08
「百合との関係だよな。」
「はい。」
美月が言うとさっきの太陽が思っていたより怖くて 動けなくなっている翔に代わって司が答えた。 それを確認した美月は話を始める。
「百合は命の恩人だ。正確には百合の家族だが....。」
「学園長の家族とはどういう事ですか?」
司が美月が言った事に質問する。翔も理解できていないようだ。司の質問に美月は昔話を始める。その表情はとても楽しそうだった。
「20年ほど前、私たちはある団体に追われて日本に来た時にお世話になったのが百合の家族だ。百合はその時まだ十歳だったな。」
「そうですね。でも美月さんと太陽さんは全然変わってないですよね。」
そう言って百合は楽しそうに笑っていた。
百合の言葉を疑問に思い美月と太陽に問う者達がいた。司と翔だ。
「美月さん達は何歳なんですか!?
(お前達は何歳なんだ!?)」
「言ってなかったか?」
「言ってないよ、姉さん。」
叫ぶ司と翔とは正反対で、美月は冷静に答えた。太陽も落ち着いたようで、冷静に美月にいっていた。「そうか。」といいながら美月は司達を見る、そして自分達の実際の年齢を言う。
「今年で丁度160になる。」
「160!!」
二人共ものすごく驚いていた。今まで歳を聞いたことがなかったのか百合まで驚いていた。翔に至っては「100も年上......」とつぶやき、今までの無礼のことを美月達に謝っていた。
そんな翔を突き放すように美月は言い放つ。
「今まで」
「だが、我らはお前たちと関わるつもりはない。」
「えっ......。」
「だから我らに対して敬語を遣わなくてもいい。」
「ちょっと待って下さい。」
美月達の話を止めたのは百合だ。
椅子から立ち上がり叫んでいた。
「何故です?月島兄弟と協力すれば協会だって……。」
「百合!やめろ!」
百合がいい終わる前に美月がとめた。そのあと太陽が「こいつらを巻き込む訳にはいかない。」といい放って、二人共 学園長室から出ていった。
二人が出て行き室内は静まり返った。