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小話 断章より願い<希望>を込めて

前のfragmentからの続きのような物

 神所世界。中層にある三世界群の一つ。中層には中心世界と呼ばれることの多い蒼空、数多の迷宮をその身に持つ世界竜が群れを成し構成される迷宮世界群、そして八つの世界とそれらの世界を管理する二言の神の管理神が存在する神所世界の三つの世界群が存在する。

 神所世界には一つ特殊な点がある。通常の世界にはなく、他に上層の二世界と中心世界にのみ存在するある特殊な要素。それは世界の始まりの神話と呼ばれる後付けの世界創生話から神々に与えられた五つの役割、中核・中心、世界創生、情報蒐集、世界路連環、世界統括の内の二つの役割を持つ存在がいることである。世界蒐集存在と世界統括存在の住む世界が神所世界にはある。

 長閑所、戦場所、売買所、共有所、秘法所、世役所、妖怪所、快楽所。それぞれ各世界には独特な特色が存在するが、その中でも異質の特色を持つのが売買所と世役所である。この二つの世界は極めて狭い範囲の世界だ。具体的には建物一つ分、それもそれぞれの世界の管理神に合わせたものだ。世界蒐集存在、仮初と集いの神の管理する売買所では所狭しとあらゆる世界のすべての物品のオリジナルの物が存在する物売り小屋となっており、調停と秩序の神、世界統括存在の管理する世役所ではまるで役所か何かのような世界となっている。その名の通りと言ってもいいかもしれないがそれぞれやはりその世界の役割があり、売買所は蒐集した情報やそれから構築されたオリジナルの物品の取引、世役所では役所のような神々の許可申請など世界を統括し管理する上での必要なやり取りが行われる。

 そんな世役所で二人の神が対峙していた。


「……………………」


 一方はかなり生真面目そうな、どことなく固い印象を抱く女性。目の前にいる女性を咎めるかのように睨んでいるように見える。しかし実際にはそんな程度ではすんでいない。腸が煮えくり返る程に怒り狂っているのを何とか押しとどめている感じだ。彼女は基本的には真面目であまり感情を外に出さない。ある一人の彼女を煩わせるとんでもない馬鹿な神には話は別だが、それ以外には基本的にそういう対応である。

 その睨みを受けている女性はそんな彼女の心情を……恐らくはわかっていなあがら、さほど気にしていないかのように軽く口の端を吊り上げて笑顔を浮かべたまま、どこか飄々とした感じで目の前の女性の睨みをかわしている。

 その二人は全然問題がないのだが……周囲はそんな二人をその辺にある物や適当に防壁などを張って隠れながら様子をうかがっている。特別何かされているわけではないのだが、睨んでいる女性の醸し出す重圧がそれを受けているはずの女性が避けているせいで周囲へと影響が拡散しているせいである。それほどに両者の力は大きく、その余波がひどいことになっている。幸いにもこの場にいる神のほとんどは世役所の管理神、調停と秩序の神の部下のようなものでありそういった事態にもある程度対応できるため大事には至っていない。そう、一方の神……睨んでいる方の女性は調停と秩序の神である。


「落とした、とはどういうことですか?」

「そのままの意味ですよ」

「…………ふざけたこと言わないでほしいんですが?」

「やだなあ、本当の事ですよ? 世界源流を通ってきたときに強い流れにぶち当たってぽーんと落としちゃったみたいです」

「その頭の悪い理由を考えた脳みそを叩き潰されたいですか? 邪神」

「ああ、怖い怖い。私が嘘をつけるはずがないのは知っているじゃないですか」

「大嘘つきですね……!」


 調停と秩序の神と対峙しているのは邪神。そしてその会話からこれは邪神が神殺しと協力し一人の神を殺し、一つの世界を飲み込んだ直後の話である。彼女はその時殺した神を蘇生のために世役所に運んでいたのに、途中で落としてしまった。調停と秩序の神が怒るのも無理はないだろう。ただでさえ彼女は色々な世界間の調停や安定で忙しいのに、隣人が色々と自分の世界の住人を異世界送りにしてその対処で仕事が増えているのにそこにさらに仕事を増やす事態を持ち込まれたのだから。

 特に邪神は何度か前科がある。その前科で調停と秩序の神やら伊達と酔狂の神やらが何度か働いたことがあるくらいの代物である。もっとも前科と言ってもそれは彼女が意図的に行ったことではない。だからこそ、その内容を罪として問うこともできないので困りものである。


「そもそもなぜ世界源流を通ってきたのですか? 普通に自分の世界に戻って闇の道を辿ってこればいいでしょう。神でも移動が大変な世界源流を通ってくる理由がないはずです」

「それもそうですね。まあその時は思いつかなかっただけでしょう」

「……それが真実か嘘か、はっきりさせたいところですが。あなたには手が出せませんからね」

「だから嘘はつきませんよ? 嘘つくならもっとましな嘘をつきます。特にあなた相手なら尚更ね」


 どこか煽るようにして邪神は調停と秩序の神に向けて言う。その言い方が余計に調停と秩序の神を怒らせるのだが。


「ですが、確かに彼女を落としてしまったのは私の問題です。そこは素直に謝りましょう。ごめんなさい」

「……いえ。まあ、あなたに悪意は………………そもそもあなたは悪意の塊だったと思いますが?」

「嫌ですねえ。私はただの邪神ですよ? 悪でもなんでもないんですけどね」

「はあ……まあいいです。あなたをまともに相手してもこちらが疲れるだけですから」


 ふっと周囲に拡散していた圧力が元に戻る。それを感じたのか、様子を見守っていた周囲が徐々に元の持ち場に戻っていく。


「……しかし、このまま放っておくわけにはいきません。どのあたりで落としてしまったかわかりますか?」

「それはわかりますね。でも、世界源流は潮の流れのようにはいきません。どこに行きつくかはわからないでしょう」

「……これは厄介ですね。あなたのところに取り込まれたのならまだマシだったのですが」


 神は普通に殺しても死なず、割とすぐに復活する。たとえ神殺しのような神を殺す権限を持つ人間が殺しても、その力を破壊するか奪うかしなければ早々完全に死んでしまうことはない。完全に死んでいなければ、復活は不可能ではない。そのために世役所に連れてくるはずだったのだがそうもいかなかった。そうなれば死んだ神はどうなるのか…………神は完全には死んでいない。神はかなり弱化してしまうが、それでもいずれは復活する。なので神が死んでいること自体に対しての不安はない。

 問題は何処に流れ着き、どういう作用がその神によって起きてしまうかだ。行きつく先が分かれば事前に対処し、世界状況の安定を図れるが今回は世界源流に落ちてその流れのまま何処かに行ってしまった。ゆえにどこに流れ着きどこで何が起きるかがわからず、とても厄介なこととなるのである。不確定要素として神の存在は大きすぎる故に。


「……いい案はありますか? こちらも忙しいのでそうそう誰かを送ることはできません」

「ええ、ありますよ。今回のことは私が起こした問題ですので手伝わせていただきます」

「…………以前の時もそうですが、あなたも結構関わりますね」


 以前も神に手助けを頼んだり自分が直接赴いたりといろいろやっていた。今回も何かをやるようである。


「それで、何をするつもりですか? 内容にもよりますが」

「ええ。この子たちを多くの世界へと送り付けるだけですよ」

「っ!」


 邪神の足元、邪神の影となっている部分から骨のような虫がわさりと溢れる。あまり数を出していないが、それでも手のひら大の骨虫が百ほどいる。


「この子らを送り、情勢を観察し対象の神がいれば戻って報告する。まあ一匹だと不測の事態があるので、二か三匹ほどでグループで送らなければならないでしょうけど。まあ私にとっては爪の先程にもならない数ですけどね」

「……それは助かります。これくらいなら影響も少ないでしょうし」


 世界への影響はただ骨虫を三匹送るだけなら大したものではない。そもそも世界にあふれる闇のすべてを集める役割を持つ邪神にとってその集める闇と比べれば大海の一滴に等しい。もちろん塵も積もれば山となるなのであまり影響する世界が多ければそれはそれで困りものなのだが、事前に知っていれば対処もできる。


「……しかし、あなたが自分から協力するのも珍しいですね」

「ええ、まあ。今回は面白そうだったので」

「…………どこかの馬鹿みたいなことを言いますね?」

「あれと比べられても困りますけど? そもそもあっちはそれが役割でしょう。あなたも大変でしょうけど、それもあなたの役割、仕事ですから」

「……言われると腹が立ちますが、しかたありません」


 神にはそれぞれの役割、生き方、仕事がある。神は人の奴隷に在らず、人は神の奴隷に在らず、すべては世界によって定められ動かされている。別の言い方をすれば運命ともいえるものでもあり、彼ら彼女らはその定めに従わざるを得ない。それ以外はかなり自由に生きていいのはまだ有情だろうか。


「まあ、そもそも今回の事からして……いえ、やめておきましょう」

「……途中で言葉を切られるとイラっとくるのですが?」

「神ですら、決められた道、運命には逆らえない。あなたも知っているでしょう?」

「っ」


 調停と秩序の神はかつての事を思い出す。自分の記憶にないいつの間にか起きていた出来事とその事実を。


「何故、神殺しがいるタイミングで神が闇にのまれ、闇に鎮める世界にその神がいたのか。そもそも誰がそれを派遣したのか。あなたは覚えていますか?」

「……またその手の陰謀論ですか? あなたまで動かせるなんて………………っ!」


 調停と秩序の神は世界を統括し管理する者。その都合上、ほとんどすべての神を彼女の権限で縛ったり罰したり対処できたりする。しかしそれでも例外は存在する。彼女の権限と立場はほとんどすべての神より上位であるが、それよりも上位の神、もしくは同等の神も複数存在する。例えば今彼女の目の前にいる邪神。立場的に言えば、彼女は創造主の対立者であり創造主とほぼ同との権限を持つ。そもそも神としても彼女の方が調停と秩序の神よりも強い上位者である。立場や権限があればある程度上位の相手にも対応できるが、それでも圧倒的上位者には不可能である。

 しかし、それでも邪神でも完全に調停と秩序の神に暴挙を振るうことはできない。それほどまでに調停と秩序の神の持つ世界統括存在としての立場と役割は強いものである。ある一つの例外を除いて。


「……神、創造主ですか」

「まあ、よくあることですよ。一つの物語が作られるのに神が動かされることなんて」


 時に神すら利用して、物語は作られる。







「……ここは」


 女性はいつの間にか地面に横になっていた。記憶はかなり混濁している様子で、今自分がどこにいるのか、どうしてそこにいるのか、それまでなにをしていたのか、目の前の光景について、地面に横になっていた理由について、何もかもがあいまいな状態となっていた。


「……多分、見たことがない光景ね……いえ、どうかしら? 見たことがあるかも」


 共通、彼女が知っていると思ったことに似通った景色ではある。それでもやはりどこか彼女は違うと感じていた。


「……私は誰」


 自問自答。彼女は自分のうちに語り掛ける。それで自分のすべてが分かると言わんばかりに。それは彼女本能だったのだろう。そうすれば彼女は全てを思い出せる。何故なら彼女こそ神だったのだから。

 そしてそれは成功する。彼女は自分が神であったこと、それまでのことをすべて思い出した。そう、すべてを思い出したのだ。


「うっ……ぐっ……げぶっ」


 彼女は全てを思い出し、その場で吐いた。吐いたと言っても神は物を食べなくてもいい。そもそも世界を管理する神として特に何か食べるようなこともしておらず、せいぜいが彼女が吐いてしまったものは胃液くらいで済んだだろう。しかし一体なぜ彼女はそんなふうにいきなり吐いてしまったのか。全ての記憶を思い出したことによる影響か? 否。神である彼女が物を思い出した程度で悪影響が出ることはない。

 彼女はただ、思い出しただけだ。自分望まぬ、すべての物事を。嫌悪や憎悪、物事に対する悪感情。彼女かあふれ出た闇、そこから生まれた悲哀、悲劇、悪行、暴虐、邪欲、最終的にすべては彼女の絶望に到達する。そして彼女は闇のまま、すべてを滅ぼさんと暴走した。


「……なんで」


 せっかく自分は誰かに止められたと言うのに、なぜこんなところにいるのか。管理神として暴走したのは確かに悪点ではあるが、だからといって見捨てられるほどの悪ではない。誰にだってミスはあるし、彼女はまだ若い、幼いと言ってもいいくらいの未成熟な神である。その程度のことで神として捨てられることはない。そもそもただ放り出されるくらいなら彼女の神としての力を回収し滅ぼして新しい神を作ったほうがいいだろう。

 ならばこれは罰か。かつて世界を繰り返し力を大きく喪失した神でもこれほど大きな罰を受けたことはなかった。彼女は世界を滅ぼそうとしていたが、それでも世界が本当に滅ぶこともなく、そもそもその前に彼女は殺されて止められた。ならばそれほど大きな問題には発展しなかったはず。まあその世界は闇に鎮められてしまったのだが、それを彼女は知らないし仮にそうであったと知ってもそれならば尚更彼女が受ける罰は重くならないはずである。

 よもや、彼女がこの世界に落ちたのはただの事故であったとは彼女自身思わないだろう。もっともそれは仕組まれた事故であったのだが。


「ひとまず、戻らないと……そもそもいつの間にかここにいたのだし、色々と事情を聞きに行ってもいいわよね?」


 そう言って彼女は世界の移動を開始しようとする。しかし、それはできなかった。


「……どうして! なんで世界を移動できないの!?」


 神は自分の管理している世界以外にも移動できる。しかしそれは彼女からは失われていた。


「っ! 他の権能も多くが使えない!? どういうことよっ!?」


 神としての大半の力に制限がかかった状態である。別に彼女自身の力はこの世界で生きる上でならば全く問題なく、力を持った存在でも彼女を倒すのは無理なくらいな絶対的な力を有している。しかしこの世界の多くの物事には干渉できなしい、ここの管理神でもない以上世界に影響を与えることもできず、世界から脱することすらできない。しかもこの世界を管理している神も彼女のことを把握していないことから恐らくいないという推測がなされるだろう。


「あ、でもまだ使えるのが…………っ!」


 彼女の神としての権能で彼女に大きく根付き大きな力であったものは失われず残っていたようだ。そもそも彼女は死んでいた状態から半ば無理やり蘇生したような状態で問題が発生していたのだが、それでも彼女自身に大きくかかわるものは存在の根幹と言ってもよく下手な事態で失われるようなことはあり得ない。そして彼女はその力を行使してしまった。それこそ、彼女が闇に呑まれた原因の一端でもあったのに。


「なんで……! なんでよ…………!!」


 彼女はまた見てしまった。人の想いを踏みにじる人間たちの行為を。幸いにもここはある程度干渉を受けた世界であったためそういった悪意はかなり薄まって入る。しかしなくなることはない。人が人であるがゆえに、善も悪も世界に許容され残される。絶対の善はなく、絶対の悪はない。幸福があれば不幸もまた存在する。そして幸福を奪うことまた。

 彼女は一度人に絶望した。闇が生まれる原因がその人の行いだったからだ。人は善である、という思いがあったゆえに、悪を許すことができなかった。それもまた人であるというのに、人の善性を信じすぎ、そのために幸福を奪う、踏みにじるそれに耐えきれなかった。それをまた、この世界で見せられてしまうことになるとは思わなかっただろう。


「……もう、やだ」


 彼女はその場に座り込んだ。こんな世界に生きていてどうするのだろう。全てを諦め、自分をすべて放り捨てて、終わりにしよう。そう思って永遠に終わり続けることを望もうとした。しかしそう簡単にはいかない。彼女が終わるには彼女自身の生きる力をすべて失ってからでなければならない。だから彼女はすぐに追われなかった。

 それが、彼女にとっての最後の希望、幸福へとつながった。


「……誰?」

「っ!? あなたは?」

「僕は……」


 彼女を見つけた一人の少年。彼女はその少年に光り輝くような善性を見つける。感じる。まるでそれが彼女にとって最後の希望だと言わんばかりのその輝きに、彼女は自分のすべてを預けることに決めた。彼女は問う。


「この世界を、人々を幸福に導いてくれる?」


 年齢にしてまだ十に満たない少年。この世界ではまだ成熟は早めだとしても、それでもまだ幼すぎるその年齢。普通ならばその意味を理解することはできないだろう。しかし少年は貴族であり、またその言葉の意味を理解するだけの環境と本人の意思の下地が存在していた。それゆえに、少年は彼女のいうことに頷いた。

 おもわず女性は少年の眼を見つめる。それは自分の言葉の意味を理解していないおもったからであり自分から言い出したにしてはずいぶん失礼だと思わざるを得ないことだがわからなくもない。しかし、少年の眼はしっかりとした理解の光がある。ゆえに、彼女は少年がそれを真実理解して受け入れたことがわかった。


「ありがとう……」


 もちろん、どれだけ少年が努力をしても、彼女はどれだけ少年に力を貸しても、すべてを幸福に導くそれに届かない可能性はある。道半ばで少年が命を落とすかもしれない。その時は仕方がない。自分は少年にすべてを預けることに決めたのだから。そうなったなら、自分のすべては散るか、闇に落ちるか、少年のその後の未来にすべてをささげるか……それはその時考えることでいい、と覚悟だけを決めていた。


 斯くして、ある一つの世界で一度闇にのまれた一人の神と、人の幸せを望んだ少年が約束を交わした。それはある意味契約よりも軽いもので、契約よりも重いもので。それが語られる物語となるかはわからない。ただ、それを見届けるものが一人。








「ふう、まあそういうことですよね」


 邪神が一つの世界を見つめている。彼女の落とした神と少年が役を苦を交わしたその光景を。既に彼女は自分の落とした神の流れ付いた世界を見つけていた。早いとかそういう次元の話ではなく、まるですでにいる場所が分かっているかのような発見速度である。


「全く……世界も、彼女も救済ですか? 実に都合がいい。ご都合主義極まれり、ですね。まあそれはそれでいいですが。それだけ頑張っても、世界がうまくいくとは限らない。今までもそうであったように……まあ、あれだけの光が道半ばで終わるよりは、普通に世界を盛り立ててほしい所です。闇に変わってくれればなおいいですが、まあそれは期待しないでおきましょう」


 ご都合主義。都合がいいと邪神はいうが、真実その通りである。何故ならそうでなければ意味がないからである。それは物語であり、同時に神の望んだものでもある。即ち、幸福。普通である彼女の望む、人々の幸福を願う、祈り、望む、そんな思いがかなう未来を作るための、都合のいい道筋。


「……しかし、また戦乱の世の中ですか。彼女も下手したらまた絶望するんじゃないですか? ああ……そもそも彼女に会い肩入れが良かったのではないでしょうか? 一人だから余計に絶望するんですよね……いえ、これ私が言っていいことですかね? どっちかっていうと私絶望させる側ですよね? こんなんだから私は似非邪神とか言われるんじゃないでしょうか……まあ今更ですのでどうでもいいんですが。とりあえず……報告はまだにしておきましょう。この物語が結末を迎える頃合に伝えればいいでしょうね」


 それこそ、邪神に望まれる役割なのだろうとどこか彼女は達観している。まあ神なのだから達観できるくらいがちょうどいいのかもしれない。


「さて、まあ他所の世界にも送っておきましょう。必要はありませんがポーズはいりますし……送ったところでこちらとしても観測できる世界が増えますし情勢調査もしやすいです。まあそもそもすべての世界に闇が存在するので必要ないと言ってもいいのですが……」


 ぶつぶつと呟きながら、邪神は自分のいるべき世界へと戻る。この世界の観測はここに送り込んだ骨虫だけでいい。彼女は彼女で自身の役割がある。それらをすべて捨ててただの暇つぶしの観測に費やすことはできない。それができるのはそれを役割に持つ特殊な神のみである。

独自設定の説明が多すぎない? 普段の三話分くらい書いているようなものですが実際に必要な部分は一話分。説明長すぎ。

一応これは前日譚見たな感じの話ですが、件の彼女と少年が活躍する物語は書くかは未定なのです。一応書くかもと物語内容のネタには記録していますが……戦記物に近くなりそうなので多分かけないなあ、というのが本音。

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