紗綾と仲直り
さぁ、圭輔と紗綾の関係はどうなる?
楽しんでください。
圭輔は沙也加の部屋へ行った。
「入っていいかい?」
「入っていいよ」
「どうも……」
二人は携帯をいじっていた。
「なんか凄い音してたけど、どうしたの?」
「いや、その、うん……。何でも無い」
「何でもない訳ないでしょ?話してみそ」
「……実は、紗綾を好きな男子がいてさ」
「へぇ。」
「告白されたらしいんだけど、紗綾がその子と付き合うか保留にしたらしくてさ」
「えっ?」
「そして、僕は女子とよく遊んでいるから、付き合うなと言えなかった。だから、紗綾に好きに選べと言ったら泣いた」
「……よく分からないんだけど、どうして貴方が女子と遊んだら、付き合うなと言えないの?」
「浮気みたいなことしてるから?その場の雰囲気では言えなかった……」
「……なる程」
「それみたことですか。お兄様が他の女子といちゃこらさっさとするから、こういう訳になるのです!」
「うっ……」
「お兄様。これを機会に他の女子との関係を断ち切るのです」
「……」
「さぁ、早く。そのご決断を」
「……」
「お兄様!」
「分かった。止め……」
「ちょっと待って」
沙也加は制止させた。
二人は、?となった。
「あの馬鹿にも非はあるわ」
沙也加は怒っていた。
「しかし、お兄様が女といちゃこらしなければ、このような事態すら起こらないのでは」
「確かにそれも一理あるけど、あの馬鹿が許嫁のクセに保留するからいけないのもあるわ。許嫁としての務めを果たせてないわ」
「僕もあまり務めてないかも……」
「圭君は付き合う気はないでしょ?」
「そうだな。付き合う気は今の所ないな」
「紗綾は許嫁の域を超えようとしているのよ」
「……」
(確かに言われてみればそうだ、しかし……)
「女子と遊んでいる僕は許嫁の域を超えてない?」
「ギリセーフと言った所じゃないかしら」
「そ、そうか。僕はセーフなんだ」
(よし、ここは紗綾にビシッと言わないと)
「けど、何て言えばいい?」
「そうね。私が加勢するわ」
「有難う。沙也加ちゃん」
「私は紗綾義姉様の味方に付きます」
「京香……」
「義姉様の身になれば、他の女子と遊ぶ許嫁を持つのだから、こっちも浮気したくなります」
「うっ」
「だから、私は義姉様の味方です」
「そう、まずは紗綾の所に行きましょう」
「分かりました」
そして三人は紗綾の部屋へ向かった。紗綾はまだ泣いていた。
「紗綾、入るわよ」
「ぐずっ、姉さん……」
「あーぁ、ひどい顔」
「だって……」
「可哀想な義姉様。私は義姉様の味方ですよ」
「良い、紗綾。圭君は他の女子に手を出したならまだしも、遊んでいるだけなんだからセーフよ!」
「なんでセーフなのよ……ぐずっ、アウトよ」
「圭君は許嫁の域を超えてない。けど、貴女は超えようとしている」
「どうしてよ。どうして私が説教されないといけないのよ」
「紗綾は他の男子と付き合おうとしているからじゃない」
「それは嘘よ~」
三人はえっ、と言った。
「どうしてそんな嘘を……」
「圭輔さんがどう動くか試したかったのーーっ」
紗綾はうわーっと泣いた。
「じゃあ、保留の話は……」
「ちゃんと断ったわっ」
圭輔と沙也加は、なんだと思ったが、京香は納得しなかった。
「けどお兄様は選択させるように促した」
「えっ、あっ、まぁ」
「そうよ。それが私が怒る原因よ!姉さんはどう思うのよ?」
「そうね。そこはビシッと『断れ』と言うべきだったわね」
圭輔は黙りこくった。
「私は大切にされてないと思うのも仕方ないじゃない」
「……」
「確かにそうですね」
「圭君……」
「……」
そして、圭輔は膝を付き、頭を地に付けた。
「ごめん、紗綾!ビシッと『断れ』と言うべきだった。遊んでいるから、つい言いにくかったんだ」
「……ぐずっ」
「だから、許してくれ」
圭輔は地面に頭を擦り付けた。
「頭を上げて。圭輔さん。私も少し感情的になってたわ」
「紗綾」
「圭輔さん。だから、他の女子と遊ぶのは止めてね」
「……止めないけど?」
空気がピシッとなった。
「なんでよ!今のは止める流れだったじゃない?!!」
「いやいや、話の内容だと無理に止める必要なくね?」
紗綾はむかーっときて、
「こんの、浮気者ーーーっ」
彼女は大声で叫んだ。
そして、圭輔の胸ぐらを掴んで、ビシビシと頬を叩いた。
(どうしてこうなるんだ~~っ)
最後まで有難うございます。
圭輔は圭輔でした。
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