8月4日-(10)-
大きく溜息をつく。
時計は集会室にもあるが、何故か俺達が寝るのとかに使っているこの部屋にもあるから、少なくとも今の時間は分かるわけだ。
ここは電気が点かないので真っ暗とはいっても、今日は月明かりがあるせいで、かろうじて何時かくらいは判る。
日付が変わるまで、あと2分だ。
ってことは、もう3時間も今日あったことを考えてたようだ。
朝、大翔と二人で飯に行ったら、英基がマジな顔して訊いてきて、工藤を見てないかって言う。
まだ見てないから、そのとおりに答えた。
そこからは俺も工藤のことが気になってた。
でも、結局、朝の集まりに工藤は来なかった。
もう俺達にとって、佐藤と根津のことを思い出す必要もない。
工藤がどうなってるかなんて、みんな大体判り切ってはいたけど、工藤をそのままにしておくわけにもいかないから、また手分けして探すしかなかった。
建物の中で見付けることができなかったから、チーム分けして外を探すことにして、1時間くらいした頃だったか、森の近くまで行ったところで、田月が工藤を見付けたらしい。
判り切ってたことだけど、やっぱり工藤は死んでた。
俺は直接見たわけじゃないから、田月が言ってたことだが、頭が半分なくて顔なんて判らなかったらしい。
朝の集会のとき工藤以外は誰も欠けてないのを確かめたし、死体を見付けたあともう一度誰もいなくなってないか確かめた。
だから、死体が工藤じゃないはずないし、工藤だってことにした。
(頭か・・・)
工藤は頭と片腕と片脚が吹き飛んでいたってことだった。
どうしてそんなことができるのか、そんなのは考えても仕方ない。
(胸、脚、腕、腹、背中・・・頭)
裁かれてしまった4人から、裁かれるとき身体中どこでも吹き飛ばされる可能性があるのが分かる。
どういう順番なんだろう。
もし自分が裁かれたらっていう恐怖は、実際に4人に起きたことからすれば、たわごとなのかもしれない。
(それにしても・・・)
幸い・・・
幸い?
何が幸いだって?
4日で4人死んでるんだぞ。
いや、でも、もう、何か、ホントどうでもいい感じもする。
だって、俺がホッとしてるのは間違いないのに、許される感情じゃないからって、それを否定しても、死んだ4人は戻ってこない。
前に、ここでは誰が必要か考えてた自分にビックリしたけど、それからは結構よく考えるようになった。
俺には必要としている人、何が何でもいて欲しい人がいる。
朝の工藤以外、あとは誰も死なないまま日付が変わったようだし、工藤のこともやっぱり、不幸中の幸いだ・・・
裁きに因る死亡者
工藤満
裁きに因らない死亡者
なし
国家の人口
26人




