8月4日-(6)-
「で、何を話してたの?」
「うん、レヴィア法のことについて、舟山さんから教えてもらってたの」
「へえ、あたしが来る前って、美結と舟山さんとでレビア法?の話してたんだー」
「ああ、うん」
「まずやっぱりこんなことなってるのは、それのせいなんでしょ?」
「たぶん・・・」
最初の日の夜、ヒデくんもレヴィア法の話をしてくれた。
でも、ヒデくんはレヴィア法について細かい中身までは知らないようだった。
そして、一人一人に渡されてる端末には、いろんなことが載ってるのに、いくらいろんなページを開いたりして調べても、端末の中にはレヴィア法の中身を知れるような情報は入っていないようだってことも教えてくれた。
だから、おととい、昨日の私は、レヴィア法が何なのか知れないまま怖がってただけだった。
でも、舟山さんはレヴィア法に何が書いてるのか知ってたみたいで、さっきいろいろ話してくれた。
そこに丁度美愛が来たわけだ。
「こうなっちゃってしまってから、何でなったか考えても意味ないけど」
「うん」
「これからどうしなくちゃいけないのか分かるためにはレビア法?を知ってないとねえ」
「そうだね」
美愛の言葉に頷きながら、思わず舟山さんの方を見てしまう。
いくらさっき教えてもらったとはいえ、私なんかが話して聞かせるよりも、舟山さんから直に聞いた方がいいに決まってる。
「・・・」
そんな私の視線に気付いたのか、舟山さんは急に私から顔をそむけた。
「・・・私、行くね」
そして、慌てて立ち上がると、トレイを手に持つ。
「あ、舟山さん」
別に引き留めようとまで思ったわけじゃないけど、舟山さんは私を見ないようにして
「・・・」
そのまま無言で行ってしまった。
そうすると
「・・・・・」
一ノ木さんも立って、舟山さんの後を追うみたいにした。
ポカンとしたような表情で二人を見てた美愛。
「・・・あたし何かしちゃったかな」
つぶやく。
「あ、いや、そうじゃないと思う・・・」
美愛が戸惑ってるようだから、ホントのこと言わなくちゃって感じた。
「何かしたとすれば私かも・・・」
「え?美結が?」
「さっき、レヴィア法のことについては舟山さんが話してくれるといいなって感じで見ちゃったから」
「そっか」
美愛は、立って私の隣から向かいに席を移しながら
「あとでフォローすれば大丈夫だよ」
と言ってから、座った。
「じゃあ、美結の覚えてることだけでいいから聞かせてよ」
「ああ、うん、そうだね。美愛は食べながら聞いててよ」
「オッケー」
フォークを持つ美愛。
私は、さっきした会話の記憶をたどり始める。
「っとねー・・・・・」




