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プロローグ 遅刻魔

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 季節外れの(さざなみ)の音。

 漣掻き消す蝉の声。

 陽に照らされた浜辺には、

 映し出された2人の影が並んでいた。


 目から光を感じる。ザザーという漣の音。柔らかい砂のようで暖かい地面。

「ここは夢の国かぁ〜」

翔輝(しょうき)、寝ぼけてないで早く起きなさい!」

目を擦ると母親がカーテンを結んでいた。布団を跳ね除け時計を見ると、もう家を出なければいけない時間だ。

「ヤバいヤバい!新学期初日から遅刻はシャレにならない。」

着替えを1分で、朝飯を5分で済ませ、家を飛び出る。徒歩10分の駅まで5分で走り電車に乗る。

5駅乗り、降りたらまた走る。バスにギリギリ間に合うと小休憩だ。

バスから降りるとまた走る。

この遅刻ギリギリ生活を繰り返していると、碌に運動もしていないのに体力がつく。

校門に駆け込み昇降口へ向かうとすると、昇降口には白い紙が貼ってあった。今日は新学期。つまり、クラス発表があるということ。クラスを確認する時間を考えてなかった。

「俺は何組だ?」

苗字の「山田」がある列を探す。俺は一組か。

下駄箱に駆け込んだ時、チャイムが鳴り始めた。うちの学校ではチャイムが鳴り終わるまでに席に着かなければ遅刻扱いになる。チャイムは約1分。それまでに2階の2年1組の教室に入り、席に着かなければ!


「ふぅ、ギリギリ間に合った。」

「翔輝危なかったねー。今日遅刻したら職員室呼び出し&反省文だったかもよ?」

俺の前に座っているコイツは森山和也。一年からの友達だ。俺の遅刻癖をいつもからかってくる悪趣味なヤツだ。俺だって好きで遅刻してるわけじゃねーつの。

「うるせぇな。それにしても最初だったから席が名前の順で助かった。」


 教室のドアが開き、先生が入ってくる。

「おい山田!初日から遅刻気味とはどういう神経してるんだ?もっと高校2年生としての自覚を持て!」

うっわ、今年の担任、よりにもよって生徒指導部の岩田じゃん。今年遅刻できねぇ。

「今日は初日だが、今日からお前らは高2だ。後輩もいる。その自覚を忘れるな。」

クラス全員が元気のない返事をした。


 初日は教科書配布や、書類の提出。簡単な掃除程度で終了した。

「ねぇ翔輝。今年は可愛い子入ってくるかな?」

「知らないし、お前はそろそろ女子全員に殴られろ。」

そういえば1年生は今入学式をやっているんだったな。俺らもこないだまでは1年生だったんだよな。感慨深い。

 和也と別れ、家に帰る。夕飯を食べて風呂入って寝る。

 今年は絶対に遅刻しないと誓って。

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