女の子と走馬灯
気がついたら、のどかな緑の溢れた、公園にいた。周りには、誰もいなかった。
普通の遊具の多い、ただの公園。
「朱空、早く行こ」
知らない女の子がそういって、引っ張っていく。
これは・・・死神なのか?美化されすぎている、ハニトラなのか?と錯覚はしてるけど、そもそもこんな時間からするのか?というわけで、さすがに考えて置かなかった。
日陰にきて、その女の子は、色んな話をしていた。それにあわせて、何となく言葉を交わす。
「ねぇ、私、好きになったかも」
「は、はぁ・・・」
どうでもよかった。どうせ、離れていくだけなのは分かってたし。というわけで放置。
「ねぇ、キスして」
唐突すぎて、驚いたけど、何も言う気はなかった。
なぜか、急に疲れてきたし。
女の子は、朱空の顔を見つめ、口元に唇を持っていった。
そしてその瞬間、めのまえが暗くなった。
「ふぁ・・・朝かな・・・」
普通の光景。だけど、面白くなかった。
どうせ、何も無いし、楽しくもない。そんなものどうでもよかった。
たった1人の友達、蓮に会えるだけでも全然よかった。
だけど、気づいたら、1人になることも多かった。
それでも何気ないことが、何もかも楽しかった。
なぜ、あの女の子が助けようとしたのか、わかんなかった。
さっきが初見の、その子は助ける気は無いはず。
それでも・・・なぜか運命を感じた。
だから・・・
まだ死んではいたくなかった。
ダメージは向こうの方が大きいはず。
でも、もしかしたら、生きてるかもしれない。
その時は、ありがとう、と言おう。