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死神は夜と踊る   作者: TOC
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第8話 真実

ストックがないので更新頻度が大幅に落ちたよ

「現場にいた!?本当ですか!?」


石村俊吾の遺体が見つかって翌日。浅沼亮と熊山虎之助は事件解明のおおきな手がかりになるであろう事件現場にいたという女性を見つけたのだ。


「はい……一昨日の夜7時半過ぎだったと思います」


近隣住民の証言ともほぼ一致している。もしかしたら犯人に大幅に近づけるかもしれない。


「それで、犯行現場や犯人の顔とかは見ましたか」


虎之助はドスの利いた声と鋭い目つきで質問する。


「ひっ」と女性からか細い悲鳴が聞こえる。


「おい。すみません、怖かったですよね。悪気は無いんです」


「い、いえ。だ、大丈夫です」


虎之助は納得いかないといった感じで口を尖らす。


「犯人の顔とかは見ていないでしょうか?」


「いえ、顔は暗くてよく見えませんでした。で、でもいつも通り仕事から家に帰る途中、1人で棒立ちしている制服を着た男の子がいたんです」


「制服を?」


「はい。それで少し不気味で早く通りすぎようとしたらその男が……」


女性は勿体ぶるように言葉を切る。


「その男が?」


「私に向かって死神って言ってきたんです!」


「し、死神?」


「そうなんです!それで私、腹が立ったのと怖さが同時に出てきたので引き返して他の道で帰ったんです!」



「死神と言われるほど異形な顔か……?」


虎之助が小声で呟く。それが聞こえてたのか女性は虎之助を睨み付けている。


「この馬鹿!」


浅沼は虎之助の脇腹に肘を入れる。虎之助は「うぐっ」とその図体から情けない声をあげる。


「す、すみません」


「大変失礼しました。それで、その制服とはこれのことですか?」


浅沼はポケットから秀叡高校の制服の写真を取り出す。


「そ、そうです!これだったとおもいます!」


「なるほど....わかりました。また何か思い出したらご連絡ください」


俺と虎之助は礼と後は事務的なことを言ってその場をあとにする。


「そういえば、あの公園にあった血痕は石村のじゃ無かったんだよな」


「はい。残るはあの新生天弥という少年……あの女性の証言でかなり怪しくなりましたね」


虎之助は自分が汚く書いたメモを見ながらいう。


石村の遺体、公園の謎の血、そして死神。これらは本当に一連の事件に関連しているのだろうのか?


トゥルルルルルルルル…………


虎之助のポケットからスマホのバイブ音が鳴り響く。


「ちょっとすいません」


そう言って虎之助はスマホを取りだし応答する。


「もしもし……わかったすぐ行く」


「何だって?」


「どうやら交通事故があったらしいので現場に向かってほしいそうです」


「たく、石村の事件で手一杯だってのに」


「もしかしたら関係があるかもしれませんよ」


俺と虎之助は車に乗り現場まで急行する。


「そんな奇跡起きればいいんだがな……」


***


「……や……てんや!」


女性の声が聞こえる。


聞き慣れた声だ。


その声に応えるようにゆっくりと目を開けると、涙で顔をぐしゃぐしゃな母の姿と後ろで心配そうに見守っている白衣を着た父の姿があった。


「ここは……?」


「天弥!」


母さんは俺に抱きつく。


「俺……どうなって」


「馬鹿!なんで友達の家に行ったぐらいで事故なんて起こすのよ!」


事故……?


そうだ!あの龍之介という男に殴られてそのまま意識が無くなったんだ、早くあいつを追わないと!

俺は勢いよく立ち上がろうとするが体に微痛が走る。


「まだ病院に運ばれて10時間しか経ってないんだ。安静にしていなさい」


10時間!?俺は窓のカーテンを開けて外を覗くと、もうすっかり夜が明けていた。


「ねぇ天弥……何があったの?」


母さんは涙で濡れた顔で聞いてくる。本当のことを言って、これ以上母さん達を心配させるわけにはいかないが、この状況を打破できる良い感じの嘘が思いつかない。


「別に....何もないよ」


「何も無いわけない!お姉ちゃんがいなくなってからおかしいわよ!なにかあるなら教えて!1人で抱え込まないで!」


母さんはシーツに顔をうずめて嗚咽を漏らす。


「お母さん、天弥も意識が戻ったばかりだからゆっくり休ませないと」


そう言って父さんは母さんを引き連れて病室から出る。


俺は真っ白な天井をじっと眺める。両親に本当のことを言えない罪悪感がゆっくりとしみてくる。


「お困りのようだな」


「うお!」


安らぎがベットのしたからニョロニョロと出てくる。いい加減突然でてくるのを止めほしいのだが。


「まさか憑依ができる奴がもう1人いるなんて予想外だったな。意識を失うと憑依が解けちまうからお前が完全に意識を失うまでギリギリまで回復に専念してて正解だったな。」


「そうか、それはありがとな……」


「どうした、元気ないな」


「当たり前だろ....なぁ、1つ聞いてもいいか」


「なんだ?」


「これからも両親を心配させ続けるのかな」


「どうした急に」


「また姉ちゃんの魂を追って事件に巻き込まれて俺が大けがしたら、母さん達が心配するだろ。それだったらなにもしないでいつも通りの生活を送ってたほうがいいんじゃないかって。泣いてる母さんの顔見てたら思ったんだ」


安らぎはすこし考えた後、ゆっくりと口を開く。


「……夜月の魂が天に還らないからって、世界に大きな影響がでるわけじゃない。じゃあなんで死んでしまった者の魂を取り戻そうとするのか。もう一度よく考えてみるといい。俺達が視えるってことは近くに『死』もあるってだ。俺はお前を無理矢理巻き込む気はないぜ」


安らぎはそう言って窓から外に出て行く。


死神が視えるということは死も近くにある。


俺が死んだら母さん達はどれくらい悲しむのだろうか、俺がしていることは本当に正しいことなのだろうか。


...一体俺にはどれほどの覚悟があるのだろうか。



※※※




昼の1時、味の薄い昼食も食べ終わり暇を持て余していたところに、父さんが病室に入ってきた。


「天弥」


「なに?父さん」


「お前に話を聞きたいって警察の人たちが来た」


「失礼します」


俺の病室に入ってきた2人の刑事を見て全身から冷や汗が出てくる。


「また会ったね、天弥君」


あの日虎之助という男性に注意をしていた刑事が話しかける。


「知り合いなのか?」


「いやね、この前聞き込みをしているときに会ったんですよ。まぁ、そんなことは置いといて、すみませんがお父様の方は少し席を外してもらえないでしょうか?」


「わ、わかりました。14時から検温があるのでそれまでには終わらせてください」


「大丈夫です。すぐ終わります」


「で、では……」


父さんは病室の扉を開けて出て行く。2人の刑事は見舞いにきた人用の椅子に座ってメモと警視手帳を取り出す。


「そういえば言ってなかったね。僕の名前は浅沼あさぬま りょうまあ緊張しなくて大丈夫だから」


「この前言ったと思うけど俺は熊山くまやま 虎之助とらのすけだ」


「に、新生にいふ 天弥てんやです」


「さっそくなんだけど、昨日どうしてあの場所にいたの?」


「ちょ、ちょっと友達と会った帰りに……」


「そっか、その友達の名前言える?」


「・・・・・・・」


なんだかこの無理のある嘘のせいで無性に恥ずかしくなる。


「言えないか。まあいいや、ちょっと君にいくつか質問していくね。君が事故にあった現場の近くのカフェからヤクザの組員が飲料水に薬物を入れてるという匿名の通話が来てね。向かってみたら本当に大量の薬物と意識を失ったヤクザが倒れてたんだ。それについては知ってる?」


「いえ……なにも……」


「そっかそっか。じゃあ次の質問なんだけど君、もう一つ自動車壊してない?」


「え?」


「ボンネットがへこんで、フロントガラスが割れてる車があってね、それは君がやったの?」


「ち、違います!アレは」


「あれは?」


浅沼の目つきが一瞬で変わる。


「い、いえ……なんでもないです」


「じゃあ次の質問になんだけど、歩道にあった血痕と君が白の自動車につけた血痕が違うんだ。つまりあそこにはもう1人いたことになる」


なんだ。この逃げ場がなくなる感じ、詰みになっていくこの感覚。


「それとある人気のない公園に謎の血痕があってね」


公園・・・・・・血痕・・・・・・それは俺のだ!まずい、このままだと鎌の死神に殺された男性の犯人にされてしまうなんとかしなければ!


「なんとその公園の血と君の血が一緒なことが分かったんだ。さてと、ここからが本題だ、あの公園にあった血はかなりの出血量だ、だけど君の体に目立った傷はない。しかも今回の傷だって頭部からの出血だと言うのに今はピンピンしている。あれだけの出血をしたのに2、3日で治る傷な訳がない」


「くそっ!」


俺はベットから飛び上がりそのまま逃げようとする。だが虎之助に腕をつかまれてあっけなく失敗する。


「君の今の行動・・・・・・ほとんど黒とみて構わないかな?」


「違う!俺は何も!あの男だって俺は殺してない!」


「あの男とは?石村のことか?大丈夫、ゆっくり話すんだ」


「言ったて信じない!」


「天弥君、もしかしたら君の証言で迷宮入りになりそうな事件が解決するかもしれない。ある日突然夫を殺された奥さんの気持ちが分かるかい?もう帰ってこない父親の帰りを待つ子供の気持ちがわかるかい?君の最近の事情については調べさせてもらったよ。君は命の尊さを知っているはずだ」


「っ・・・・・・!」


「僕達は君が石村を殺した可能性は低いと考えている。君の命がもし狙われているのならば、我々警察は君のことを全力で守ろう」


「で、でも・・・・・・」


「言っても良いんじゃないか」


窓際から聞き覚えのある声が聞こえる。振り向くとそこには今朝どこかへ行った安らぎがいた。


「この2人なら信じてもいいと思うぞ。信じてもらえなかったら俺がカバーするから安心しろ」


「天弥君、どうしたんだ?急に窓なんか見て」


「あ。い、いえ何でも……」


またそんなこと言って逃げるのか?俺は。


「いや、なんでもなくないか」


俺は一度深呼吸をして頭の中を整理する。やはりまだこんなこと言って信じてもらえるのだろうかという不安もある。だが、何も言わないことで何も進まないのならば、それは俺にだって責任があるはずだ。


「話ますよ。なにもかも。」













皆さんはライブとか行ったことありますか?僕は高校2年の頃に初めてバンドリというアニメ発祥のガールズバンドのライブに行ったんですが歌の歌詞に「輪っ!」と言うところがあるんですよ。その所がきたらみんな腕で輪っかを作るんですよ。僕は「歌詞前半しか知らんけどまぁ分かるやろ」と思ってみんなと合わせてノってたんですけど最後でフェイントかけられて僕だけ輪っかを作っちゃったんですよ。あれはめちゃくちゃ恥ずかしかった。「輪っ!」って1人で言ってましたからね。みなさんもライブ行く時はあらかじめ予習とかしといたほうがいいかもしれません。すごいよねあれ、誰が考えてるの?

以上物語と関係のない話でした。

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