妹登場
妹が登場しました。
どんな波乱が待っているのか?
楽しんでください
日曜日。部活のない圭輔は家でごろごろとしていた。
「うーん、小説最高ーっ」
「まっ、偶にはのんびりしたいわよね」
「あぁ」
二人とも紗綾の部屋でくつろいでいると、
ピンポーンと鳴った。
「誰かしら?」
「宅配便じゃないの?」
二人は喋っていると、誰が出たみたいだ。そしたら、
「圭輔君。京香ちゃんが来たよ
」
「京香が?」
圭輔はガバッと起きた。
京香とは圭輔の妹である。
ドタドタドタと廊下で音がした。そして、ドアが開き、
「お兄様ー!」
京香は圭輔に抱きついた。
「久しぶりです。会いたかったです~」
京香は圭輔の胸辺りに顔を当てて、ぐりぐりした。
「あら京香ちゃんいらっしゃい」
「あっ、これは紗綾お義姉様。お久しぶりでございます」
「まぁ、けど1つしか変わらないけど」
「1つでも上ならば、義姉様は義姉様です」
「で、何しに来たんだ、京香?」
「それは少し冷たいことを、勿論お兄様を心配して来たんです。飯塚家に迷惑かけてないか」
「お、おう、そうか」
「偉いわ。京香ちゃん」
紗綾は涙ぐんだ。
「どうですか。兄様は?」
京香は明るく紗綾に聞くと、ドキッとした顔になった。
「えっ、あっ、うん。まぁ、大丈夫じゃない?」
圭輔は紗綾の言動に思った。
(しまった)
「どういうことですか?紗綾義姉様の様子がおかしいです」
京香は人一倍洞察力がある。
「どうしましまか?紗綾義姉様!」
「じ……、実は……」
紗綾は京香に話した。
「なんたること。」
京香はショックを受けていた。
「では何ですか?許嫁がいるにも関わらず、他の女子といちゃこらさっさと」
「はい……」
「確かにもてる兄は自慢の兄です。しかし、もう許嫁がいるんですよ。自制しなくては。」
「はい……」
「なんたること。飯塚家に迷惑をかけているとは……」
「飯塚家に迷惑はかけてないぞ、なぁ紗綾」
「えっ、まあ飯塚家に“は”ね」
「うっ」
「昔から兄がもてていたのは知ってましたが、許嫁がいる身で……」
「……」
「一体どうすれば……」
三人は黙った。
「分かりました。自制させるために、お兄様の管理を私もさせて頂きましす」
「えっ?」
二人は驚いた。
「ということはお前……」
「はい、暫くの間厄介になります。」
「えーーっ」
二人とも大声を上げた。
「でも、それは諸々親の許可が」
「それはもう許可を取っております」
「えっ、なんで?」
「それは……」
「まさか、この兄と居たいがために……」
「うっ……」
京香は赤面した。
「全く、ほんとお前は兄を好きすぎるぞ。こいつ~」
「だって、だって~お兄様が居ないと家が寂しくてーーっ」
(何? この兄妹?)
紗綾は少し呆れた。
「問題は泊まる部屋だな」
「あ、それは」
「それは私の部屋で泊まるのよ!」
「沙也加ちゃん!」
ガラッと沙也加がドアを開けた。
「姉さん!」
「そうなんです。沙也加義姉様の部屋で泊まるんです」
「まあ、最初はビックリしたけど、義妹だし。」
「妹の我が儘を聞いてくれて済まない」
「さっきの話を聞く限り、それだけの理由では無さそうだし」
沙也加はニヤニヤしながら、圭輔を見た。
「聞いてたのね」
紗綾は沙也加に呆れるように言った。
「まっ、偶々ね」
こうして京香は暫く飯塚家の厄介になることになった。
(これで暫く兄様と一緒に暮らせるわ。ふふ)
一段落話は終わりのんびりしていたが、圭輔と京香の距離が近い。
「ふんふ、ふーん」
「京香近い」
「中々会えないお兄様の近くにいれて、私嬉しいです」
「それにしても近い。くっ付いているじゃん」
「お兄様は私のことお嫌いですか?」
京香はうるっとしていた。
「そんなことないぞ。京香は宇宙一愛しているぞ!」
紗綾がムッとした。
「あら、圭輔さん。この前私のこと一番愛していると言ったのに、あれは嘘だったの?」
「あれは・・・嘘じゃないけど?」
「圭君は本当にタラシなんだから」
沙也加はニヤニヤしながら言った。
「で、お兄様どっちが一番愛しているんですか?」
圭輔にくっ付きながら京香は尋ねた。
「うっ」
三人は圭輔をじーっと見た。
「そ、そうだな。妹としては一番愛しているのは京香で、許嫁としては紗綾が一番愛しているかな?」
三人はひそひそ話を始めた。
「これがタラシの解答なんだから」
「えぇ、愛が沢山ありますから」
「皆騙されちゃ駄目よ。一番愛しているものなんて、圭君には沢山あるんだから」
「だって、妹と許嫁は比べられないじゃん」
三人はまたひそひそ話をした。
「確かにそれはそうなんだけど」
「お兄様の口車に乗ってはいけません。上手い逃げ口上です」
「本当、天性のタラシよね」
三人のひそひそ話が止まらないから、圭輔は小説を読み始めた。
「あら、いけない。私、昼ご飯の準備するから」
紗綾は部屋から出て行った。
圭輔と、紗綾と京香の三人に、なった。
(紗綾が居なくなった今、圭君とイチャつくチャンスだけど)
そこには京香が居た。そして、京香は圭輔に近づき、
「兄様~」
「どうした?」
「いいえ、なんでもないですよ~」
沙也加はため息をつき、
「京香ちゃん、圭君の事頼むわね」
沙也加は部屋から出て行った。
最後まで読んで有難うございます。
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