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朝のまぼろし

作者: PET
掲載日:2009/04/05

美しい雨が降るように、その恋は感動的で

麗しい花が散るように、その劇は幕を下ろした

できるなら終わりを見たくなかった、なんて君は言うけれど

哀しい選択や愚かな言い訳は、

男にとって、そう感じのわるいものじゃない

わがままだなぁ、なんて君は言ってたけれど

そうしちゃうのも何となくわかるんだ


僕にとってはいい夢だった

目覚めたときにそう思わせていた、

心を焦がすような胸の高まりに、妙な充実感

だいぶ落ち着いてはきたけれど、

新たな夢のもとになるだろう、おぼろげな記憶の欠片が

まるで誘うように意識の満ち引きを漂って、宙に浮かびつづけてる

ぼんやりと光り、やんわりと揺らいでる


その幻が造り出す影、過去の過ちを繰り返すその闇はいま、重さを残さず消えてなくなった

消えずにいたのは、僕の痛みを包み込んでくれたのは、

自由な想いのこもった、暖かい懐かしさの感覚だったんだ

それは僕にとって、とてもありがたい、大切な記憶と言えるもの

錆び付いた鍵の向こうでいつも、僕たちが歌っていたあの音楽

不安気に、知らないことを試しているようなその音をたどり

子供の頃、口ずさんでいた希望をつかまえた

そしていま、あの時と同じ気持ちになって、また世界を歩き始めているように思えるよ


矛盾なんかじゃなくて、もっと単純な苛立ちと

僕の在り方を決めた人に、感謝と憎しみを同時に抱くような緊張と

泣きたくなるような喪失感を捨て去って

君の生き方を守る、君の幸せを手に入れる、そのために僕は生きてゆこう

そして僕はずっと、変わらない僕であるために

もう一度強く、そう思うことができたんだ


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