表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/5

神獣、そして不穏。

学校への道を、私はせっせと走っている。

心地よい風に、髪が靡く。


舗装もされていない、田舎の道路を走る。

進行方向には、奇妙なダンスをしている幼馴染、石田るるが居た。

右手をあげ、左手をタコのように動かし、左足は側溝の中へ。右足は90度横へと。

それならばまだ良い方だ。

彼女は今日の朝、一時間も校庭を走り、先生に叱られても元気でいる。

一足す一を未だ五と言う、奇行製造機のような事を平気でしでかす。

そのおかげで、彼女のあだ名は「ポジティブなバカ」である。

因みに、彼女は、身長七十七(センチメートル)

彼女はどうやって高校に受かったのだろうか。

「おーい、るるー! 学校遅れるよー!」

彼女は後先考えない性格のため、「大丈夫だから先行っててー!」と返してきた。

だが、彼女は不思議と皆勤賞を獲得している。

多分、バカは風邪をひかない。というやつだろう。

私は、また走り始める。

見渡す限りの畑。見飽きた通学路。

ふぅ、ふぅ。私は荒い息を吹き出し、校門へとたどり着く。

急いで下駄箱から上靴を取り出し、それを履く。

教室に入ると、るるはもういた。

……一体、どういう技術を使ったのだろうか。

さて、HRが始まった。

今日は何について話すのだろう。

自分を見直す機会だとか、そういうどうでもいい話をするのだろう。

……黒板に書かれた題材テーマ(題材)は__

殺し屋(マフィア)について。

「とても、重大なことです。」先生はこう言って、チョークの先でトントン、と黒板を叩く。

先生が、一人の男の写真を貼る。

その男は、和装で、私たちから見る方の右目を、紫色の髪で隠し、それを後ろで小さく縛っている。

殺し屋(マフィア)の一員の〈黒虎〉こと、百九人殺しの杉浦人志が、この周辺で目撃されました」

あたりが騒然とする。

「皆さん、静かに。」

先生の淡々とした声が響く。

「杉浦は、黒い刀身の刀を使います。その刀はおよそ二(メートル)にも及びます。つまり、近づいてはいけません。不審者を発見した際は、絶対に警察に通報するように! 以上で、今日のホームルームを終わります」

__時は進み、下校時。

下駄箱で、るるが例のダンスを踊っていた。

その隣に、謎の生物。強いていえば、紺色の犬のような生物が堂々と座っていた。

るるには見えていないようだ。

では、なぜ私に見えるのか。

それは、私に能力があるからだ。

瞬間移動(テレポーテーション)

その名の通り、行ったことのある場所に移動が可能。

そして、それ以外も能力者は複数いる。

その力は、どこから出て来るのか?

それは、神獣という常人には見えない生物からだ。

そして、少なからず能力者と神獣の間には、魂のつながりがある。

だから常人で変人のるるには見えない。

私は、犬を呼び、抱き上げた。

周囲から見れば幻想に支配された人間のように見えるだろう。

私は、急いで裏路地に行き、自分の家前へと移動した。

あくまでも私は普通の人間でいたい。

靴を脱ぎ、自室へと急ぐ。


__とある高層ビルの最上階にて

「……神獣が、ついに見つかりましたね」

「だが、小娘に保護されてしまったねぇ……これは困る。」

「おや! 良い人がいるじゃないか。」

「杉浦、ですか?」

「正解だよ。今すぐにでも派遣してねー。」

「は、仰せの通りに。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ