妹が正義なのは当たり前なのである
「ただいまー」
………
「お帰りー」
誰からも返事がないと自分で挨拶を返したくなるのはなぜなのだろうか?
珍しく誰もいないみたいです。
そして、私は学校の宿題が無く暇です。では、やることとしたら妹の部屋あさりしか無いと思うのですけど、どうでしょうか?
「あ、お姉ちゃん。ただいまー」
ちぇ。
私と違って品行方正の妹様のお帰りです。
「お帰りー」
今日のところは諦めましょう。
「お姉ちゃん、私の部屋漁ろうとするの止めてよ」
何で、ばれた!もしかして、妹って超能力組織の一員なの。
「なんで、驚いてるの。お姉ちゃん、私が家にいない時いつも漁ってるじゃん」
「………」
「申し訳ございません」
まあ、漁りますけど。なんたって、"お姉ちゃん"なのですから!妹の性教育には興味あります。
「はあ、言っても聞かないんでしょ」
そうでございます。
妹は制服からワイシャツに着替えてエプロンを着て夕飯の調理を始める。
私はリビングでソファーに寝そべりパソコンを開き、妹の調理を見守る。
なんで、調理しないかって?
私だって調理位できるよ、カップメラーメンとかレトルトカレーとか。だけど、妹に止められているのです。お姉ちゃんはちょくちょく抜けてるから危ないって。
そうだ、私は妹にカメラを向ける。
お玉をもってポーズを決める。
妹は品行方正といっても、最近の女の子なのである。こうやってカメラを向ければスーパーモデルに早変わり。
「はい、チーズ。うん、可愛い」
私はその写真をりかさんとかなさんとのチャットルームに送る
"私の妹、可愛いでしょ"
"可愛い!私の家に出張希望"
りかさんから光の早さで返信くる。
この人って今仕事中だよね…。
"可愛らしいかたですぅ。今度、私の家にも来て欲しいですぅ"
"うー良いな、良いな。私も可愛い妹に朝から晩までお世話して欲しいな"
"あなたの場合はお世話じゃなくて、介護ですぅ"
かなさんとりかさんってどんな関係なんだろう。もしかして、付き合ってる!!
"妹がいれば頑張れ………るかな?"
"無理ですぅ"
ばっさり。
"そんなことより。次の同人誌の題材はゆかちゃんとゆか妹カップル書いていい"
えっ、ほんの少し見たいけど。
「お姉ちゃん出来たよー」
「ちょっと待ってて」
「何ニマニマしてるの?」
妹が画面を覗きこむ。
おー、顔が真っ赤になった。同人誌のところ見たな。
"夕食出来たので退出します"
"わかりましたですぅ"
"拒否が無いってことは描いて良いってこと?"
"いいの?"
"いいの?"
…
今日の夕飯はペペロンチーノである。
「お姉ちゃん、あんまりえっちーいの。良くないと思うの」
妹がいじらしく言う。
可愛い。私の妹可愛いです。そんじょ、そこらのアイドルじゃ太刀打ち出来ないほど可愛い。
「大丈夫、多分描かないから」
りかさんもその位の常識あるよね?あるのか?
妹のまゆがちょと下がった。
「そうなんだ」
「そうだよ。今日もおいしいね。ありがとね、茜」
とりあえず、妹のおいしい手料理でも食べて忘れよう。