四人の言いあい
11話です。
楽しんでください。
昼ご飯を食べた彼等は紗綾の部屋で入り浸っていた。
「うーん。食べた、食べたーっ。これからくつろぐだけだし、休日は最高だな」
「お兄様。横になってだらしがない」
「なんだよ。五月蠅いなあ。良いじゃないか別に。」
「圭輔さん。京香ちゃんが来ているんだから、兄らしいところ見せたらどうなの?」
「兄妹で見栄をはっても仕方が無い。」
「それは妹として嬉しいですけど、だらしないです。そんなところも大好きですが」
「京香ちゃんも何だかんだ甘いわ」
「そうですかね。紗綾義姉様」
「甘いわよね? 姉さん」
「いや、他の女子と絡むだけで、自制しろなんてのは少し酷じゃないかしら?」
紗綾と京香はギョッとした。
「じゃあ、何ですか?浮気をしても見て見ぬ振りをしろと」
京香は挑戦的に言った。
「そこまでは言ってないわ。けど年頃の男子ですもの。女子と遊びたいじゃない」
「沙也加ちゃん・・・」
圭輔は沙也加に一人感動していた。
二人は圭輔に睨む。そして、圭輔は萎縮する。
「許嫁がいないならまだしも、許嫁がいるんです。許されまじです」
「圭輔さんは言ってたわ。『許嫁だから緩んじゃう』って」
京香はギョッとし、
「えっ、それってどういう意味ですか?」
「だから、結婚してたらダメだけど、許嫁だったら、他の女子と絡んでもグレーゾーンって意味と思うけど」
「お兄様!!!」
「はいっ」
圭輔はぎくっとした。
「そんなこと許嫁によくもまぁ、ぬけぬけと言えますね」
「いや~、その何だ、男の性というか、男の欲というか~」
「全くもう」
京香はぷんすかしていた。
「暫く泊まらせて頂いて正解だったかも知れません」
「うぐっ」
圭輔はたじろいだ。
「まあまあ、落ち着きなさい。二人とも」
沙也加は二人が冷静になるよう促した。
「姉さんがこの話を掘り返したから、こうなったんじゃない」
「あれ? 私のせい?」
「そうですよ。沙也加義姉様。貴女はどうしてそこまでお兄様の女性関係に対して甘いんですか?」
沙也加はドキッとした。
「それは……」
沙也加はドキドキし、京香はじっと沙也加を見た。
(まずいわ。この子には下手な事言えないし……)
「それは、もてる男が一人の女子を選ぶと、不幸になる女子が沢山出てくるからよ」
沙也加は自分のすれすれのラインを言った。
「……嘘はついてないみたいですね。」
(……姉さん)
「しかし、一人を選ばないとそのヒロインが可愛そうです」
「数多の女子はどうなるのよ?」
「うぐっっ」
京香はたじろいだ。
「不幸になる女子が沢山出るんだから」
「……」
京香は黙ってしまった。
「大人の世界はそう単純じゃないのよ」
「もてる……」
「?」
「もてる男が悪いんです!!」
ドンっと京香は言い放った。
「お兄様! これから貴方は魅力的な男子にならないで下さい!」
「んな無茶な」
「大丈夫です。少なくとも紗綾義姉様と私はどんなお兄様になってもちゃんと愛しますから」
京香は錯乱した。
「京香、ひとまず落ち着けって、なっ」
「……はい、取り乱して済みませんでした」
「けど女子には優しくしないと……」
「そうですね。お兄様らしいです。」
「その上スケベなんだから、本当に天性のタラシよね」
紗綾は皮肉を込めて言った。
そしたら圭輔と京香は黙ってしまった。
「まっ、中学生が思うほど、恋愛は単純じゃないわ」
「そんな経験が?」
沙也加はドキッとしたが、
「そうね。無いと言えば嘘になるわね……」
「……」
京香は沙也加の話を胸に刻んだ。
さて少し話が終わったので、それぞれの世界に入った。
相変わらず京香は圭輔にベッタリだった。
「京香近い」
「いいではありませんか。兄妹水入らずですよ」
「それでも近い……」
「仕方がありません。2,3cm離れます」
京香は圭輔から2,3cm離れた。
(あんまり変わんない……)
「あっ、そう言えばお兄様。お兄様の部屋にあった全てのエロ本、処分しときましたから」
「えっ?!!」
圭輔は凄絶な声を出した。
「うるさっ」
「えっ、何で??」
「お母様がもういないから処分しろと」
「僕のエロエロ女子校生写真も?」
「はい」
「『これで痛くなくなりますか?看護婦さん』も?!」
「はい」
「『でも本当は痛くて痛くて収まらないから、OLさんに優しく……』」
「全て捨てました」
「oh……」
圭輔はショックで気絶した。
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