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LEVIATHAN~Sodalis~  作者: 黄帝
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8月9日-(1)-

 鋳物の槍先は硬く鋭い

 だから絆のように脆い

 「美結」

「・・・」

「美結」

「・・・・・」

「美結、起きろって」

「!」

ユサユサとされながら、名前を呼ばれて目が覚めた。

 「え?」

私を揺らしてたのも、私を呼んでたのも横にいた健ちゃんのようだった。

「あ、あの、どう、したの・・・」

慌てて体を起こすと

「せっかく寝てたのに、起こしてゴメンな」

健ちゃんが謝ったので

「いいの、起こしてくれて、ありがとう」

まだ少しボーッとする頭で答える。

 「ああ」

「また何かあったの?」

「いや、別に何かあったってほどじゃない」

「うん」

「これ、美結に来てたから」

健ちゃんは、折った紙みたいなのを私に見せた。

「え?なに、これ?」

「いや、俺だって分かんねぇけど、美結あてみたいだったから」

健ちゃんは、そう言いながら持っていた紙を私の手の平の上に置いた。

「美結が最初に見るもんだろ」

「うん、ありがとう」

 紙に目を落とす。

 「・・・・・」

 ミユさんへ、と書いてある。

 定規を使って書いたみたいなまっすぐな線だけの字。

 だけど、うちのクラスで、ミユという名前の人は私一人だから、こう書いてあれば私あてなのは間違いない。

 「そういえば健ちゃん、ヒデくんは?」

「英基は、他にも同じようなのがないか探してる」

「え?」

「これは、さっき廊下に出ようとしたら、ほら、廊下出るところにもドアがあるだろ?」

「うん」

「そっちのドアの、下の隙間から入れたみたいに落ちてたんだ」

「え?」

「見つけたのは俺だけど、これを英基に見せたら、他にもあるかもしれないから探してみるって」

「そうなんだ・・・」

 四つ折りになった紙に、また目を落とす。

「これ開けていいのかな」

「美結あてなんだから、美結は当たり前に開けていいんじゃねぇか」

「うん、でも、ヒデくんが来るまで待ってた方がいいのかな?」

「そんな紙、危なくなんてないだろ」

「うん、まあ」

「英基だって、何も言ってなかったし、開けてみろよ」

 自分が注意深いなんて思ったことない。

 思ったことないけど、ここんとこあったいろいろで、何でも疑うみたいになってしまってた。

 今も何となく言ってしまったことを、健ちゃんに笑われてしまった。

「そうだね」

ゆっくりと折り目を開く。

 「・・・」

紙を開いて目に映ったもののせいで、頭の中にハテナが押し寄せてくる。

「どうしたんだ、美結」

「・・・」

「美結」

「あ、ゴメン、大丈夫」

頭がいっぱいのハテナのせいで、ボーッとしてしまって、健ちゃんの声でハッとした。

 「何が書いてあるんだ?」

「え、うん」

紙を健ちゃんに渡す。

「何だよ」

「健ちゃんも読んでみて」

「俺が読んでもいいのか?」

「うん」

「分かった」

「うん」

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