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俺はまだ次期魔王なんだが

前回までのあらすじ

ブラコン妹と言う設定を忠実に守るために

メイドのコスプレをして日和と愛南を迎える

オシャレしてきた2人と写真を撮ろうとしたのだが

飛月も画角に入ってしまいフォアショットになってしまう


「(おいおい、これやばいだろ。いつもの悪ふざけならともかく一発勝負の写真に関係のない飛月が映るなんて……こいつ何を考えて)」

 シャッターを切ってしまったカメラを震える手で握り、焦りながらも抱き付いて来た飛月の方を振り返り問いただそうとしたが、それよりも早く日和たちが飛月を問い詰めていた。

「ちょ!? 飛月ちゃん!? なんで王真に抱き付いてんの!?」

「そ、そうですよ、それにこれはわたしたちの仲直りにと王真君が提案してくれた3人の写真なんですよ」

「マーキングですよ」

思ってもみなかった飛月の言葉に2人は戸惑いながら首を傾げていると飛月は何も動じることなくいつものように淡々と続ける。

「私のにに様と御二人は随分と仲がよろしいようなので、牽制の意味も込めましてマーキングをさせていただきました。何せ私はにに様のことが…………大好きですから」

 飛月は意を決したかのようなタメの後に余裕綽々のにこやかな笑顔でそんな心にもないことを言いきった。

 それを合図かのように3人は言い合いと言うか謎の張り合いが始まった。自分は一緒にどこへ行ったとか何をやったとか自分の方が~とか、そんな3人の姿を見ながら、これからどうすればいいのかと途方に暮れながらカメラを見つめていると現像された写真がヒラリとカメラから落ちる。

 拾い上げて見てみるとそこには俺を含めて驚くほどに楽しそうに映る4人の姿があった。

「(飛月の奴キャラの設定とは言え随分と楽しそうな笑顔だな。普段は気持ちが悪いだとか言ってるのにこんな笑顔で抱き付いてきて、更には大好きだとか、よくやるなぁ)」

 完全にブラコン妹になりきっている飛月に感心しながらもあまりにいい写真に思えたのでもうこれでいいかと思えてくる。

「(これじゃあまるで飛月が俺のハーレムの一員みたいに見えてしまうが、まぁ撮り直しが出来ない以上しょうがないか、一緒に試験を受けた仲なわけだし、一緒に写っていても問題は無いはずだ……たぶん)」

 もうどうにでもなれと半ば投げやりな気持ちでこのフォアショットの写真を魔界に送ることに決めた。

 もし駄目だったとしても正体がバレて死ぬまではこいつらと一緒にこっちで過ごせるわけだし、そんな生活も悪くないかと思いながらこっそりと自分の部屋に入り1ヶ月の試験の報告レポートを書き始める。

 試験の報告レポートだというのに思いのほか筆が進みあっと言う間に書き切ったのは思い出を振り返った日記のようになってしまったからだろう、何より嫌々のはずが楽しい思い出ばかりだと今になって気づいてしまう。

 なんだかんだ言ってもいい奴らに恵まれたんだなと思っていると、そこでようやくリビングの方が賑わっていることに気づく、それは明らかにさっきまでの言い争いとは違う様子だったので、避難していた俺はこっそりとリビングの様子を見るために僅かに部屋の扉を開け隙間から覗き込む。

 驚くことに和解したのか仲良さそうに笑いながら話している3人の姿がそこにはあった。

 ホッとしつつも何を話しているのか気になり聞き耳を立ててみる。

「にに様は昔から鈍感なのですよ、本当に私がどれだけ──」

「わかる! 王真ってわざとやってるんじゃ、ってくらい気づいてくれない」

「わたしも王真君とはもっと仲良くなりたいのに壁がある感じで」

ガールズトーク的なことで盛り上がっているのかと思いきや、残念なことに内容は俺の鈍感なところなどの嫌いなところや直してほしいところの話題で盛り上がっているようだった。

 いや、まぁ、それで仲良くなれるならそれはそれでいいかと思いつつも、複雑な気持ちを抱えながらゆっくりと扉を閉めて部屋の机へと向かい再びペンを握った俺は率直な今の気持ちを書き綴った。

「『これでも俺は次期魔王なんだが……』っと」

                                     終わり


ここまで読んで頂きありがとうございます

書き始めた当初からとりあえずここまではと思っていましたので

自分の中では達成感があります

欲を言えばもう少し書きたかったのですが色々と数字が伸びず

完全に自分の実力不足を痛感しました

それでもつたない物語にここまでお付き合いくださった方々には

とても感謝しています

本当に応援のほどありがとうございました。

もしまた新野 正を見かけることがありましたらその時も

応援のほどよろしくお願いします。

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