第二章《破滅の死神》 Ⅱ
新キャラクター、アリスの登場です。ヤンデレ臭が漂っているのは気のせいではないと思います。
しばらく校内を歩いていると授業の予鈴が鳴ったので、教室に急いで戻ることにした。
「本当になにやってんだろうわたし・・・・・・」
わたしは走りながらぼやいていた。
すると、曲がり角で誰かとぶつかって尻もちをついた。
「わっ! ご、ごめんね大丈夫・・・・・・?」
わたしは立ち上がり、座り込んでいる少女に手を差し伸べて思わず息を呑んだ。
十六歳ぐらいで、銀色に輝く髪はツインテール。丸い瞳は鮮やか緋色。童顔で小柄でまるでお人形さんのように可愛らしい少女だった。
わたしがじっと見つめていたので、少し困ったように少女が口を開いた。
「お姉ちゃん、どうかしたの?」
大人っぽいようでとっても幼く感じる不思議なウィスパーボイスに呼ばれ、我に返った。
「あっ・・・・・・。大丈夫、アリスちゃん?」
わたしは気が付くと少女の名前を口走っていた。レイアと同じでこの娘も懐かしく感じた。
「アリスは大丈夫だよ? フレアお姉ちゃん」
「そう、良かった」
ゆっくり立ち上がったアリスちゃんは可愛らしく微笑んだ。わたしも釣られて笑顔で返した。
後ろから授業に向かっている若い女性教師に声をかけられた。
「貴女達、もうすぐ授業が始まるから自分の教室に戻りなさい」
「そうだった! じゃあね、アリスちゃん」
わたしは急いで自分の教室に戻ることにして、アリスちゃんに手を振って走り出した。
「またね、フレアお姉ちゃん」
彼女も手を振って自分の教室に歩き出した。
アリスちゃんは多分下の学年だから教室が近いのだと思う。わたしの教室はかなり離れているから急がないと。
歩いていたアリスが振り返りほくそ笑んで呟いていた。
「やっと見つけた・・・・・・。フレアお姉ちゃん・・・・・・」
授業に間に合ったわたしは授業を受けていた。
人形みたいに可愛いアリスちゃんと会って少し元気になったと思う。でもこれはレイアに対する浮気とかじゃない、ていうかまだ付き合っていないけど・・・・・・。
(ほらアリスちゃんは愛玩動物みたいで誰でも可愛いと思ってしまうんだよ)
と考えてる間に午前中の授業は終わり、お昼休みになっていた。
「フレア、一緒にお昼にしましょう」
気がつくと弁当を持った渚と翼が私の席の前に立っていた。わたし達はいつも三人でお弁当を食べていた。
「そうだね。じゃあ、お弁当を・・・・・・」
わたしが鞄からお弁当を取り出そうとしていると何やら教室がざわついていた。
どうやら、アリスちゃんがわたしに会いに来てくれたようだ。
「あれが、転校生のアリスちゃん・・・・・・?」
「やっぱり、お人形さんみたいで可愛い」
「でも、高学年の教室に何の用かな?」
クラスの女子達はお昼ご飯そっちのけで談笑に花を咲かせている。
「まさか、あの娘、俺に告白しに来たんじゃ・・・・・・」
「いや、俺に気があるんじゃ・・・・・・」
とクラスの男子も色めき立つが――
「いやいや、あの娘はこの世界のどの男子にも釣り合わないぐらい可愛いよ」
「そうそう、あんなに可愛い娘が男好きなわけない」
女子達の心無い言葉に意気消沈する男子達。
アリスちゃんは高学年の教室に単独で何の躊躇いもなく入ってきて、わたしの席の前にやって来た。
「フレアお姉ちゃん、一緒にお弁当食べよう?」
「えっ、あ、でも・・・・・・」
わたしは渚に視線を向けると、渚は笑顔で返してきた。
「先客がいるなら仕方ないですね。今日は翼と二人で食べます」
そう渚が言うと、アリスちゃんがわたしの手を握り、渚と翼を交互に見た。
「フレアお姉ちゃんをお借りするね、先輩方」
「わかった・・・・・・。けど、借りたものはきちんと返せよ?」
翼がアリスちゃんを睨んだが、アリスちゃんは不敵に笑い答える。
「先輩、フレアお姉ちゃんは物じゃないよ?」
「そうですよ翼、フレアを物扱いするのは酷いと思います」
「ああ、悪かったよ」
翼は面倒臭そうに頭を掻いて謝った。そして、わたしに近づき耳打ちした。
「フレア、気をつけろよコイツは凄く危険だぞ」
「えっ?」
(どういうことだろう? アリスちゃんが危険なのかな?)
わたしは疑問に思って翼に聞こうとしたが、アリスちゃんが口を開いた。
「話も終わったみたいだし、それじゃあ」
「あっ、ちょっと、引っ張らないでよぉ~」
アリスちゃんはわたしの手を握ったまま走り出して教室を出た。
しばらく走って屋上に出て、そこでお昼にすることにした。
「「いただきま~す」」
わたしはカーラママが作ってくれたお弁当を、アリスちゃんはサンドイッチをそれぞれ食べ始めた。
「それにしてもアリスちゃんは凄いね、上級生の教室に一人で来れるなんて」
「別に大したことないよ? だってみんな弱いもん」
「えっ・・・・・・?」
「みんな簡単に殺せちゃうよ。あの翼っていう猫っぽい人は少し強いけど、アリスの敵じゃないよ」
この娘は何を言っているんだろう?
わたしは苦笑いしながら尋ねた。
「アリスちゃん・・・・・・。それ、冗談だよね・・・・・・?」
「違うよ? だって本当のことだもん」
アリスちゃん冷たい笑みを浮かべた、わたしは背筋が凍った。
「あれ、どうしたのフレアお姉ちゃん、なんでそんなに怯えているのかな~?」
アリスちゃんは立ち上がっり、わたしににじり寄る。
どうして自分より年下の少女にこんなに恐怖しているのだろう? でもそれはなんとなくわかった。
彼女は【無原罪者】だと気が付いたが、時すでに遅し、世界が闇に包まれていく、その闇の中で青い蝶が舞っているのが見えた気がした。
フレアはアリスに襲われています、そしてフレアのピンチに彼女が来ます。
かなり編集しました。もう読んでいただいていた方には申し訳ないと思っています。




