デートの食事代、男が出すか、女も出すか
前回までのあらすじ
危うく日和と愛南が鉢合わせるところだったが
上手く回避し愛南のショッピングに付き合う
ショッピングを終え愛南のことを飛月に任せ
待っていた日和とファミレスに入った
店内に入り4人用の席に向かい合って座り、メニュー表を見て食べたい物をお互いに決めて注文し、しばらくすると料理がテーブルの上に並べられた。
俺が注文したのはハンバーグランチ(昼に食いすぎたので控えめ)、それに対して日和はナポリタン、カレー、オムライス、エビフライとコロッケセット、大盛りフライドポテトの計5品およそ2000キロカロリーは超えているであろう料理が日和の目の前に並べられている。
「わぁ~、美味しそぉ~」
目を輝かせながら、両手にスプーンとフォークを持ち準備万端と言った様子。
「確認だが、それ全部1人で食べる――いや、食べきれるのか?」
「え? そうだけど……、あっ、欲しいのあったら1口あげるよ」
「いや、遠慮しておく」
日和の様子から見てあの馬鹿とは違ってちゃんと食べきる確信があるようだけど、本当にこんな量を1人で食べきれるのか?
「……もしかして、これだけ食べるのって、女子的に変?」
「まぁ、正直に言わせてもらえば、女子じゃなくても変なレベルだな」
あの量なら飛月が摂取する3日分の総カロリーぶんくらいはあるだろう、つまり飛月の3日分の食事をたった1食で食べきるのだから、普通に変だ。
「そ、そうなんだ、――これでもちょっと抑えたのに」
「(これで抑えたのか!?)」
最後のほうは小さく呟いた程度だったが聞こえてしまい、心の中で突っ込みを入れる。
「……日和はよく食べるんだな」
「だって、お腹すぐ減るし、たくさん食べたほうが幸せだし、成長にいいと思って」
まぁ、日和は運動大好きだし、食べた分はきっちり消費しているんだろうな。
そうじゃなきゃ、これだけ食べているのにこのスタイルはおかしい。飛月(こっちの世界限定)や愛南と比べればスタイルがいいって言うわけじゃないが、明らかに体重は平均よりも軽いほうだろう。
「ねぇ、ウチみたいにご飯をたくさん食べる子ってどう思う?」
「俺の意見なんてなんの参考にもならないと思うが」
「いいから、王真がどう思うのかが知りたいの」
「普通に考えれば食べ過ぎるのはよくないんだろうけど、必要量として食べてる分にはいいんじゃねえの、まぁ、つまりは太らなければいいってことだ」
「それなら大丈夫! ウチいつもたくさん食べるけどダイエットとかしたことないし」
よく体を動かしているからカロリーが必要なのかと思ったが、日和のその言葉を聞いて元々燃費の悪い体質なのかもしれないと思ってしまう。
「王真がそう言ってくれてよかった、中学のときとか修学旅行で朝食をこれくらい食べて周りから軽く引かれたことがあってさぁ、王真にも引かれたかと思ったよ」
「いや、軽く引いたけどな」
「うぅぅ、やっぱりぃ、失敗しちゃった」
頭を抱え落ち込んでいる日和の姿がどこか馬鹿らしくて愛らしく、つい笑ってしまう。
「わ、笑わなくてもいいじゃん、ふんっ、どうせウチは大食いの変人ですよ~だ」
軽く拗ねながら舌を出して開き直ってくる。
「まぁ、たしかに変人かもな。でも運動が大好きなとこも大食いなとこもそう言う子供らしいところ全部が日和らしさなんだろ」
「ウチらしい?」
「っそ、誰でもない日和らしさ。そう言う日和らしさがあるから俺は日和と一緒にいて楽しいって感じるんだと思う」
「――っそ、そっか」
褒めたつもりだったのだけど、何故か急にしおらしくなり、顔も若干赤いように見える。
「日和? どうかしたか?」
「な、なんでもない、ドキドキなんてしてない!」
そんな聞いても無い事を急に強く宣言されてもなんて返したらいいのか正直困る。
「そ、そうだ、ご飯が冷めちゃうから早く食べないと、いただきま~す!」
日和は思い出したかのようにそう言うと、すごい勢いで食事を開始した。
日和はよく食べるだけじゃなく食べるスピードも尋常じゃない速度で、あっという間に食べ終わってしまう。
「ごちそうさまでしたっ」
時間にして30分も掛からずに完食してしまう。それにしても本当に全部食べるとはな、しかも日和の表情はかなり余裕があるように見える。
「そろそろ時間も時間だし、帰るか?」
「待って、最後に聞きたいことがあって、最近王真さぁ、急に水無瀬と話すようになったよね。あれってなんで?」
「そ、そうか? あんまり意識してないからわからないな」
「こんな噂も流れてるんだよ『王真は水無瀬をいやらしい目で見てる』って、実際のところ――水無瀬と付き合ったりしてる?」
「俺と愛南の関係はそんな関係じゃなくて――」
「愛南か、もう下の名前で呼んでるんだ」
「別に名前で呼び合ったっていいだろ、それにお前とだって下の名前で呼び合ってるし」
「それじゃあ、王真にとって水無瀬ってウチと同じくらいの関係ってこと?」
「(好感度的には日和の方が上だよな)どっちかと言うと日和の方が仲良いと思うけど――まぁ、大体はそんなもんかな」
「ふ~ん、それならよかったっ、安心したらお腹減っちゃった。すみませ~ん! バニラアイス1つくださ~い」
さっきまでの不安そうな顔は一変し、バニラアイスを幸せそうに食べ終えた日和と共に俺はレジ前で会計を済ませようとしていた。
「はい王真、これ、ウチの分の代金だから一緒に払っておいて」
「払っておいてって、こういうのは男が奢るものなんじゃないのか?」
「そんなことないよ、自分で食べた分はちゃんと自分で払わないと」
笑顔でそう言って俺に代金を渡してくる日和を見て、改めて良い奴だと思った。
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