第一の主人公
この物語は、タイトル通り、群像劇です。今回は結構おもしろ目に書くつもりなので、ご期待してください!
雨が俺の肩にあたった。
今日の天気予報は降水確率が低かったが、念のためと思って傘を持ってきておいてよかった。
周りの人たちは頭の上を手で覆い、小走りで建物に向かっていく。
小鳥の鳴き声が街に響いたが、それは歩行者用の信号が青色になった音だった。
俺は、何の気なしにその辺りを歩く。そんなことは、俺の中では日常茶飯事で、この街の誰も知らないような近道も知っている。
「おいおい、大丈夫かよ。これ」
そろそろ帰ろうと思い、一番の近道を通ろうとすると、人が倒れている。俺と同い年ぐらいで、メガネをかけており、いかにも優等生なやつだった。
「たす………、けて……、くれ………」
「………………ま、いいか」
倒れている奴を担いで、早歩きで道を通り過ぎていく。今回は、近道よりも人目につかない道を選んで通った。こんな、血が出てるやつを担いでいる男なんて、不審者通報されてもおかしくないからな。
「おい、ついたぞ。とりあえず怪我してんなら治療するぞ」
「………………………」
「大丈夫かー?」
いくら呼びかけても反応がない。意識を失ったということか。見た感じ、頭からしか血が出てないみたいだし、包帯巻いておくか。
「よっこいせ、っと。ったく、今日は厄日か?」
倒れていたやつを俺のベッドに寝かせてやり、俺はリビングのソファに寝転がる。これでこいつが何かヤバいやつだったら、俺は何か関係があるのか。とか色々考えているうちに、眠気が襲ってきた。まだ六時ぐらいなんだけどな。
今日は、もう寝よう。
『もっと考えて動きなさい。あなたに振り回されて、こっちは迷惑なの』
意識が落ちる瞬間に高い女性の声が頭の中で響いた。
やっぱ今日は厄日だ。
「んぉ……………」
何か強い振動が来たと思って体を起こしたら、上半身が頭から床に激突していた。あいつだけじゃなく、俺まで頭を怪我したらたまったもんじゃない。
あいつは目が覚めているのか気になり、寝室に行くと上半身を起こしてぼーっとしていた。
「あんたが、助けてくれたのか?」
「おう。朝飯食べるか?」
「………お願いする」
俺は頭をかきながら一つため息をつき、キッチンに向かった。今日は何にするか、冷蔵庫を見てみると、ハムとチーズが目に入ったから、トーストにハムとチーズ乗せて、ハムチーズトーストにしよう。
俺の家にある家具は大体、実家から持ってきたもの。俺の両親は、もう施設で暮らしてるからな。
「できたぞー。つってもトーストにハムとチーズ乗せただけだが」
「………いただきます」
「いただきます」
途中で、コーヒーがあったほうがいいかと思い、コーヒーを持ってきた。俺はミルク派だが、一応こいつ用のはブラックにしておいた。
「食べてる最中で悪いが、お前、なんであんなところで倒れてたんだよ」
「………俺は、実家は結構裕福な家なんだ。だが、両親が死んで、親戚たちに追い出された」
要するに、遺産相続で邪魔になって追い出されたということか。裕福な家ってのはそういうのが多いって聞くし、坊ちゃんでも大変なんだな。
まぁ、だとしてもあんな路地裏になんていきつかないと思うが………。
「そうか。だとしたら住むところないよな。どうするんだ?これから」
「どうするかなんて決めてないに決まっている。追い出されたんだからな」
「あ?」
こいつ、俺と正反対だ。
こういう、さらっと人をイラつかせる言葉は、俺はすぐに感じ取って喧嘩になったことなんていくらでもあるからな。
しょうがないからここに住ませてやってもいいと思ったが、俺の性格的にこいつと同居は無理だな。無理。
まぁ、だとしても流石に一人にさせるのもなぁ………。
「お前がよかったら、俺ん家住むか?って言っても、お前がもう一人で暮らせるようになるまでだが」
「……………いいだろう。俺は滝池蒼真だ。お前は?」
「俺は飛間緋月。よろしくな!」
俺が蒼真の背中を思いっきり叩くと、蒼真は少し咳き込んだ。「あ、わり………」と謝ったら、蒼真はなんでかはわからないが急に笑い出した。
やっぱ、俺とは合わないやつだ
ちなみに、ハムチーズトーストは私の好きな料理?です。朝、たまに食べてます。




