8月6日-(9)-
どうしてそんなに理璃のことが気になるんだろう。
考えるまでもないことかもしれない。
だってそれは、あたしが弱い人間だからだ。
理璃の力になってあげたいし、何より自分が安心したい。
理璃が何かを気にして、何かを隠してるんじゃないかって思うけど、理璃なら、何でもないよ、とか笑って打ち消してくれるはずだ。
あたしは弱い人間だ。
自分自身のことを、頭も運動も、何か一つくらい人よりマシにできることがあってもいいんじゃないかって、ずっと感じてる。
だからこそ、昨日から今日にかけて、あたしは一つ決断した。
あたしの役に立つはずだし、理璃の役にも立つはずのこともできると思った。
あの決断のおかげで、今日の自分を守ることができた。
もちろん、あれが明日からも自分を守ってくれる決断だったかどうか分からない。
それは確かに自分で自分を守れるのが一番いいに決まってる。
ただ、あたしがここで危ない目に遭ったりしないのは、あたし以外のみんなのおかげだ。
あたし以外のみんなの努力とか知恵とかが、あたしを守ってくれてきた。
当然、理璃もその中の一人だし、他にもいろんな人が、あたしを助けてくれてるから、あたしは無事だった。
あたしは、自分じゃ自分を守れない。
そんなあたしだから、理璃の役に立てるかもしれないと期待していながら、実は理璃から頼られたくはない。
いざ理璃に助けを求められたって、たぶん理璃の役に立つため、あたしは何もできない。
気持ちだけあっても、実際には何もできない。
理璃に、何か悩んでるの、あたしに何かできることあるの、って訊いてみようかと何度も何度も思った。
あたしに訊かれた理璃は笑って、何でもないよ、って言ってくれるに違いない。
それで、あたしは何もしなくて済む。
あたしが何もできなくて、あたしが理璃の役には立てないことを、ハッキリさせないままでいられる。
でも、理璃には何も訊けないまま。
何て、弱いんだろ、あたしって・・・
結局本当は、自分を頼りにしてくれる人なんていて欲しくない、って思ってるのかもしれない。
だって、みんなに頼って生きるのは楽。
それに、もう、みんな分かってるはずだから。
助け合おうとしてるだけじゃない、誰かを蹴落とそうとしてる人がいて、実は自分一人を守ろうとするのだって、できるかどうかって。
そうだ。
理璃があたしを頼ってきても、きっとあたしは、自分さえ守ることができない。
そして逆に、あたしが理璃を頼ってるのに、理璃はあたしを守ってくれなかったら、って考えてみた。
理璃は、あたしを責めたりしないだろう。
でも、あたしは理璃を・・・
(やっぱり、恨む・・・のかな)




