表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
LEVIATHAN~Sodalis~  作者: 黄帝
34/269

8月4日-(2)-

 ほとんど眠れなかったし、最低最悪の気分だ。

 それも、ただ単に眠れなかったわけじゃない。

 佐藤と根津には悪いが、死人が出たのは、起きてしまったことで、仕方ない。

 でも、だからこそ、あの二人で終わりにしたかった。

 まとめ役みたいなのなんて、本当のとこ俺のガラじゃない。

 ガラじゃないって分かってたって、無理してみんなに、一人にならないように伝えてたつもりだった。

 でも、昨日戸田が死んだ。

 三浦が、自分が戸田が一人でいるところを見たのが最後なんじゃないかって言ってた。

 そういう三浦も一人だったらしいが。

 戸田の死体は、最初の日に見た根津よりましな形をしてたけど、だからかえって一瞬で死んだわけでないようだった。

 見たところ、少し這ってたような跡があった。

 苦しかったのかもしれない。

 でも、一体戸田は、誰に怪我させたんだ?

 というか、最初の日にもう2人も死んでるんだし、法を守らなかったらどうなるのか戸田だって理解してたはずだから、わざわざ自殺行為みたいなことをするはずない。

 佐藤と根津のときは、告発したらどうなるのか知らないで告発したんだとしたって、昨日の戸田のときとは全然違う。

 告発したら戸田が死ぬ、って分かってる奴が、わざわざ戸田を告発した。

 戸田を殺すつもりで告発するような奴は、何でもない顔をして、俺達と同じ集会室にいた。

 夏休み前まで、ずっとクラスで一緒だった誰かが・・・

 怖いというよりは、そんなことになってしまってるのを信じたくない。

 だが、もう、そういう奴がいること前提でいくしかない。

(となると・・・)

 一人になっちゃいけないってことを中岡と話したのは、おとといの朝だ。

 女子が何人かで動くようにすぐなったのは、俺だけじゃなく中岡もみんなに言ってくれたことが大きい。

 中岡は、戸田を殺そうと思うような奴のはずないし、何かと相談相手になってくれる頼れる奴だ。

 だから、中岡と一緒に行動した方がいいけど、一緒に行動したりする仲間は多いに越したことはない。

 二人ってのは、何かあっても、できることは限られてるからな。

(じゃあ、健蔵は、どうだ?)

 健蔵は基本、気のいい奴だし、他人のことも考えれる奴だ。

 健蔵と仲間でいれれば、いろいろ力になってもらえそうだ。

(英基は?)

 英基も必要だ。

 いろんなことにピンとくるし、決断力もある。

(他に要る奴は・・・・・)

(え?)

 自分で自分に驚いた。

 いつのまにか俺は、仲間を探すってより、誰が要るか、誰は要らないかを考えてる。

(何なんだ?)

 俺にとって要る奴じゃなければ、どうなって欲しいんだ?

 こんな状態に置かれて、そんな人間になったのか、俺は。

(それとも・・・)

 そんなのと関係なく、最初から、俺は?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ