 地下アイドルやっています!

 今日は初めて、グループでの単独ライブです、緊張で、心臓が飛び出しそうです。

 ですが、私の大大大親友であり、この道に引きりずりこんだ張本人でもあるゆかちゃんが今日見に来てくれるって言ってくれてます。

 ひなこさんのライブ終わった後らしいですけど、うーうーうー。

 ゆかちゃんあの約束覚えてくれてるかな?


 5年前 小学4年生

「やーい、わかばこれは今日から俺のものだ」

  幼なじみのひろとが私のボールペンを奪っていく。

「ぅー、」

 ひろとは当たり前のように私のボールペンを自分の筆箱にしまってしまう。

 私は何も言えない。

「また、わかばちゃん。ひろとくんに可愛いこぶってる」

 ひろとのことが好きなみきちゃんが私の筆箱を払いのける。

「あ、ごめーん、当たっちゃた」

 筆箱が中にまい、筆記用具が散らばる。

「あ、ごめーん、私、目が悪いから踏んじゃた」

 別のひろとのことが好きな女の子が鉛筆を踏んづけて芯を折る。

「わかばきん、つけんなよー」

 別のところでは無邪気に男子が遊んでる。

 私はどうしたら良いのだろうか?

 先生に言ってもまともに取り合ってくれない。

 親はお兄ちゃんのことで頭が一杯で私のことなんて気にしてもいない。

 お兄ちゃんは親に誉めてもらおうと自分のことで必至。

 私はどうしたら良いのだろう?

 先生が入ってきて、いつもの下らない1日が始まる。

 今日はなんと転校生がくるらしい。

 私には関係無いだろうけど、いや、みんなの興味が転校生に向けばいいな。

「ゆかちゃん、入ってきて」

 その時、私は見たんだこの世の天使を、教会に飾ってある以上の神々しい存在を。

「藤原 ゆかです。皆さん宜しくお願いします!」

 ゆかちゃんがペコリと頭を下げるとみんな、一斉に固唾を飲んだのがわかった。

「ゆかちゃんは、じゃあわかばちゃんの隣ね」

 先生の言葉が一瞬、私の頭の中に入ってこなかった。

 ゆかちゃんは先生に言われたとおり私の隣の席に座ろうとこちらに歩いてくる。

 ゆかちゃんとの距離が近づけば、近づくほど、私の心臓の鼓動が早くなるのがわかる。

 ゆかちゃんは席に座るとこちらを向いて。

「これから宜しくね! 後、わかばちゃんのツインテール凄く似合ってるね。無茶苦茶可愛い!」

 ゆかちゃんの満面笑みに私の頭はショートしてしまいました。

 私の体は銅像のように動かない。

 先生が出ていった後、ゆかちゃんがみんなに囲まれるまで、私の体は動かなかった。


 ゆかちゃんと一緒に受ける最初の科目は国語の時間で、今日は教科書の文を立って一人ずつ音読していく授業である。

 ゆかちゃんの声ははきはきと聞き取りやく綺麗で心地良い。ゆかちゃんの声で授業受けたら何時もの何倍も頑張れそうである。

 ゆかちゃんみたいに私もはきはきと音読しようと意気込んだ。

「おばば………」

 周りからの視線が痛い。声はほとんど出てない。泣きそうである。

 ゆかちゃんはいきなりたち上がる。

「わかばちゃん、一緒にゆっくり音読しよう!」

 そういって、ゆかちゃんと一緒にゆっくり音読していく。

 その時、みんなの視線はきらきらとしていて、私には向いていないと別っていても凄く嬉しい。


 ゆかちゃんが来てから私へのいじめは減っていった。

 あんなにいやだった学校も楽しくなった。

 ちょっとだけ、いや、結構、ゆかちゃんにべったりだったけど。

 5年生のキャンプファイアで私達はみんなの前で歌と踊りをした。

 その夜、ゆかちゃんと話しているとゆかちゃんが

「わかばちゃんってみんなの前で歌と踊りをしているとき、凄い嬉しそうだよね」

「そんなことないょー」

「アイドルとか似合ってるね」

 ゆかちゃんのきらきらした目に私は目を反らしてしまった。

「私、わかばちゃんがアイドルになったら凄く応援するから」



 私はその後、アイドルオーディションを受けて当選して、グループのみんなとゆかちゃんのおかげでここまでこれた。

 だから、私はゆかちゃんに見てもらいたい。

「わかばちゃん行くよー!」

「うん!」

 じゃあ、行こう。

 ゆかちゃん見にきてくれてないかな

 


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