04
「四月朔日先生、質問したい人がいなくなったので、進行代わりますね」
「ありがとう。月島君」
進行が翔から四月朔日先生に代わり、翔は席に戻った。
四月朔日先生は翔が座るのを確認してから、美月達に席の場所を教えた。
「八月一日姉弟の席は一番後ろの空いている席ね」
「「はい」」
美月と太陽は返事をして、言われた席に行き座った。
美月と太陽が座るのを確認して、先生は授業を始めた。
「それでは、教科書五十八ページを開いてください。昨日の続きをします」
「あの......先生?」
「なんでしょう?」
四月朔日先生が話している途中で、誰かが手を挙げ先生を呼んだ。それは美月だった。
「私達は教科書を持っていないんですけど、どうしたらいいですか?」
「あっ。そうだったわね」
先生の発言から予想すると、四月朔日先生は美月達が転校してきたばかりで、教科書を持っていないことを忘れていたようだ。
「八月一日姉は若葉さんから、八月一日弟は月島君から見せてもらって。
お願いね、若葉さん、月島君」
「「はい!」」
先生がお願いすると、翔と若葉さんって言う人が返事をした。返事をしたことを確認した四月朔日先生は、授業を再開させた。
それから美月は授業に集中して先生の話を聞いていたが、誰かが美月に話しかけてきた。
「八月一日さん」
声をかけてきたのは、美月に教科書を見せてやるように先生に頼まれていた若葉さんと言う人だった。
「私は、若葉 紅葉〔ワカバ クレハ〕。自己紹介をしていなかったからしておこうと思って。よろしくね、八月一日さん」
「よろしく、若葉さん。弟も八月一日でわかりにくくなりそうだから、私のことは美月って呼んで」
「そう、わかった。じゃあ、私のことも紅葉ってよんでいいよ。あらためて、よろしくね、美月」
「よろしく、紅葉」
美月は新しい友達がこんなに早く出来るとは思っていなくて、とても嬉しそうだった。
そんな美月と紅葉が話しているのを太陽と翔が見て二人も話し出した。
「僕の自己紹介は必要ないよね」
「はい」
「敬語じゃなくていいよ。どうせ、長い付き合いになりそうだし。よろしく、太陽」
「よろしく・・・」
翔が言う長い付き合いというのは、vampiroのことだろう。
「何故、僕たちに気づいた?」
「兄さんに教えてもらったんだ。今日、僕たちの同胞がこの学園に転校してくるって」
「その兄は、誰から教えてもらったんだ?」
「多分、学園長だよ。兄さんは生徒会長をやっているからね」
太陽は学園長という言葉を聞いて、「百合、誰にも教えるなと言ったのに」と呟いていた。
呟いていた内容は、翔には聞こえていなかったようで「何か言った?」と聞いて来た。太陽は「何でもない」と言って授業に集中した
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黒猫