表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

35/36

フォアショット

前回までのあらすじ

飛月のやや強引ともとれる作戦が功を奏して

日和と愛南を仲直りさせることに成功し

その証に3人で写真を取ることになって

2人を王真の自宅へ招待することになる


 ハーレム作り、期限最終日。

 ついにこの日がやって来た。

 人間界にやってきて約1ヶ月。

 長いように見えてあっという間だったな。

 そんな感慨にふけりながらも俺はリビングで1人、日和と愛南を待っていた。

 飛月は朝食の後から自分の部屋に籠ったまま全然姿を見せないので、またなにか企んでいるんじゃないかと思い、飛月を呼ぶと部屋のドアが開いて中から出てくる。

「なんですか、にに様?」

 飛月の私服と言うか部屋着はラフな服装が多いんだが、部屋から出てきた飛月の服装は何故か、メイド服だった。

「なにしてんだ?」

「はい? 私はただ立っているだけで特になにもしていませんが」

「いや、その服装、おかしいだろ?」

「おかしいですか?」

「日和と愛南がもうすぐ来るんだから、いつも通り普通の服で――」

「あの2人が来るからこそこの格好なのです。ブラコン設定を忘れましたか?」

「ブラコンとメイド服になんの関係があるんだよ?」

「設定としては兄ことが大好きな妹が、兄の趣味でメイド服を着せられている(強制的)と言う設定ですけど」

「その設定だと、妹にメイドコスプレを強要してる変態の兄が生まれてしまうんだが?」

「『変態兄貴とブラコン妹』どうですか? いい組み合わせだと思いませんか?」

「俺ならそんな組み合わせの兄妹とは絶対に関わりたくない」

「わかりました。仕方ありませんね。そこまで言うのでしたら、スク水に着替えてきます」

「メイド姿でお願いします!」

 仕方がないとはいえ頭を下げてメイド姿でいてほしいと懇願する情けない兄が生まれてしまった。

「頭を下げてまで妹にメイドコスプレをさせるなんて変態ですね」

「(もうこれ脅迫だろ)スク水であの2人の前に出られるよりは数段マシだ」

 そんなやり取りを終えるとインターホンが鳴り、外へ出ると日和と愛南が立っていた。

 メイド姿の飛月に関しては、飛月自身の趣味とでも言っておけばいいだろうと思い、とりあえず2人を中に入れる。

「うわ~、ここが王真の家か~、アパートって聞いてたけど、意外と広そう」

「掃除も行き届いていてすごく綺麗ですね」

 そんな日和と愛南の感想を聞きながらリビングに案内する。

「御二人ともお待ちしていました」

 そう言ってメイド姿で頭を軽く下げる飛月を見て、2人の反応は当然固まる。

「王真、これは……」

「もしかして、王真君が?」

「違う違う、これは飛月の――」

「そうです、にに様が私にそんなことをさせるはずがありません。にに様はとても心が広く綺麗なお方ですから、ちなみにこれは全く関係のない話ですがにに様はいつもメイド物のDVDを見ています」

 最後の最後で余計なことを――。

 メイドは好きだけど、別段メイド萌えってわけじゃない。

 そんなことを思っている間にも日和は疑いの眼で、愛南は不安そうな眼で、俺を見てくるからなんとか話を逸らそうとする。

「そ、それより、2人とも今日はいつもより服装がオシャレだな」

「ふふ~ん、そうでしょ、ちょっと頑張っちゃった」

 ご機嫌な様子でそう言う日和の服装は少し大きめのTシャツにホットパンツというシンプルな組み合わせで、特別オシャレと言うほどではないように見えるが、日和は普段から動きやすいように機能性重視の服装(主にジャージの上下かスポーツブラとスパッツ)を好んで着るので、今日の服装は日和的にはかなりオシャレと言える。

「王真君にそう言ってもらえてすごく嬉しい」

 お淑やかな笑顔を浮かべる愛南の服装は、水玉模様の丈の短いワンピースにピンク色の可愛い肩掛けポーチを斜めに掛けている。本当の愛南らしい可愛い服装だ。

「……私が聞いた話では仲直りのために写真を一緒に撮るだけと言う話だったのですが、それにしては随分な気合の入り用ですね?」

 飛月は日和と愛南に向けそう言うが、日和と愛南は飛月から目を逸らす。

「まぁ、深くは追及しませんが、にに様、御二人にも色々と用事などもあるでしょうから早めに済ませてあげたほうがよろしいのではありませんか?」

「それもそうだな、それじゃあ早速写真を撮るとするか、飛月撮ってくれるか?」

「いえ、私は写真を撮るのが下手で、すぐにブレてしまいますから、ここは自撮りの感覚で撮るのがいいと思います」

 初耳ではあるが魔族に写真を取るという風習はあんまりないからな。おかしい話でもないか、そう言うことなら仕方がないので、日和と愛南に近寄ってもらって両手に花と言う感じの立ち位置を取り、魔界用のカメラを構える。

 2人の距離が近いのですごく緊張しながらもボタンに指をかけてシャッターを切る直前、飛月が俺の背後から突然抱き付いてきたんだが指を止めることはできずにシャッターを切ってしまい、写真の構図はスリーショットではなく完全にフォアショットになってしまっていた。


ここまで読んで頂きありがとうございます

次話で一区切りとなります

楽しく書かせて頂きました

本当にありがとうございます

日曜日に投稿予定ですのでよろしくお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ