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死神は夜と踊る   作者: TOC
3/15

第3話【憑依】と【視える目】

WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!

「俺の名前は【安らぎ君】お前の姉からもらった名前だ」


「俺の姉って・・・・どういうことだよ!」


俺の姉からもらった!?そもそも死神は普通の人には見えないんじゃ・・・・


姉ちゃんは、視えていた?


そう思うと、紙を何枚も印刷するように、コイツにしたい質問が何個も出てくる。


いつから?


どうして姉ちゃんは言ってくれなかった?


そもそもこいつとの関係は?


「みーつけた」


その声が俺の思考を止める。聞こえた方を視ると、鎌の死神が上空に浮かんでいた。


「逃げれると思ってたのか?思ってたよなぁ!?」


さっきからこいつは俺の邪魔ばかりしやがって。先ほどの恐怖は嘘のようになくなり、今はこの死神にたいする怒りがふつふつと沸いてくる。


「おい、安らぎ」


「安らぎ君な。」


「どっちでもいい。その憑依ってのはどうやるんだ」


「やる気になったのか」


「早く教えてくれ、こいつを倒してお前に色々と教えてもらう。」


安らぎはやれやれと頭をかいてから口をひらく。 


「お前の姉はもっと礼儀正しかったんだけどなぁ・・・・頭の中で想像しろ。自分の中にもう一人いたらって、何度も思い浮かべるんだ。そしたら魂にもう一人分入るぐらいのスペースができる。」


俺は言われた通りに想像をする。自分がもう一人・・・・自分がもう一人・・・・


「させる訳ねぇよなぁ!?」


鎌の死神はこちらの方にとびかかる。


「クソ!なんも感じない!」


「大丈夫!しっかりと空いてる!」


安らぎは俺の体に頭から入る。すると、体の自由が効かなくなり脳みそが2つできたような感覚に襲われる


「死ねぇええええええええ!」


鎌の死神は俺の脳天に向けて鎌を振るう。


体が動かない、このままじゃ死ぬ・・・・!


俺は目を瞑ろうとするが目を瞑ることさえもできない。迫り来る鎌の刃。だが、その刃は妙に思えた。


遅いのだ。まるでスローモーションでも見ているかのように、刃の動きが遅い。


そしてその刃を避けるように体が勝手に動き、すんでのところで交わす。


よくスポーツ選手がスーパープレイをしたとき、体が勝手に動いたと言う。俺はスーパープレイをしたことが無いがおそらくその感覚とは全くの別物だろう。本当に自分の体じゃないかのように動いたのだ。


「大丈夫か?天弥」


自分の口から自分のことを呼ぶ声が聞こえた。


「これは・・・・」


「これが【憑依】だ。すごいだろ?普通に魂喰うより何十倍も強くなれる。」


「これが・・・・憑依・・・・」


そういえば体は動かないが口だけは動かせて声が出せる。1つの口から2人の会話・・・・他の人が見たらさきほどの女性みたいに君悪がるだろう。


攻撃をかわされた鎌の死神がこちらをジロリと見て、間合いをつめてもう一度鎌を振るう。


だがどの攻撃もスローモーションに見え、しかも俺が脳に信号を送らなくても勝手に体が動く。


そうか、安らぎが動かしているのか。



右に、左に、後ろにと俺は襲いかかる鎌を最小限の動きで避け続け、やがて大ぶりになった死神の攻撃に隙を見つけて顎にアッパーをかます。もろにくらった死神は上へと飛ぶ。

自分の腰の位置まで落ちてきた瞬間に蹴りを入れると、今度は前方に飛び、公衆トイレに激突する。


「すごい。俺、死神にアッパーと蹴り入れちまった。俺ってこんなに力あったのか・・・・」


「すげぇだろ?しかも普通は死神には触れられないんだぜ、憑依された生物は身体能力のアップだけじゃなく、死神に触れることもできる。だが触れるってことは逆に死神にも触られるってことだ。身体の怪我も注意しとけ。」


 『しとけ』って言われても俺は体動かせないのだが!?」


「それもそうだな!」


そう言って安らぎは俺の体でゲラゲラと笑う。


「いってぇなぁ・・・・いてぇよぉ・・・・」


吹っ飛んでいった鎌の死神はフラフラと宙に舞う。


「さてと天弥。別に今は深夜じゃねぇし誰かがくる可能性は大いにある。」


「ああ、早いとこケリをつけるか。」


「調子に乗ってるよなぁ・・・・乗ってるよなぁ!?」


死神は持っていた鎌を俺の方に投げ飛ばす。暗闇に刃の光が一瞬見えたかと思うと、目と鼻の先にまで迫っており、俺は顔を右へずらす。鎌は左頬をかすってそのまま飛んでいく。


それが合図かのように俺はすぐに死神の方へ走り出し、距離を詰める。


だが死神はフラフラと上空へ飛び、さらに距離をとる。そのふらついた様子からは先ほどの余裕は見えない


俺は地面を蹴ってジャンプをし、一気に死神との間合いを取る。


死神は向かってくる俺にさきほどよりのろいパンチをするがそれを流して膝蹴りを死神の胸にかます。死神の胸にひびが入る音がする。


そして死神の腕を掴み、そのまま公園へ投げ飛ばす。


地面にたたきつけられた死神の周りには砂埃がたっている。


雑に着地して、砂埃がたっていた所にいくと地面に体の一部が埋まった死神がいた。


胸や顔面の骨には罅が入り、体中から光が溢れ出ている。死神はピクリとも動かない。


「死んだのか?」


「いや、死んでない」


「じゃあとどめを・・・・」


「くくく・・・・」


死神はくぐもった笑い声をだす。


「とどめか・・・・とどめってのは死にそうな奴に向けて使う言葉だよなぁ?だから俺達にその言葉は通用しない。しないよなぁ・・・・」


「何が言いたい」


「ようするによぉ・・・・お前達は甘いってことだよ!」


死神がそう言った瞬間、暗闇からなにかこちらに向かってくる。鎌だ。


俺はすぐに顔の前に右腕をだし脳に到達するの阻止する。


「くっ・・・・!」


鎌は俺の右腕に勢いよく刺さるが止まる気配が無い。すぐさま地面に埋まっている死神の顔面を踏みつけて終わらそうとするが死神が最後の力を振り絞り、俺の胸めがけて手を出す。俺の魂を掴む気だ。


ダメだ、鎌に気を取られていて避ける暇がない。このままこいつの顔面を踏みつけて、終わらせる!


小さな地鳴りのような音がした。


震源地をみるとそこには顔の骨を粉々にされた死神がいた。死神の指の第一関節が俺の体に入り込んで魂を取ろうとしていた。


鎌の動きは止まったが腕を貫いていて、先端が顔を出していた。鎌は先端から粉々になって消えていく


「はぁ・・・・はぁ・・・・」


俺はポケットからハンカチをだして血が溢れている右腕に巻いて、その上から左手で握って止血をする。こんなこと普段は絶対にできないだろうが憑依によって身体能力が何百倍にも上がっているお陰で右腕から溢れる血はほとんど止まった。


死神の体から4つほどの光った玉が出てきて、空高く上がってゆく。


「これであいつは死んだのか?」


「いや・・・・死んでいない。」


「なに!?ど、どこに・・・・」


「俺達は死ねない。」


俺の口はそう呟く。


「死ねないって・・・・どういうことだよ」


「俺達は生物じゃない、だから死ねないんだ。あの浮かんでいった魂のなかに死神あいつの魂はない。生物じゃないからだ。俺達は死ぬのではなく、消えるんだ」


「い、意味が分からねぇよ」


「詳しくは明日話す。天弥、お前に体の主導権は返す。」


そう言うや否や体が動けるようになる。とっさのことで力が抜けてしまい、膝をつく。


「バカ、早く右腕押さえろ。」


体は動くが今だ自分の口から安らぎの言ったことが聞こえる。俺は慌てて右腕を押さえる。


「す、すげぇ。自分の体が自分のじゃないみたいだ。」


「人がきたら面倒になる。とっとと逃げるぞ」


「お、おう」


俺はいつものように走り出すが、いつもの何倍ものスピードが出るのでなかなかうまく走れない。


「天弥、家に着いたらすぐに自分の部屋にいけ、その傷のことがバレたら面倒だ。朝まで憑依を続ける」


「で、でも。これは医者に診せないと・・・・」


「大丈夫だよ」


「そんな訳ないだろ、貫通してんだぞ」


「朝になれば治ってるか、心配すんな」


「はぁ・・・・?ああもう!信じてるからな!」


家についてすぐに俺は自分の部屋に入り、包帯を巻いてから長袖の服を着て俺は飯や風呂にも入らずそのまま寝た。


***


朝を知らせるアラームがけたましく鳴り、それをいつものように右腕で止める。


右腕・・・・?


俺は思いきり起き上がり自分の右腕に目をやる。


「治ってる・・・・」


なんと右腕は傷跡が残っているほどでほぼ完治しており、左頬にできた傷もしっかりと無くなっている。だが、シーツには血のシミができており、そのシミを見ているとなんだが貧血を起こしそうになる。


「おはよう天弥」


「うお!」


俺の目の前に胡座あぐらをかきながら宙に浮かんでいる安らぎがいた。


「気分はどうだ?」


「今最悪になった。」


「それは良かった」


「なぁ、昨日の傷完全に治ってるんだけど」


「これも憑依の力だ。憑依は身体能力、死神への接触だけじゃなく、なんと治癒力まで常人の何百倍にもなるのだ」


安らぎは胸を大きく反り、そのわかりにくい表情でもドヤ顔してるのが分かるような声で言う。


「なんとも都合が良い能力だな。なんでそんなことができるんだ」


「それは俺にもわからん。俺に分かることは凄いってことと恐ろしいってことだけだ」


安らぎはそこで一度きり、こちらを見つめる。


「な、なんだよ」


「俺はお前の姉が死ぬ前に、お前達家族を守るように言われた。」


「姉ちゃんに・・・・」


「ああそうだ。だがお前によって『問題』と『希望』が生まれた」


「問題と希望?」


「まず問題というのは、お前が姉と同じで『視える目』であるということ。そして希望というのは、お前が

『視える目』だということ。」


「ちょ、ちょっと待て。確かに死神が視えることで昨日みたいな問題が起きた。だけど希望っていうのはどういうことだよ」


安らぎの青く光る目が一度消え、もう一度ゆっくりと光る。おそらく大きな瞬きをしたのだろう


「本題に入ろう。お前の姉の魂が奪われた」


「姉ちゃんの・・・・魂が・・・・?」


全身から冷や汗が出た。


姉ちゃんの、新生にいふ 夜月やづきの魂が奪われた。


死して尚、姉ちゃんの魂は安らかに眠っていないというのか?


鎌の死神に感じた怒りよりも大きな怒りが込み上がってきた。







今さらなんですが後書きってなに書けばいいんですか。僕は1作目の俺は僕だけど僕は俺じゃ無い(連載中)でも自分の日常や鼻くそみたいな持論を書いていたのですが多分おそらく十中八九後書きってそういうの書くためのじゃ無いですよね。僕は何を書けばいいんですか。明日の天気ですか、あなたの恋愛運ですか、屁が治まるおまじないのやり方ですか。何を書けばいいのか、何を信じればいいのかもう俺にはわからない。そうして俺は、自分の部屋に閉じこもるようになり、数週間が過ぎた。生きる希望が湧かず、俺はなにをすればいいか考えていた。ま、こんな狭い部屋に閉じこもっている俺がなに考えたってなにも思いつかないだろうとついには考えるのをやめ、ネットサーフィンの毎日へと退化していった。そんなある日、いつも通りネットサーフィンをしていたところ、1人の男の動画をみた。それはターミネーターで一躍有名になった『アーノルド・アロイス・シュワルツェネッガー』だ彼が青年に跳び蹴りされてもびくともしないその姿に僕は感動した。惰性を謳歌していた僕に表れた希望はまるでサハラ砂漠で歩き続けてようやく見つけたオアシスのような感動だった。それからシュワルツェネッガーに憧れて毎日筋トレをしそして数ヶ月後、ついに僕はボディービルダー並の肉体を手に入れた。それで僕は自信がつき久々の学校にいくとみんなが変わった僕に魅了されていった。だがある日、学校に突如としてテロリストが襲撃、学校はあっという間に制圧、男群は肉体労働をされ女性陣は疲労したテロリスト達のご奉仕。そんなことをしていれば3日ももたずに誰も自分たちの現状の立場に異論を唱える者はいなくなった。ただ1人を除いては。そう、俺は諦めなかった。ただの1人になろうとも、諦めず前を向いてテロリストに立ち向かった。そんな姿に感銘を受けた生徒たちは消えかかっていた光を取り戻し、俺と共に戦いそして勝った。それから俺はずっと好きだったヒロインと結婚、学校には俺の銅像が飾られ英雄と呼ばれるようになった。

・・・・そんな妄想を描いていたらもう夏休みも20日を切っていた。大丈夫、まだ受験勉強の時間はある。とりあえず今日は2リットルのコーラでも飲んで明日から本気出そう。

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