8月5日-(9)-
ここまでで何となく区切りついたみたくなってしまって
「っと・・・」
私の方から栞那ちゃんに、少し話そうなんて言ったわけだけど、元々何話そうかなんて考えていないのに誘ってしまってるのを痛感した。
「・・・・・」
私が何か話したいことがあると思ってるのかどうか分からないけど、今の栞那ちゃんは自分から話振ってくれるわけでもないようで
「んー・・・」
もう話題を絞り切ってしまった。
「あ、そうだ」
その時、奇跡的に千賀さんが言ってたことを思い出した。
「そういえば、栞那ちゃん」
「なに?」
「2日目に、図書室に行ったんでしょ、どんな感じだった?」
「2日目?」
「私、図書室があるっていうのは、みんなで作った地図見て知ってたし、仁藤くんとかは行ってみたみたいだけど、まだ私は行ったことないんで」
手を振ったり照れ隠しみたいに笑ったりしながらの私と違って
「・・・・・」
栞那ちゃんは、私の話を聞いてる間ちょっと首をかしげるようにしていた。
「私が図書室に行ったと、美結さんは舟山さんから聞いたのか?」
「え?」
私は栞那ちゃんに質問したつもりだったのに、栞那ちゃんから逆に質問を返されてしまったようだ。
でも、栞那ちゃんの質問には先に答えた方が良さそうだ。
栞那ちゃんと話が続くこと、きっとこの先もあまりない気がするから。
「えっとね、私は舟山さんから直に聞いたんじゃないの」
「では、誰から?」
「千賀さんから、舟山さんから聞いたってことで教えてもらったよ」
「そう」
「うん」
「私が行ったとき、図書室には確かに舟山さんもいた」
「そうなんだ」
(あ、今って)
何かスゴくいいタイミングみたいに感じるし、昼から結構気になってることを思い切って確かめてみよう。
「あの、栞那ちゃん、話。変わっちゃうけど、いい?」
「なに?」
栞那ちゃんの表情は全然変わらないけど、私が聞いても答えてくれそうだ
「うん。栞那ちゃんは、夜どこにいるの?」
「夜?」
「うん、私ね、仁藤くんに頼まれたから、今日のお昼ご飯のときにいろんな人から聞いて、夜を過ごすための部屋って誰々が一緒なのかリストを作ったの」
「・・・」
「当たり前だけど、栞那ちゃんは私達と同じ部屋じゃないから、どこか別の部屋にいるんだろうと思ってたんだ」
栞那ちゃんからは返事も相づちもないので、言いながら、つい探るみたいな目つきになってしまう。
「・・・」
これ以上続けていいか、一瞬迷ったけど
「でも、どの部屋にも栞那ちゃんはいないみたいだし」
どんな顔になったか自分でも想像がつくくらい、へラッとした表情を作ると
「だからね」
一気に聞いてしまうことにした。
「栞那ちゃんは、夜とかどこにいるのかな、って」




