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イノセント・フラワー  作者: 聖 刹那
春季章 《凍てついた花の雪解け》
12/22

第二章《破滅の死神》 Ⅳ

 訂正とお詫び、薄々、話ごとにバラバラになってる気はしてました・・・・・・。

というわけで、閲覧し直しました。これまでの作品を評価して貰った方々に申し訳ないですが、ややこしいのでバラバラの話を削除しました。以後、気お付けます。


 戦闘描写って難しいですね~、なんか戦闘なしで日常ほのぼの系な百合でもいい気がしてきました。でも、日常は難しいから恋愛に特化するべきでしょうか? でも、百合ファンタジーが好きなのでここで折れるわけにはいきません。

 レイアはアリスちゃんが飛ばされた方向に向き直る。煙が立ち込めている中からゆっくりアリスちゃんが歩いてきた。

「本当に目障りな女、レイア・・・・・・」

 アリスちゃんは怒りをあらわにしてレイアを睨みつける。レイアはアリスちゃんに臆することなく視線を向け、剣を中段に構える。

 赤い月明かりの下、紅い瞳と紅い瞳が見つめ合う。辺りに緊迫感が漂い、心なしか肌寒く感じる。

 そしてレイアが沈黙を破る。

「貴女はアリス・・・・・・、アリス・アルハザード・ニヴルヘイム。通称・破滅の死神・・・・・・」

「そうだよ、アリスだよ」

「ルミナシアの無原罪者フラワーがどうして魔族たちに手を貸すの・・・・・・?」

「そんなのアリスの自由でしょ?」

「それもそうね・・・・・・、でも、フレアを傷つけるなら私が許さないっ!」

 レイアは言い終わると同時に剣を振り上げアリスちゃんに迫り、青く輝く刃を振り下ろす。

 対するアリスちゃんは口元に薄い笑みを浮かべ、大鎌の刃でこれを受け止める。激しい火花が散りる。

 アリスちゃんはレイアの剣を弾き、レイアの腹部に蹴りを入れる。

「くっ・・・・・・」

 レイアは体制を崩し後退する。そこに追撃しようとアリスちゃんが漆黒の大鎌を振りかぶり接近する。

 片膝を付いていたレイアは立ち上がり、何も持ってない左手を広げて呟く。

「――氷剣ソード

 左手に氷の剣が出現してそれを構える、両手に剣を持った二刀流でアリスちゃんを迎え撃たんと屋上の床を蹴る。

 右手の剣だけで振り下ろされた大鎌をあしらい、左手の剣でアリスちゃんの胸元を斬りつける。

 咄嗟に大鎌の柄でこれを受け止める、そこに右手の剣が迫る。

「鬱陶しいわね、――刈薙!」

 アリスちゃんは大鎌を大振りに薙ぎ払う、レイアは二本の剣で受け止めるが勢いを殺しきれず押し飛ばされ、着地する。

 また、互の距離が開き、互いに武器を構え直す。


 わたしは二人の戦いを固唾を呑んで見守っている。そこに半透明の幽霊のようね少女――レティシアが私に尋ねてきた。

「ねぇ、フレア」

「レティシア、どうしたの?」

「貴女は、どっちが勝って欲しい?」

「えっ、どういうこと・・・・・・?」

「もっと詳しく言うと、どっちに生き残って欲しい?」

「そっ、そんなこと・・・・・・」

 そんなこと決められるわけがない・・・・・・。わたしはレイアのことが好きだけど、わたしを「フレアお姉ちゃん」と呼んでくれるアリスちゃんだって妹のような存在だ。

「レイアもアリスちゃんも、二人とも死んで欲しくないし、傷ついて欲しくない・・・・・・」

「そう、意地悪な質問して悪かっわね」

 レティシアはいつもの妖艶な笑みを浮かべて謝る。どうしてそんなこと訊いたんだろう? いくら意地悪なレティシアでも笑えない冗談だと思う。

「でも、これは、冗談じゃないの」

「だから、なんで人の思考を読むのっ!?」

「アリスは強いわ、今のところ互角な戦いをしてるけど、長期戦になるとアリスに魔力量が劣るレイアは確実に負ける」

「そんなっ・・・・・・・、レイアが負けるの・・・・・・?」

「でも、心配いらないわ」

「どうして・・・・・・?」

「答えは簡単、私がいるからよ」

 レティシアは得意顔になって、大きな胸を張った。


 再びレイアとアリスちゃんの方に視線を向ける。

 戦いはまだ続いており、一対の青い刃と漆黒の大鎌の剣戟が鳴り響く。

「ねぇ、早く死んでくれない? レイア」

「それはできない相談ね・・・・・・」

「レシティアお姉ちゃんに迷惑を掛けてるんでしょ? だから死んで」

「レシティアは私を迷惑だなんて思ってないわ・・・・・・、私たちは家族だから・・・・・・」

「アリスとお姉ちゃんたちだって姉妹なんだよ、お姉ちゃんたちをたぶらかす悪い魔女はアリスが殺してあげる」

「仕方ないわね・・・・・・、少し、大人しくして貰うわ・・・・・・」

 会話しながら斬り合っていたレイアは後退して詠唱を始める。

「氷の花を咲かせなさい――氷剣領域ソード・フィールド

 花が咲くように無数の氷の剣が咲き乱れる。出現した数十本の剣が空中で静止している。

「氷の花よ、舞い散りなさい」

 レイアの声を合図に、全ての氷剣の切っ先がアリスちゃんに向き、一斉に放たれる。

 無数の剣が自分に迫り来るのに余裕の笑を崩さない、アリスちゃんは大鎌を肩に担いで、左手を前に出して呟く。

「――ダークストリーム」

 闇・風属性中級魔法・ダークストリーム。黒い竜巻が発生し、自分に向かう剣を全て弾き砕く。氷の花は風に舞い散った。

「お返しだよ、――ライトニング」

 アリスちゃんが放った雷属性初級魔法・ライトニング。上空から落雷がレイアに落ちる。レイアは左手に持っている剣を投擲した、そこに落雷が直撃して、レイアの身代わりとなった剣は粉々に砕け散った。


 レシティアは興味深いものを見るようにアリスちゃんを見ていた。

「炎属性、風属性、雷属性、そして闇属性。複数の属性を属性を使えるなんて珍しいわね」

「そうなの?」

「ええ、大抵の人は無属性しか使えなくて、それ以外の属性が使えたとして一つ、二つ程度ね」

「そうなんだ。じゃあ、レイアはどうなの?」

「氷属性と水属性、あと聖属性が少し使えるわね」

「それだと、なんかだかレイアって人魚の声をした雪女みたいだね」

「ふふ、面白い表現ね。・・・・・・でもそれは、人魚は泡になって消える。雪女は雪のように溶けて消える。ということを表してるみたいね・・・・・・」

「それって・・・・・・」

「気にしないで。そんなことよりレイアが勝負に出るみたいよ」

 レティシアに促されてレイアに視線を戻す。レシティアの言葉が少し気に掛かったけど、今は二人の戦いを見守ることにした。

 


 

 次回、レシティアさんが口以外も動かします。

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