朝のまぼろし
美しい雨が降るように、その恋は感動的で
麗しい花が散るように、その劇は幕を下ろした
できるなら終わりを見たくなかった、なんて君は言うけれど
哀しい選択や愚かな言い訳は、
男にとって、そう感じのわるいものじゃない
わがままだなぁ、なんて君は言ってたけれど
そうしちゃうのも何となくわかるんだ
僕にとってはいい夢だった
目覚めたときにそう思わせていた、
心を焦がすような胸の高まりに、妙な充実感
だいぶ落ち着いてはきたけれど、
新たな夢のもとになるだろう、おぼろげな記憶の欠片が
まるで誘うように意識の満ち引きを漂って、宙に浮かびつづけてる
ぼんやりと光り、やんわりと揺らいでる
その幻が造り出す影、過去の過ちを繰り返すその闇はいま、重さを残さず消えてなくなった
消えずにいたのは、僕の痛みを包み込んでくれたのは、
自由な想いのこもった、暖かい懐かしさの感覚だったんだ
それは僕にとって、とてもありがたい、大切な記憶と言えるもの
錆び付いた鍵の向こうでいつも、僕たちが歌っていたあの音楽
不安気に、知らないことを試しているようなその音をたどり
子供の頃、口ずさんでいた希望をつかまえた
そしていま、あの時と同じ気持ちになって、また世界を歩き始めているように思えるよ
矛盾なんかじゃなくて、もっと単純な苛立ちと
僕の在り方を決めた人に、感謝と憎しみを同時に抱くような緊張と
泣きたくなるような喪失感を捨て去って
君の生き方を守る、君の幸せを手に入れる、そのために僕は生きてゆこう
そして僕はずっと、変わらない僕であるために
もう一度強く、そう思うことができたんだ




