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イノセント・フラワー  作者: 聖 刹那
春季章 《凍てついた花の雪解け》
17/22

第三章《巡り合う花》 Ⅲ

 あらすじを変更しました、こっちの方がしっくりくるので変更しました。

  

 渚と渚もかなりのカップルです。まだ、親友の関係ですが。

 

 

 お昼休みが終わり、午後の授業がある為、教室に戻ろうとしていた。すると、校内放送が鳴り出した。

「高等部三年花組の生徒に午後の授業のお知らせをします。五時間目の授業は中央グラウンドで行います。制服のまま向かってください」

 若い女性のアナウンスだった。どうやら午後の授業はグラウンドで行うようだ。

「それにしても・・・・・・、授業開始五分前に連絡してくるなんて不親切ね・・・・・・」

 私は不満を漏らす。フレアが私に賛同してくれる。

「そうだよね、五分でグラウンドまで出ろ、って無茶だよね」

「仕方ありませんよ、クローム先生や理事長は気まぐれですから」

 渚は諦めた顔で答える。理事長は私たちに入学の許可をくれた人で、かなり変わった人だった。

 私たちは中央グラウンドに小走りで向かった。


 クラスメイトたちも中央グラウンドに来ていたようで、そこにクローム先生が待っていた。

「みんな来たわね、では五時間目の授業は・・・・・・」

 一度区切ってから、クローム先生は私と渚を交互に見て、再び口を開く。

「紅月さんとレイアさんの模擬戦を行います」

 クラスメイトざわつく。模擬戦とは、実際の戦闘を想定した訓練のことで、勝敗が命のやり取りではないという点が実際の戦闘と大きく違うところだ。

 そして、私と渚は目を合わす。渚は一礼して手を差し出す。

「分かりました、レイアさんよろしくお願いします」

「ええ、こちらこそ・・・・・・」

 私も一礼して渚と握手する。どうやら、渚はやる気のようだ。私も彼女に興味があるから丁度良かった。彼女の魔力量は無原罪者(フラワー)としてはかなり低い方だった、それでも彼女の立ち振る舞いは和国の武士のようで実力も相当のものだろう。


 グラウンドの中央で私と渚は対峙する、その間に立会人としてクローム先生がいて、他のクラスメイトたちはグラウンドの端に座ってこちらを観戦している。

 フレアと翼の方に視線を向ける、フレアは笑顔でこちらに手を振って。

「二人とも頑張って~」

 私と渚に声援を送る。翼は私を睨んでから渚と視線を合わせて、互いに頷く、『頑張れよ』と目線で言っているようだ。

 フレアは良い親友を持っているんだなと改めて思った。

 クローム先生は私と渚を交互に見て最終確認をする。

「じゃあ、試合開始するわね、二人とも危険だっと思ったらすぐにやめること、いいわね?」 

「分かりました」

「ええ・・・・・・」 

 私たちは返事をして、互に向かい合う。

「紅月流継承者・紅月渚。押して参ります!」

 渚は凛とした声で高らかに名乗りを上げて、異空間より刀と呼ばれる和国の剣を鞘から抜き放つ。名乗りか・・・・・・、私も上げないと失礼よね。

「剣の魔女・レイア。お相手致します・・・・・・」

 魔女、という単語を聞いてクローム先生が顔をしかめる。『余り素性を表してはいけない』と目線で言ってるようで、言わない方が良かったようね、まあいいか。

「――氷刃(ブレイド)

 私は氷の刀を創り出し、鞘から刀を抜く。


「それでは、戦闘開始っ!」

 クローム先生の合図で開戦した。

 先手を打ったのは渚で私の間合いに入り込み上段より刀を振り下ろす。私は下段から刀を振り上げる。刀と刀が打ち合い火花が散る。

 渚の太刀筋は良く、修練を積んでいるのが良く分かる。しかし、魔力が余り込められていない為、魔力で勝る私の刀に押し返され後退する。

『やっぱり、不思議よね。渚の魔力量がこんなに低いことは・・・・・・』

 レシティアが私の中で話しかけてくる。これは、念話といって魔力を介して脳内で会話することで、高等魔法の為、使える者は極少数である。

『そうよね・・・・・、でも彼女の体の奥深くに確かに魔力が眠っているようだけど・・・・・・』

 私の左目とレシティアの右目の紅色の瞳は、魔力を目で認識することができて。人の感情の色が見えて、目を合わせると思考が読むことができる。

 しかし、人の心が読めてもろくなことがない。男性の心は醜く下劣で、女性の心は男性より遥かに綺麗だが下心がないわけではなくそういた感情の色を見るのは余り好きではない。

 でも、フレアは真っ直ぐで飾らない美しい心を持っているから彼女のことが好きになったのかもしれない。いけない、またフレアのことを考えてしまっていた。今は戦闘中、集中しないといけない。

 そして私は話を戻す。

『でも、手加減はしないわ。渚に失礼だもの・・・・・・』

『そうね、渚は真面目だものね~』

 渚の心は撫でるように愛しい子、大和撫子という言葉がピッタリで、慎ましく控えめで、清らかで凛とした美しい心である。そして彼女は武士であり、騎士でもある。その彼女に手加減など不用。

 今度は私から仕掛ける、刀に水の魔力を込めて渚の間合いを詰める。

「――水神迅衝」

 突きと同時に水流を浴びせる、魔剣霊術。渚は真横に跳びこれを躱してカウンターを狙う。

「はぁっ!」

 真横に振られる刀、私は鞘を左手で出現させて受け止める。そして右手の刀で横薙ぎに斬る。

 渚はバックステップして回避する。そしてまた間合いを詰めつる。

「――紅月流十二刀術・師走っ!」

 渚の刀が紅色に輝き、迅速の突きが迫る。私は鞘に刀を収め居合の構えを取る。

「――抜刀術・波打ち」

 刀を鞘に収めた状態かた帯刀し、鞘から抜き放つと同時に波打ちのように水が弾ける。

 刀と刀が一瞬弾き合った音がして、渚が私の後ろに立つ。

 刀を構えたまま動かない二人にクラスメイトは固唾の呑んで見守る。

「渚、貴女は努力家で一生懸命でとっても素晴らしいことだわ・・・・・・。もっと貴女は強くなれる、その時が来たらまた手合わせしましょう・・・・・・」

「はい、ありがとうございます・・・・・・」

 渚はお礼を言ってそのまま倒れそうになる、翼が一瞬で近くに来て渚を受け止める。

「おい、渚・・・・・・」

「安心して、峰打ちよ・・・・・・。気を失ってるだけだから・・・・・・」

 翼が私を睨む。どこまでも渚のことが心配なのね、両想いかしら?

「渚~、大丈夫~?」

 フレアがこちらに駆け寄って来る。

「翼、渚を保健室に連れて行って上げて・・・・・・。フレアは渚を看てあげて・・・・・・」

「言われるまでもねぇよ」

「うん、分かった」

 二人は返事をして渚を抱えて保健室に向かって走っていった。


 クローム先生はそれを見送ってから終了の宣言をする。

「勝者・レイアさん」

「いいえ・・・・・・」

 私は刀持っている刀に視線を向ける。刀に亀裂が入っており、パキッ、という音がして粉々に砕け散った。

「引き分け、が妥当なところじゃないかしら・・・・・・?」

 私の指摘にクローム先生は少し考えてから結論を出した。

「そうね、貴女がそれでいいなら、そういうことにしておきましょう」

 笑顔で答えるクローム先生、でも、一瞬見せた含み笑いを私とレシティアが見逃すことはなかった。

 これで、午後の授業は終了して放課後となった。フレアは教室に戻ってきたけど、渚と翼は、まだ保健室にいるようだった。

 フレアが治癒術を渚に使用したので心配はないと思うけど、少し様子を窺うことにした。

 


 


 

 次回、翼は渚の悔しやを知って、行動にでます。

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