02
「キャァァァァァァーー」
廊下にいる生徒達が騒いでいる。
双子が学園の廊下を通る度に男子生徒も女子生徒も嬉しそうに「噂通りだ。かっこいい」や「早く友達になりたいな」「早く話したい」など話している。
「教室に入って席に座りなさい。転校生を紹介するから」
『はーーーい』
生徒達は話すのを止め急いで席に座った。双子の名前を早く知りたいらしい。
1年C組の担任 四月朔日 ひな先生は生徒達が席に座ったのを確かめると転校生の紹介を始めた。
「転校生を紹介する。八月一日姉弟j自己紹介を」
「私は、八月一日 美月です」
「僕は、八月一日 太陽です」
「「よろしくお願いします」」
さすが双子、息がぴったりだ。
先生が「八月一日姉弟に質問したい人いる?」と聞くと、ほぼ全員の生徒が手を挙げた。みんな八月一日姉弟に質問がしたくてうずうずしているようだ。
「八月姉弟、たくさんいるけど大丈夫?」
「はい、大丈夫です」
答えたのは美月だ。
返事を確認した四月朔日先生は生徒達に「じゃあ、右端の人から順番に質問してください」と言うが、生徒達は一斉に美月達2人に質問する。
「静かに!順番にって言ったでしょう。月島くんに進行を任せるので彼の指示に従って下さい」
『はーーーい』
生徒達が返事をしたのでわかってもらえたのだろう。だが、四月朔日先生は心の中で(月島君の方が生徒達に言う事を聞かせられるなんて私、教師失格だ)と落ちこんでいた事は生徒達は気づいてなかった。
「お願いね、月島君」
「はい」
頼まれた月島 翔は返事をし、前に出で来て双子に自己紹介をした。
「僕は、クラス委員をしている月島 翔。よろしくね」
「「よろしくね、月島君」
『翔でいいよ。vampiro同士 長い付き合いになりそうだからね』
『……!』
翔は双子にしか聞こえないように声で言った。双子は声や表情には出していなかったが、驚いていた。
双子は、自分達と同じ仲間がクラスの中にいる事は気づいていた。だが、気づかれるとは思っていなかった。
vampiro=吸血鬼
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黒猫