8月9日-(6)-
朝の集会が終わって見てみると
(?)
いつもは集会が終わったとたんサッと出て行っちゃってた栞那ちゃんが、まだいつもの席に座ってる。
(いいチャンスなんだろうな・・・)
栞那ちゃんと話したいこと、栞那ちゃんに聞いてみたいことがあるので、たまたまなのか何か考えがあるのか分からないけど、だからこそ、栞那ちゃんに話しかけるチャンスをダメにするわけにいかない。
「健ちゃん」
「ん?」
「まだもう少しここにいる?」
「んー・・・」
健ちゃんはチラッとヒデくんを見る。
「別に行くところもないから、しばらくはいるぞ」
ヒデくんが言ったので
「じゃ、俺もしばらくいるよ」
健ちゃんが私にうなずいてくれた。
「うん」
「美結、廊下には出るなよ」
ヒデくんが言うので
「大丈夫、この部屋からは出ないから」
わざと健ちゃんの前にバッグを置きながら答える。
栞那ちゃんの横まで歩いて行ってから、その場で大きく息を吸って
(よし!)
声を掛ける。
「あ、あの、栞那ちゃん」
「・・・・・」
ゆっくりと長いまつ毛の下の青い瞳がこっちを向く。
「なに?」
「あ、うん」
栞那ちゃんの視線は相変わらず真っ直ぐ突き刺さってくるから
「っと、あの、うん、その」
しどろもどろになってしまって、何でもないの、とか言って逃げちゃいたくなるのを必死でガマンする。
「っと、あのね・・・」
栞那ちゃんと気軽に話せないのは全然変わらない。
「ちょっと質問したいことが・・・」
「私に?」
「うん」
うなずくと、栞那ちゃんはドアのすき間をちょっとのぞくみたいにして
「廊下がいいのでは?」
スーッとイスから立ち上がる。
「っと・・・」
辺りを見回すと、ほとんどの人は、もう集会室から出て行ってしまってるようで、栞那ちゃんが心配してるかもしれない誰かに聞かれてしまうということはなさそうだった。
「すぐ済むから、ここでいいよ」
「分かった」
「うん」
それに、ヒデくんに止められてるんだから、廊下には行けない。
「私に訊きたいことというのは?」
その場に立ったまま、また座ることはしない栞那ちゃん。
「あ、うん」
私も立ったまま
(さっきちゃんと決心したんだから、確かめなきゃ)
「美愛の手紙を届けてくれたのは、栞那ちゃんなの・・・かな?」
覚悟を決めて、一気に言い切る。
「手紙?」
それを聞いた栞那ちゃんは、いつもと同じく表情が全然変わらないけど、聞き返してきたくらいだから、美愛の手紙を入れてくれたのが栞那ちゃんじゃないんだってことだけは分かった。
「柚島さんが美結さん宛ての手紙を書いていた?」
「え、うん」
「・・・」
口に左手の甲を当てて何か考え始めた感じの栞那ちゃん。




