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0. くすぶる光
私は彼とすれ違った。
燃える夕暮れの髪。
夜明けの瞳。
体に浮いた、青の結晶。
まだ幼げな光。
あの魔物の系譜に違いなかった。
何としても、彼を連れ戻さなければならない。
事が起こらないうちに。
できれば、穏便に───────。
…おっと、主から連絡だ。
なになに?えーと…
え?
ピーちゃんの餌やり?
知らねぇよそんなん…てか自分でやれよ…テメーのペットだろうが…
はぁ。
ペットの餌やりのために…この距離を帰るのかぁ…うーーーん…
いいや、ワープ用の石かなんか使って帰ろ…
もうやだ。