休日と密かな想い
今回は休日です。
休みの圭輔の過ごし方です。
楽しんでください。
紗綾に折檻された圭輔は満身創痍だった。
翌日(日曜日)。
「ふあ~、昨日は楽しかったね。圭君」
だらしない格好で圭輔の隣の椅子に座る沙也加がニヤニヤしながら言った。
「何にも楽しくないよ」
沙也加の格好をチラチラ見ながら不服そうに言う圭輔であった。
「本当にタラシでスケベなんだから圭君は」
沙也加はニヤニヤしながら言った。
圭輔はぷくっと膨れた。
「はい、ご飯出来ました」
皆の前にご飯を置いたが、圭輔だけ、卵かけご飯のみだった。
「あの、僕のご飯は?」
「しばらくお預けよ」
紗綾はぷんすかしながら言った。
「えぇ……」
朝ご飯終了後。暫くして、
「腹が減って、胃が痛い……」
圭輔が紗綾の部屋でくつろぎながら言っていると、
「私がデートしてあげよう」
沙也加が入って来た。
「また、いらんこと考えてるんじゃないだろうな」
「考えてない。考えてない」
沙也加は明るく言った。
「同級生のよしみだよ」
「ふ~ん。行く。腹へった」
二人は玄関に行くと、紗綾が言った。
「あら、二人で何処行くの?」
「デート」
「ちょっ」
「家族みたいなものだから大丈夫でしょ?」
「~~~」
沙也加がニヤニヤしながら圭輔と出て行った。
「有難う。沙也加ちゃん」
「良いってことよ」
二人は軽食を食べに、喫茶店へ行った。
「意外と二人っきりってないよね」
「うん、そうね」
「同級生だけど、意外と会わないもんね」
「そうね」
「何食べる?」
「好きな物食べよ」
「うーん、ジャムトーストにしよう」
「そうしよう、そうしよう」
「一緒に食べる?」
「食べる、食べる」
二人はジャムトーストが来るまで話をした。そして、ジャムトーストが来ると、沙也加は圭輔の隣の椅子に座った。
「どうしてこっちに来るの?」
「ん? こっちの方が圭君にちょっかい出しやすいと思って」
「ったく」
沙也加は時折、圭輔にくっ付いたりしてそれを食べた。
「圭く~ん」
「くっ付いて食べにくいんだけど」
圭輔は少しイラッとした。
「あ~ん、もう。圭君の意地悪~」
沙也加は不満そうに言った。
二人は食べ終わり、喫茶店から出て行った。
「美味しかった。有難う、沙也加ちゃん」
「いえいえ、どう致しまして」
「さっ、昼ご飯近いし早く帰ろう」
「えーっ、ゆっくり歩こうよ」
「え、どうして?」
「そりゃあ、スケベでおっちょこちょいな圭君のこと好きだから」
「えっ?」
圭輔はドキッとした。
「えっ、それは本当?」
「ぷっ。馬ー鹿っ。そんなわけないでしょ。ほら走るよ」
「あっ、待てよ」
そして、沙也加は小声で独り言を言った。
「本当馬鹿なんだから。好きよ圭君」
最後まで読んで有難うございます。
意外な人物の心情でした。
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