8月3日-(6)-
一人で集会室に来てた。
待ち合わせっていうか、時間を指定されていたけど、腕時計とかを取り上げられてるオレ達にとって、時間の分かる所はそんなにない。
用もないのに集会室に来るヤツはあまりいないだろうと思ったから、ここで待ってることにした。
(それにしても)
別に夜は同じ部屋にいるんだから、他のヤツらの見てない間をねらってオレに話しかければいいだけだってのに、わざわざ人づてにオレを呼び出すなんて、どうかしたんだろうか。
「おい、どうしたんだ?」
「え?」
急に横から言われたので、誰かと思って見てみたら、いつのまにか横に来ていた三浦だった。
「どうしたって、なにがだ?」
「おれがたまたま通りかかったら、一人で座ってたから」
三浦は結構体がでかいわりに、ボソボソとしゃべる。
「ああ、まあな」
「それに、なんか時間が気になってるみたいだし」
「は?」
たぶんオレが何回も時計を見てたのを言ってるんだろう。
「いや、まあ、ヒマだったからな」
「ん、確かにな」
そしたら、三浦は簡単にうなずく。
(単細胞なヤツ)
ちょっとホッとした。
大っぴらにすることでもないんだから、他のヤツらには気付かれないようにしないといけないんだし、たまたま見られたのが三浦みたいなヤツでまあ良かった。
言われてた時間は5時。
もう2分くらいしかないし、いつまでも三浦とからんでなんかいれない。
「三浦は、どこか行く途中じゃなかったのか?」
「ああ、まあ、食堂に行って何か食おうかと思って」
「そうか」
三浦は食堂に追い払えば良さそうだ。
「オレも、もう行くから、食堂行けよ」
オレが立つと
「そうだな」
三浦は向きを変えて集会室を出て行く。
(・・・・・)
三浦と話してる間も廊下の方を見ていたが、誰も通らなかった。
もうすぐ5時なのに来ないってことは、オレがここに来る前に倉庫に入ってしまって、中で待ってるのかもしれない。
ここに5時までいるつもりだったけど、三浦みたいにまた誰かに見られるのはメンドクサイ。
向かいなんだし、サッと中に入ってしまおう。
三浦が角を曲がって行ったのを見てから、オレも集会室を出る。
そして、誰もいないのを廊下の先まで確かめてから、パッとドアを開けて倉庫の中に入る。
「あれ?」
でも、倉庫の中には誰もいなかった。
「おかしいな」
オレを呼んだってのに、呼んだヤツが来てないなんて。
「何だってんだよ」
時間を間違ってるのか。
急に腕が跳ね上がった感じがした。
「!」
跳ね上がった腕がない。
「あ?」
何だこりゃ?
急に背中を突き飛ばされて、前に転んだ。
(・・・・・)
背中がスゴク熱い。
(・・・)




