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1話 『転生』


この世には決して避けられない’’運命’’というものが存在する


深夜0時、借りていたDVDを返そうとT◯T◯YAに向かっていた長志 零斗は、突然通り魔に刺された。


気づくと俺は白く巨大な球体の中で目を覚ました。


「ここは……あの世かな」


頭痛が酷い。意識がもうろうとしている。


「わあ! 久しぶりの人間!! 今日は運がいいわ!」 


機嫌良さげに、背中に翼の生えた女性が近づいてくる。


「ようこそ、ここは、ホテルMEIKAIのパチスロブースです! 私はここの管理をしているベネットです。 君は死んじゃったからこれから転生の手続きをするよ〜〜」


《少し話を要約》近づいてきた女性の名はべネットで、ここの管理をしている神様だ。彼女が言うには、ここは死後の世界で、この施設は生き物を転生させるための手続きを行う場所だそうだ。 希望すれば地獄へgoすることもできるみたいだがそこへ行くものは滅多にいないようだ。ちなみに、天国というのは地球での迷信らしい。


「ちなみに、地獄っていうのはどのような……」


「地獄は神が望むがままに暮らしている場所【神界】。神界というと聞こえがいいかもしれないけど、堕落した神が好き放題やってる無法の世界よ。その中に人間1人放り込まれたら、どうなると思う? 1100年くらい前に来た人間が地獄を選んだんだけど、未だに悶え苦しんでるかもね〜。君はどうするの〜?」


「っ…………」


そこには想像もできないほどの恐怖があるのだろうか。喉を締め付けられるような思いだ。


「それが嫌なら転生ね。きっと良い世界に転生できるわ。とはいっても、どの世界に行くかはランダムなんだけどね。どのような世界に行くかはこのルーレット(パチスロ)を回さないとわからない。もちろん神の私でさえもねぇ〜」


パチスロ? が目の前に浮かび上がってくる。


「この3つのルーレットを1度ずつ引いて異世界に行ってもらうわ。

 [ワールドのパチスロ]、[召喚のパチスロ]、[スキルのパチスロ]、

この三つがあるから、どれから先に引いても構わないわ」


「スキルってなんのことですか?」


「まぁ魔法と似たようなものだけど、唯一魔法と異なるのは、魔法は頑張れば習得可能だけど、 それができないのがスキル。興味があるなら最初に引いてみたら?」


俺は最初にスキルのパチスロを引いた


スキル名 『???』


「まれにレアなスキルを入手した場合、まだレベルが0だからわからないの。 転生してレベルを上げればわかると思うわ」


「へ〜〜」


次に何気なくワールドのパチスロを引いた


『アストラルワールド』


「これは…… あなた相当運が悪いのね……」


「え……?」


「まあこの世界のことについては神の禁止事項で話せないけど……早くレベルを上げたほうがいいわよ」


「そんなにヤバいところなんすか?」


「言ったでしょ私からは何も言えないのよ。実際に行ってからのお楽しみ〜。さあ、最後のルーレットを回して」


最後のパチスロを引いた。 その瞬間5、6歳くらいだろうかそのくらいの子供?が現れた。


「……えーっと、子供?」


「失礼な、僕は運の神、『パチャイカ』さ」


えっへんと腰に手を当てながら話している様子は神と言うよりどう考えても小さな可愛い幼女である。


(運の神……? あまり強くなさそうだな……)


「よーし神様、さっさと新しい世界に送ってください」


「ちょっとー! 無視は良くないよーーーーー!」


「俺の守護神になるなんて運が悪いですねぇ。(笑)」


「もー! 僕はこう見えても四第神のうちの1人なんだよ!!」


「えぇ〜 本当にすごい神なんですか? (笑)」


「本当だもん!」


(パチャイカ様は偉い人だよー、人間さん。汗)


「ねーねー、何をヒソヒソお話してるの?」


「い。いえ。パチャイカ様! よくお越しくださいました! 本日はどのようなご用件でしょうか。わたくし、ベネットに何なりとお申し付けください」


「さっきと態度がちがんっっ!」


ベネットに口を抑えられてしまった。


「そんなんじゃないって! 召喚されたからいるんだよ!!!」


「召喚? まさかぁ……」


「うん。そのまさかぁ〜! 四第神である僕を呼び出すとは、君相当運いいね!」


「え、本当にすごい神なんですか?」


……もしかして俺、まずいことしちゃってた?


「パチャイカ様は神界第三層を統括されている神様です。本当にすごいかみさまなんです!」


「ねぇ本当ってぇ、いったでしょー……? でも今は召喚された立場だからね、 とやかくはいわないさ、 それよりいまは、僕のかわりに第三層の管理をしてくれる神を探さないと! そこでなんだけど…… よかったら君が第三層、管理してくれない?」とベネットの方を向きながら言った。


「え!? わたくしがですか!?」


ダラダラしたいのに……


口には出てないがとてもだるそうにしている。


「そうだよ、君なら強さは申し分ないし、他の四第神には僕から言っとくからさ、ね! お願い!!」


と言って手を合わせて懇願する神様。


「少しの間考える期間をください」


「まぁそんなに急ぐことないからゆっくりでいいよ」


「了解しました。 ところで、そのまま異世界に転生されてもいいのですが、この世界は数ある世界の中でも、特に危険な世界となっております。 魔法やスキルの感覚をマスターしてからの転生のほうがよろしいかと思います」


「そうだね」


ベネットは魔法を唱え僕たちを違う空間に移動させた。


「ここでは好きにスキルの確認や魔法を使っていただいて大丈夫です。 この地形は実際にこれから転生するアストラルワールドの森を再現した場所です。 私は、上から見ていますので存分に暴れていただいていいですよ」


木の葉が生い茂っていて、太陽の光が届いてこないのか、薄暗く不気味な森だ。


「コラム大森林、レベルの高いモンスターが多く生息する地上の森を再現したんだね。普通の人なら秒殺される森のはずだけど……ベネットは何を考えてこんな危険な森にしたんだろう。まあいいや、僕がいるからにはそんな簡単にやられはしないさ。たとえ万が一死んだとしてもベネットの空間内だし蘇ることができる……はず……」


「怖、ちょっと間があるんですけど、パチンコ様?」


「パチンコじゃないよ!!! パチャイカだよパ チ ャ イ カ 気をつけてよ全く」


そう言い少し頬を膨らませたその美少女は神には消して見えない


「まずは何をすればいいのかな、四第神の一人パチャイカ様??」


「とりあえず、まだ君は経験値が足りないから僕の力を少し貸すよ。 手をだして?」


俺は、言われた通りに手を出した。


「手の甲に印が書いてあるでしょ? 僕のは銀色、君のは赤色だね! これが召喚契約の印。いいかい? この印に力を込めるんだ、君と僕の繋がりをより強くイメージして!

他は何も考えずに。そして僕が今と言ったら僕に合わせてアブソルート コントラクトって唱えて」


俺は、集中を研ぎ澄ませるために目を閉じ意識を印にこめた。


(繋がり・・・強く、もっと強く)


「後ちょっと! その調子!」


血液とは違う何かが体を駆け巡る


「今!!!」


『アブソリュート コントラクト!!!』 突然の強い光に思わず目を閉じる。


光が消えると手の甲の印がパチャイカと同じ白銀色に変わっていた。


「これで僕の力を一部、共有できるようになったよ。 試しに、水魔法アクアボールを使ってみよー。頭の中で水の塊を想像して、そして放つイメージ」


「えーと……こう?」


水滴を大きくしてその水滴をたくさん集めて密度を高める。


「いいくらいだね。じゃあ、あの木にめがけて!」


水の塊が奥に放出された。


「そうそう、そんな感じ。少し感覚は掴めた?」


「うーん、まだ完璧じゃないかな」

 

「まぁ、この空間では時間の概念がないからね。 コツをつかむまではゆっくりすればいいよ」


俺は、何度も何度も魔法を打ち続けた。火炎魔法から光魔法までいろんな魔法を試した。


「大体感覚は掴んだかな....」


「じゃあそろそろ行く?」


「うん」


「だって~、ベネット〜」


「零斗様、だいたい魔法の感覚を掴んだみたいですね。このくらいなら向こうの世界でも生きていけますね!!!」


「それでは転送装置’’OYAGATYA’’の準備をしますね」


そういい、ベネットは転生者を新世界に転送する秘術’’OYAGATYA’’の詠唱を始めた。


地面にカプセルのような模様が現れる。


「では、これから転送を始めます。零斗様、パチャイカ様、中央部に立ってください。それでは準備はよろしいでしょうか?」


『バッチリ』


「ご武運を」


そう言ってベネットは’’OYAGATYA’’を起動させた。模様が光を放ち体の隅々を包む。




「きて……起きて…起きて、零斗」


「う...うっ..ここは?」


目を覚ますとベッドの上で寝ていた。見渡すと一人では大きすぎる部屋に高そうな机や家具なんかがある。


「うまく’’OYAGATYA’’が成功したみたい」


「ここはどこなんだろ」


「多分だけど....貴族の家に転生したのかな? まずは現状を把握しなきゃだね」


「とりあえず、部屋から出よう」


部屋の扉を開けようとした瞬間、


「わあぁ!!?」


急に扉が開き、家族だろうか若い男の人が、驚いたような顔をして入ってきた。


「おお、目が覚めたのか! 弟よー! 大丈夫なのか? 木登りをして頭を打ったそうじゃないか。気絶して全然目を覚まさないからから心配したぞ!!」


どうやら、転生する前の、体の持ち主の兄だったようだ。


「あっ...あぁ..お兄様、大丈夫です。どのくらい私は寝ていたんですか?」


「丸2日寝ていたよ、流石に死んだのではないかと心配したぞ。体の調子はどうだ?」


話していると、白い髭をはやした、いい年の取り方をしたような雰囲気のおじさん? と、きれいで優しそうなお姉さん? それと、転生前の自分と同年代くらいのきれいな女の人が扉を急に開けて部屋に入ってきた。


「レートが寝てるんだぞ! あまり騒ぐn?! …おお、意識が戻ったか、レート!」


とおじさんが喋る


「?????」


「顔色が悪いわね。調子悪いの?」


若い女の人が喋る


「いいえ、そんなことは」


「なら元気ってことだな!! じゃあ俺と剣の稽古に行くか!!」


え!?いきなり!?嘘でしょ……


「えぇー! 兄さぁーーん!!」


兄に腕を引っ張られ部屋から連れ出される。


「今日は……運が悪い」


(^¥^)

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