水曜日と駆け引きの前段階
平和な日常回とまた駆け引きが始まりそうです。
楽しんでください。
水曜日。
一応四人のわだかまり?も無くなり、圭輔は普段通り学校に登校した。
そうすると、晴美に会った。
「おはよう、圭ちゃん」
「おはよう、晴美ちゃん」
「ボールが良いところに飛ばないの」
「テニスだもんね」
「そうなの」
「まだ上手くいかないんだ」
「そうなの。男子バレー部はどうなの?」
「まだ僕も2年目だからね。しかも弱小だし」
「そうよね。女子は強いんでしょ?」
「あぁ」
「成る程ねぇ。うちは男子も女子もそこそこ強豪だから。それはそれで大変」
「あぁ、成る程」
暫く部活談義をしていると、学校に着いた。
「紗綾ちゃんの機嫌は直った?」
「まぁ、何とか」
「そっ。それは良かった」
「?」
「じゃ、またね」
「あぁ」
そして、女子に囲まれながらクラスに行くと、
「あら、小谷君じゃない。今日もモテモテね」
「やぁ、中条さん。いやぁ、仲がいいだけだよ」
「あらあら、謙遜しちゃって。宿題はもう終わっているの?」
「うん。宿題は終わっているよ」
「そう。なら、小説の話しでもしましょう」
「うん。いいよ」
「『炎の剣』読んだ?」
「歴史小説でしょ。まだ読んでないな」
「あら、そうなの。面白いわよ」
「そうなんだ。あんまり歴史小説読まないから」
「あ、そうか。そうだったわね。ごめんなさい。推理小説が好きだったわね」
「そうなんだよね~」
放課後。部活の休み時間。
「やぁ、小谷君」
「明美さん。やっぱりボールの受け方がいいね」
「そ、そうかい」
「特に明美さんのフォームが綺麗だから、良く参考にしてるんだ」
「そ、そうかい?」
「うん」
帰宅後。
「ただいま」
「あぁ、お帰りなさい。圭輔さん。後もう少しで料理出来るから」
「うん。いつも有難う」
紗綾は笑った。
「そういう優しく女子に接するから、彼女達はおちるのよ」
「そんなこと言われても、女子には優しく接しないと」
紗綾は顔を横に振って、キッチンに向かった。
「圭君。お帰り」
「沙也加ちゃん。早いね」
「うん。まあね」
「まだ制服でいるんだ」
「制服でいるのも落ち着くから」
「家に血の繋がらない同級の女子高生がいると、彼女みたいだね」
圭輔が言うと、沙也加は赤面して、
「馬、馬鹿!」
と言い、沙也加は焦って階段を駆け上がった。
「? 何だ?」
木曜日。
「ふぁー、うーん」
圭輔は起き、制服を着、食卓へ向かう。
キッチンでは紗綾と紗綾の母好海が皆の料理を作っていた。
暫くすると、沙也加と咲が来る。
そして、料理が出来、皆で食べる。
皆はいつも美味しい食事を食べて、学校へ、仕事へと向かう。
学校へ向かって居ると、晴美に会う。
「おはよう圭ちゃん」
「あぁ、おはよう」
「総体が近いね」
「そうだな。今年は2回戦までいけるかな。そっちはどこまでいくつもりなの?」
「そりゃあ優勝よ」
「そっか。流石だね」
「そりゃあ、そうよ。それまでにはコントロールをもう少し出来るようにしないと」
「そっかぁ」
「圭ちゃんの課題は?」
「僕もコントロールかなぁ」
「そっか」
そうこう話していると、学校に着いた。
「じゃあな。晴美ちゃん」
「えぇ」
そして、圭輔はクラスに行くと、美咲が近寄って来た。
「お早う。小谷君」
「お早う。中条さん」
「中間試験が近いわ」
「そうだね」
「部活は自主練習でしょ?」
「うん」
「一緒に学校で勉強しないかしら?」
「えっ?いいの?」
「えぇ」
「それは助かる。有難う。一緒にしよう」
美咲は喜んだ。
「そう、それは良かったわ」
放課後。部活の休み時間。
「小谷君」
「どうしたの? 明美さん」
「総体が近いね」
「まぁね。けど男子は弱小だから、2回戦いけたらと思っているよ」
「そう。だから部活終わりの自主練習の時、私が少し見てあげよう」
「えっ、けど明美さん自体の練習があるだろ?」
「それは部活中に頑張ればいい」
「じゃあ、2回戦いけるように協力してくれるの?」
「勿論」
「有難う。明美さん」
こうして、部活終わりに明美が、中間試験勉強は美咲がそれぞれ見ることになった。
晴美が少し出遅れることになった形だ。
「えっ、暫く帰るのが遅くなる?」
「あぁ。総体が近いから、部活終わりの自主練をすることにした」
「気合が入っていること。今年は2回戦いけるかしら」
「まっ、それを頑張るためにするんだけど。」
「成る程」
「後、中間試験で部活が自主練習になっても、勉強して帰るから」
「学校でするの?家ですれば良いのに」
「友達とするから」
「ふーん。友達とね」
「どうした?」
「部活はともかく、勉強は程々にしなさいよ」
「どうして?」
「それは貴方が、心配だからよ」
「僕が心配?」
「とにかく、必要以上の勉強はしないこと!良い!?」
「あ?あぁ、了解……」
圭輔達が飯に向かうと、
「圭君。中間試験、一緒に勉強しない?」
「先約があるから」
「誰とするの?」
「……中条さんと」
「じゃあ、私も交ぜてよ」
「えっ?いや、その……」
「ねぇ。紗綾。私がいると安心でしょ?」
「え?えぇ、まぁ」
「じゃあ、私も付いていくから」
「はぁ。分かったよ」
圭輔は美咲にLineして、承諾を得た。
そして部活終わりは明美が、中間試験勉強は美咲と沙也加が圭輔と一緒にすることになった。
晩ご飯食べた後、圭輔はくつろいだ。
彼はのんびり本を読んでいると、紗綾が部屋に入って来て、宿題を始めた。
「ねぇ。圭輔さん」
「何?」
「ここが分からないのだけれど」
「えっ? 紗綾が? 珍しいな。どれ? あぁ、これか。これは合同の証明問題だから。あれ?何だったっけ?」
「2つの角度と角度に挟まれた一本の辺が同じだからだっけ?」
「そうそう、あれ?分かってんじゃん」
紗綾は顔を赤面した。
「もしかして、僕と絡みたくって?」
紗綾は恥ずかしくって、顔を下げた。
「んだよ~。可愛いんだから、こいつーっ」
圭輔が紗綾に肘でぐりぐりした。
「だって。私たちの趣味があまり似通ってないから」
紗綾はお互いの不安定な関係を気にしているのだ。
「う、うん」
「貴方の趣味は小説、漫画、私は画を書くか映画を見る。」
「うん」
「貴方の好きなことは読むこと。私は書くこと」
「けど食事は似通ってるじゃん」
「確かにそうね。食事はお互い美味しいものが好きね」
「そうそう」
「けど、あまり食事の話しはしないじゃない。昼食以外同じの食べるから」
「味のコメントになっちゃうからね」
「そうなの」
「まぁ、けどお互い落ち着ける関係なのは大事じゃない?これから先長く居るんだから」
「ま……ね」
「だから、僕はのんびり漫画を読む」
「けど、偶には話ししたい。女性は男性よりお話ししたい生き物なんだから」
「趣味以外の話する?」
「貴方が学校の話する時は女の話になるから嫌なの」
「うっ」
「何かないかしら」
「じゃあ、旅行するか?」
「え、旅行?」
「そんな遠くには行けないけど。観光だよ。観光。旅行は嫌いじゃないだろ?」
「そうね。観光はどっちかっていうと好きね」
「じゃあ、夏休み行くか。そうしたら、二人の思い出になるし」
「そうね。そうしようかしら」
「じゃあ、夏休みは旅行だ」
「分かったわ。楽しみね」
「その前に今の宿題しないと」
「あっけど、今年私は受験生だ・・・」
「まぁ、2日くらい大丈夫だろ?」
「そ、そうね」
こうして二人の夏休みの予定は決まったが、二人はまだその前にある行事を気にしていなかった。
最後まで読んで有難うございます。
相変わらず沙也加は素直じゃありません。
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